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ITTFワールドツアー2014
グランドファイナル速報

●女子シングルス1回戦
福原 −7、5、−7、7、7、−8、12 森薗

息をのむ試合となった福原vs森薗。勝利の女神がどちらにほほえむのか迷っているような試合だった。

ラリーに強い福原だが、力で攻めたときのボールは森薗に軍配があがる。
森薗は序盤から攻めのボールが多く、バックストレートへのフォアドライブなど、福原の急所に打ち込んでいき、リードを奪う。
福原は得意のロングサービス、ナックルサービスでリズムを変えて、先に3ゲームを奪い、6ゲーム目は6−1とリードしていたが、ここから森薗がスパーク。
7−7まで追いつき、8−8からはフォアの手数が多くなり、6ゲーム目を大逆転で奪取。勝負も序盤から攻め立ててリードしていたが、福原も意地の連打で点数を重ねていく。
10−8で森薗がマッチポイントを握り、森薗勝利かと思われたが、そこからが福原の真骨頂だった。

10−8で森薗のロングサービスをストレートへ打ち込み、10−9ではバックのショートサービスに強気のバックフリック。「バックは今まで緩いフリックしかしてこなかった。あそこであんな速いフリックが打てるのはさすが」と試合後の森薗。
ジュースに持ち込んだ福原が、3度目のマッチポイントをものにして、準々決勝へ駒を進めた。

「最後は自分の得点パターンを信じるしかなかったから、負けても納得がいく試合ができた。私は最後の最後で強気になれない、でも愛ちゃんは強気で打ってきた。そこが強い。
全日本も当たる可能性があるので、球質とパターンは理解したつもり。相手も変えてくると思うけど、次は絶対に勝ちます」(森薗)

負けはしたが、強い森薗を十分にアピールしただろう。それをさらに上回った福原の勝負強さにも感服する。
  • フォアの威力はピカイチの森薗、惜しかった

  • これが福原の勝負強さか。負けない愛

●U21男子準決勝
町 −4、−6、5、4、4、7 酒井
張禹珍(韓国) −6、−2、7、9、6、12 カルデラノ(ブラジル)

男子は町と酒井の同士討ちとなり、町が勝利して、決勝へ駒を進めた。
序盤の2ゲームは酒井のカウンターが火を噴いて町を圧倒していたが、
「相手のボールが入ってきているので、チキータをゆっくりとつないでリズムを変えた」と3ゲーム目から町が対応する。
「フォア前のボールに対し、前はもっと甘いボールが返ってきたが、今日は酒井にうまくレシーブされて難しかった」と町。
酒井はリードしていただけに敗れた後ベンチで悔しさをあらわにした。

決勝は予選リーグで勝っている張禹珍が相手となるが、町は「カルデラノのほうが良かった。張禹珍は大舞台で強いイメージがある」とコメント。
しかし町も昨年の全日本で結果を出すなど、大舞台慣れはしているはず。優勝まであとひとつだ。
  • 「昨日ほど調子が良くないので調整して決勝へ臨みたい」と町

  • 酒井のスタートダッシュは完璧だった

  • ようやく覚醒してきた張禹珍はカルデラノを下した

  • 高い身体能力を持つカルデラノだが、ラリーは少々単調になりやすい

●U21女子準決勝
前田 7、2、−6、17、6 P.ゾルヤ(ドイツ)
陳思羽(チャイニーズタイペイ)8、−14、2、−12、4、9 伊藤 

女子U21の準決勝は前田がP.ゾルヤを下し、決勝へ進出。
前田はバックの速攻で左右に振り、十分な体勢で打たせないプレーが光った。
「表ソフトのボールのネットインが多くて自分はラッキーでした」と謙遜するが、低く鋭い意識があるからこそ、ネットインは多い。決勝は伊藤を破った陳思羽が相手。P.ゾルヤ以上の両ハンドをどう攻略するか。

そして伊藤はその陳思羽の思い両ハンドに苦しめられ敗退。
どこからでも飛んでくるバックドライブ、そしてチキータと、バックドライブの打てる範囲が広い陳思羽。まともに打ち合うと不利だった伊藤は、要所でロングサービスでの速攻、バックに下げてからフォアを狙い打つなど、陳思羽を崩しにかかったが、最後は安定感に勝る陳思羽に軍配。
しかし、中学2年生でのベスト4は立派だ。そして、ダブルスが残っている。まだ伊藤の大会は終わっていない。
大会2日目、本日のスケジュール(日本時間)
12時〜 U21女子準決勝 ※前田、伊藤出場
12時45分〜 U21男子準決勝 ※町、酒井出場
14時〜 男女シングルス1回戦 ※福原、森薗美、平野早、水谷、森薗政、丹羽出場
18時〜 U21決勝
20時半〜 男女シングルス1回戦 ※三部、石垣、石川、村松出場

本日から2台のメインコートで試合が行われる。
U21では町vs酒井、男女シングルスでは、福原vs森薗美、水谷vs森薗政、石川vs石垣など、日本選手の同士討ちが4度もある。
水谷は「一番当たりたくない相手」と森薗を評したが、一体どんな展開になるだろうか。

そして本日ラストの試合となる22時45分〜は、村松vsオフチャロフの対決。卓球ファンなら見てみたいカードのひとつだろう。壮絶なラリーになることは間違いない。

試合が次々にはいる途切れないスケジュールだが、日本選手の試合はその都度アップしていく予定です。
グランドファイナルのメインスポンサーは中国の自動車メーカーである「GACグループ」(広州汽車工業集団有限公司)です。
そのメインスポンサーが、なんと新たな試みでメーカーアピールしています。

それは、副審台に車の模型を置くという力技!!

