速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

ITTFワールドツアー2014
グランドファイナル速報

大会3日目のスケジュール(日本時間)
12時〜 女子ダブルス準決勝 ※平野/伊藤出場
13時半〜 男子ダブルス準決勝 ※松平/丹羽出場
15時半〜 女子シングルス準々決勝 ※平野早出場
17時〜 男子シングルス準々決勝 ※水谷、丹羽出場
19時〜 男女ダブルス決勝
21時〜 女子シングルス準々決勝 ※福原、石川出場
22時半〜 男子シングルス準々決勝

本日からコートは1台で行われ、朝から晩まで非常にタフな試合になるだろう。
男女ダブルスは決勝、シングルスはベスト4までが決定する。

日本のカードを紹介しよう
●女子ダブルス
平野/伊藤 ー 馮天薇/ユ・モンユ(シンガポール)
●男子ダブルス
松平/丹羽 ー 唐鵬/黄鎮廷(香港)
●女子シングルス
平野 ー ユ・モンユ(シンガポール)
福原 ー 石川
●男子シングルス
水谷 ー メンゲル(ドイツ)
丹羽 ー フレイタス(ポルトガル)

楽なあたりはひとつもない。特に1試合目の平野/伊藤の中学生ダブルスは要チェック。
史上最年少優勝も夢ではない。
選手のウェアには一般的に、メーカー名やスポンサーロゴなどが入ります。
今回、少し気になったものがあったので紹介しましょう。

まずは写真左上のドリンコール。
斬新、正面には何も無しシンプル。右上写真を見るとわかるように裏にしっかり貼りついています。でもこれではゼッケンの位置が限定されてしまいますね。

その下の左はドイツのハン・イン。
何に違和感があるのかというと、メーカー名のダブルネームが付いています。会社は同じでもTSPとVICTASの融合は本来ありえないもの。どっちも好きという人は是非着たいウェアです。

その右は趙彦来は、韓国ソウルに本社を置く「S−オイル」。
特に意味はありませんが、目にとまったもので。
趙彦来はまるでガソリンで動いているような剛球を打っていたので、ピッタリのイメージ

三段目はメンゲルですが、あまりに動きすぎて床の広告をはがしてしまった写真。
本部が速やかに回収しました。

さてラストです。
メーカーブースがいくつか出ていますが、ドニックブースで店番をしている彼がずっと着ているウェア。
どっかで見たことありませんか? そう、弊社書籍の「卓球スリーステップレッスン」のキャラです。
いつの間に、Tシャツになっていたのか。
しかもホップ・ステップ・ジャンプのホップ部分の女の子がいない、スリーステップではなくツーステップのキャラたち。

恐ろしやタイ!
  • 正面はシンプルに無地

  • 裏にありました

  • まさかのダブルメーカー

  • オイルで元気満タン!

  • 比較的取れやすいGACの「Gマーク」

  • そんなにあっさり取っていくのというほど

  • 彼は昨日、他のTシャツにもつけていました

  • いつの間にタイでデビューしていた

●男子シングルス1回戦
オフチャロフ(ドイツ)1、9、6、4 村松

パワーあふれる相手の豪打、そして村松のカット。
ここまではいつもの展開だろう。しかし、そこからの展開がいつもと違う。
オフチャロフは極力ストップをせず、オールフォアで打ち込んでいった。

村松の得点源はカット以上に攻撃、それもツッツキやストップに対するバックハンドにある。それを打たせまいとオフチャロフは厳しいバックサイドでもフォアで回り、ドライブを連打。欧州王者が完璧な村松対策を見せ、ストレートで勝利。

「相手というよりも自分に集中力がなくて、全然ダメでした。次は万全な状態でやりたい」と世界ジュニアからの連戦の疲れか、集中力の低下を反省した村松。
攻撃のトップ選手と打ち合うにはパワー不足は否めない。
カットと攻撃のオールラウンダーを目指す村松、世界のトップを肌で感じ、これからどう成長できるか。
  • 村松が1本返しても、2本、3本と次々に豪打が襲った

  • 対策を練ってきたと言わんばかりの徹底した戦術だったオフチャロフ

●女子シングルス1回戦
石川 −7、7、10、6、8 石垣

カット打ちのうまい石川を崩すためには攻撃あるのみ。
その一心で序盤から石垣がカウンタースマッシュを連発し、優位に立つ。
しかし、石川もボールを徐々に厳しく送り、石垣のフォアのミスを誘った。
最後は石川のフォアドライブがトップギアに入り、一発で打ち込まれてしまった。
福原、森薗、石垣、石川と日本選手が固まってしまったトーナメントは
下馬評通りの福原vs石川となる。
先日のロシアオープン決勝のように、壮絶なバトルが予想される。
  • 石川は後半で一気にギアをあげた