これがまた写真を撮っていると何かと画角に入ってくるのです。
選手のみなさんは気にならないのだろうか? 明日少し聞いてみることにします。
  • 副審台にこのようにディスプレーされている

  • 奥のタオルを取りに行くカルデラノですが、おもちゃで遊んでいるように見えてしまう

  • これも、端に何かが・・・

  • プレー中の選手と車は、正直ミスマッチです

タイ雑記

2014/12/12

日本からの直行便では暑い、暑すぎるタイ
連日30度越えの暑さでTシャツ1枚で十分、しかし体育館のアリーナ内はクーラーがかなりきいているので、選手は上着を着たり脱いだりと体調管理が大変そうです。

オフィシャルホテルのフォーウイングスは、とても豪華で、朝・昼・晩とビュッフェスタイルで食事ができます。選手はかなりリラックスムードで、懇親会のように交流を楽しんでいました。

ただし、ここはメディアはダメらしいので、基本的には外へ行かなければなりませんが、まわりに店は皆無。ファミリーマートが1店あるだけです。

さて会場に着くと、各メディアがWifiがきていないと大騒ぎ。
パワーが微弱で写真を上げるのはほとんど無理の状態だったので、本日の速報は、ほとんど鈍行になってしまいました。失礼しました。
ただ、電波の強い一角をみつけたので、今日の午後からは速報でいけたと思います。明日もその一角を誰かに取られないように死守します。

ウェブにストレスがないので、本日最後の試合の速報を上げてからホテルに帰ろうとしていたら、、、シャトルバスを逃してしまい、タクシー帰りです。
明日は速攻乗り込もうと思います。

幸い、タクシーはぼったくりはされませんでした。テレビ東京さんは初日からかなりぼったくりにあって、トホホな状態だったそうです。
  • ホテルの玄関。大きいです

  • ファミマで発見!おにぎり! これで安心です

  • リラックスモードのメンゲル。この選手も大きい

  • 今日はU21で1位抜けしたカルデラノ

●女子ダブルス準々決勝
グルジボウスカ/パルティカ(ポーランド)10、−3、−10、7、11、6 福原/若宮

福原/若宮がよもやの敗退。お互いにチャンスボールを作るも、決めきれない場面が多く、5ゲーム目のジュースを落としたのが痛かった。
大事に行こうとつないだ日本ペアのループドライブを欧州の両ハンドに狙い打たれてしまうなど展開は苦しく、無理をした三球目強打など攻めを焦ってしまった。
「チェコオープンでやっているがそのときも接戦だった。戦術が効いているのにそこを攻めきれなかったのが大きいですね。これを経験にして、まだまだ強くなるペアだと思います」とベンチに入った竹谷コーチ。

●男子ダブルス準々決勝
趙彦来/徐賢徳(韓国)6、−9、9、4、11 森薗/三部

男子ダブルスでも全日本ペアの森薗/三部が韓国ペアに敗れた。
韓国ペアの台上バックドライブのスピードが速く、序盤は対応できなかったが、カウンターだけではなく、押し込んだり、合わせたりなど、とにかくボールをねじ込んだ。その甲斐あって、第2ゲームを取り返したが、第3ゲームの終盤に連続失点し、チャンスを逃したか。
試合後に三部は「大きなラリーは取れるけど、小さなミスが多かった。ボールが本当に速くて、思った以上に強かった。ぼくがもっとフォアを強くしなくてはいけない」とコメント。
豊富な技があるだけに決めるパワーがほしい。韓国のパワーに脱帽状態だった。
  • 左右の速攻ペアはよもやの敗退

  • 勝利の瞬間、ポーランドペアは歓喜の抱擁

  • 森薗得意のねじ込むボール。これが効いているうちは良いのだが・・・

  • 大きなラリーには強かっただけに、前陣を鍛えたいところ

●女子ダブルス準々決勝
平野/伊藤 −6、−7、5、9、−8、6、7 シャン・シャオナー/P.ゾルヤ(ドイツ)

中学2年生コンビのミウミマが快進撃。
序盤の立ち上がりに苦しんだが、徐々にボールに慣れていき、フルゲームでドイツペアを下した。

伊藤「前にやったときは順回転が効いたので、それでやっていたら効かなくて。横を入れたサービスにして崩した。シャンシャオナーは短いボールに強いので、途中から長いツッツキを入れていきました。U21からやっていたので疲れました」
平野「私はダブルスしかないので、ここで終わりたくないというのが大きいですね。でも最初は緊張して1,2ゲーム目はなにをやったのか覚えていないくらい。3ゲーム目からは緊張も取れました。美誠ちゃんのおかげです!」と笑顔のふたり。

末恐ろしいが、頼もしい。そんな言葉が似合う。
準決勝では馮天薇/ユ・モンユ(シンガポール)が相手となる。快進撃はどこまで続く!?

●男子ダブルス準々決勝
松平/丹羽 6、3、3、5 荘智淵/陳建安(チャイニーズタイペイ)

日本のエースペアはあっという間の完封劇で現世界チャンピオンを下した。
ラリーに強い相手だが、コース取りとサービスレシーブ、そして前陣でのさばきで松平/丹羽が圧倒。じつは2勝0敗で、負けたことがない相手だったが、それにしても速すぎる試合展開だ。

丹羽「立ち上がりがうまくいきました。こういう大きな大会で勝つことが大事」
松平「試合が始まると思ったよりも自分の調子が良かったです」

次は唐鵬/黄鎮廷(香港)と対戦する
  • 強い、ミウミマ。攻撃力は大人顔負け

  • ドイツペアは攻めきれなかった

  • 勝利に笑顔がこぼれた2人

  • 松平/丹羽は圧倒的。ベンチで倉嶋監督も「強すぎる」の一言

●U21女子グループリーグ
グループ1
前田 −12、8、−9、−6、10、9、9 佐藤
伊藤 6、4、8、8 ホルカノバ(オーストリア)
最終順位
1:前田美優 2:伊藤美誠 3:佐藤瞳 4:ホルカノバ

グループ2
サウェータブット(タイ)8、6、−2、12、−9、9 P.ゾルヤ(ドイツ)
陳思羽(チャイニーズタイペイ) −5、4、6、4、−6、6 森
最終順位
1:陳思羽 2:P.ゾルヤ 3:サウェータブット 4:森さくら

●U21男子グループリーグ
グループ1
酒井 8、6、7、3 パダサック(タイ)
カルデラノ(ブラジル)−5、7、−9、10、8、9チェン・フォン(シンガポール)
最終順位
1:カルデラノ 2:酒井 3:パダサック 4:チェン・フォン

グループ2
張禹珍(韓国)7、9、7、8 三部
町 −6、6、3、9、4 ロレンツ(フランス)
最終順位
1:町飛鳥 2:張禹珍 3:三部 4:ロレンツ

U21のグループリーグが終わり、準決勝進出選手が決まった。
男子は町と酒井、女子は伊藤と前田が通過。三部、佐藤、森は敗退した。

女子の前田vs佐藤は、勝った方が準決勝へ進出できるというマッチ。
お互いの特徴を出し合った見応えある激熱ラリーは、1本1本に観客も一喜一憂するほど。
カットで粘る選手と、それを揺さぶる選手の攻防は、タイの観客の心をつかんだようだ。

準決勝は各リーグの1位vs2位となるため、
男子は町vs酒井、カルデラノvs張禹珍
女子は伊藤vs陳思羽、前田美優vsP.ゾルヤ
というカードに決定した。

グループリーグ全敗でグランドファイナルを終えた森は
「良い経験になりました。全日本まであまり時間がないので、やることをしっかりやって臨みたい」と下を向かずに敗戦を前向きにとらえていた。

U21の準決勝は明日の朝スタート。日本選手もアベック優勝が期待できるだろう!
  • 準決勝では絶好調の町と当たる酒井

  • この敗戦を糧にして、全日本では再び暴れたい森

  • 集中力を切らすことなく、カットを打ち切った前田

  • 惜しかった佐藤。これからも要チェックの選手だ!

●U21女子グループリーグ
グループ1
佐藤 −11、10、6、−9、−5、6、3 ホルカノバ(オーストリア)
前田 5、6、−8、−2、2、−8、3 伊藤
グループ2
P.ゾルヤ(ドイツ)1、5、6、−8、−9、8 陳思羽(チャイニーズタイペイ)
サウェータブット(タイ)9、10、7、−11、−10、7  森

●U21男子グループリーグ
グループ1
カルデラノ(ブラジル)6、−9、9、−9、9、−3、9 酒井
パダサック(タイ) 10、5、9、8、5、7、5 チェン・フォン(シンガポール)
グループ2
町 6、9、5、3 張禹珍(韓国)
三部 8、−9、12、6、−9、−9、7 ロレンツ(フランス)

町が13年世界ジュニア王者の張禹珍を完封。フォアでの攻撃力、台上での早い攻め、そして張禹珍にあえて打たせてからオープニングを攻めるなど、町が手玉にとって見せた。
飛びつき後にバックに送られたボールに対し、左手に持ち替えてからラリーに持ち込むなど、メンタルにも余裕がみられる。今の町はこのまま優勝もありえるほどの充実ぶり。プラボールをものともしていない。

そして酒井はカルデラノに惜しい試合。ラリー戦で一歩も引かずに最終ゲームは5−2でリードしていたが、そこから逆転負けを喫した。後半になればなるほどカルデラノは大胆な策を選んでくる。この勝負度胸も強さのひとつだろう。
  • 何もできなかった張禹珍はこの表情

  • パワーとテクニックが磨かれているカルデラノ