  • 石垣の攻撃は強力だが、最後はコースが読まれたか

●男子シングルス1回戦
サムソノフ(ベラルーシ)5、−6、10、−8、5、7 三部

ほとんど互角のラリー戦で、チャンスはあった。
三部が得意のサービスでチャンスを作り、リードした場面も多かったが、「攻めきれなかった」と試合後に悔しさをにじませた。

大きなラリーになると三部は不利かと思われたが、むしろ三部のほうが押していたかもしれない。
フォアの引き合いでは互角以上の強さをみせた三部。
しかし、さすがのサムソノフは、ブロックのコース取りで三部を振り回す。
「バックからの回り込みが遅くなって、フォアのミスが多かった。この前のロシアオープンでアポローニャとやった試合は、負けはしたが上のレベルとも戦えるという自信になった。今回も思ったより通用した。チャンスがあっただけに悔しい。」(三部)と言うが、皇帝サムソノフに冷や汗をかかせ、彼の胸に「三部」の名前を刻ませただろう。
  • 「通用する」それだけでも大きな収穫だ

  • サムソノフは辛うじて勝利

  • 皇帝は三部の名前を刻んだに違いない

●U21男子決勝戦
町 3、7、6、−9、8 張禹珍(韓国)

予選リーグに続き、圧勝で張禹珍を下して、町がU21のチャンピオンに輝いた。
序盤の3ゲームは予選の再現かと思うほど、町のボールが走り、ことごとく打ち勝っていたが、
4ゲーム目からは「ロングサービスばかり出された」と台上勝負からラリー勝負に張禹珍が戦術変更。
それでも5ゲーム目からはしっかりと修正。
そして町もサービスを変えて、張禹珍にペースを握らせなかった。

「予選リーグで良い形で全勝できて、調子も良かったし、充実したプレーができたと思います。張禹珍は世界ジュニアで優勝してて、予選も勝っているけど、何か変えてくると思っていた。
 点数を取られるたびにやばいなとは思っていたけど、最後はおいついてからしっかり決めることができたので良かったです。優勝はうれいしいです。1月に全日本もあるので、頑張って良い成績を出したい」(町)
今大会の町は本当に充実しており、力強かった。今年の全日本も大暴れの予感がする!
  • 非常にミスのない両ハンド、そして台上も強くなった町

  • 優勝カップを掲げ、賞金2万ドルをゲット!

  • 町の充実のプレーに2連敗した張禹珍

  • 優勝を決め、ベンチに向かってガッツポーズ

●U21女子決勝戦
陳思羽(チャイニーズタイペイ)4、−10、8、−10、−8、6、12 前田

僅差! 本当に1本の差が勝敗を分けた。
最終ゲーム10−8でチャンピオンシップポイントを握っていた前田だが、そこからジュースに持ち込まれ、最後は12本で逆転負け。
前田は4度のマッチポイントのチャンスがあり、優勝目前だった。
しかし、1本が決まらない、これが勝負の世界なのか。逆転負けに肩を落とした。
優勝した陳思羽は、劣勢でも臆することなく両ハンド振っていき、たった1度のマッチポイントをものにしたことを考えると素直に拍手を送りたい。

前陣のプレーは前田が優位だが、陳思羽は下がっても強く、女子離れしたロビングやカットなどの変化プレーを入れてくる。前田はロビング打ちでややミスが多かったか。

「1本に泣きました。惜しかったけど、相手のフォアが強くて、最後は振ってこられてしまった。私はもっとフォアを鍛えて、前でも打ち抜けるようにしないといけないです。全日本までにフォアの威力、そしてフォア前を鍛えたい。
 決勝以外は自分でも我慢のプレーができた。2位は悔しいけど、良いプレーはできたと思います」(前田)
勝てたかもしれないという後悔はあるが、大会全体を通した内容は本人も納得のものだったのだろう、表彰式では笑顔を見せてくれた。
  • 優勝目前だったが、「課題はフォアの攻撃力」と経験を糧にしている

  • 決勝は突然の暗転。世界卓球のような演出

  • プレー領域を選ばない陳思羽。勝負度胸もある

  • 表彰式は良い笑顔!

●男子シングルス1回戦
丹羽 -7、12、-10、7、6、7 趙彦来(韓国)

趙彦来のパワーボールをうまく封じ、丹羽が逆転勝ちをおさめた。
入らなければ威力のあるボールも意味がない。まともに打たれたフォアは丹羽もブロックできなかったが、速いボールをバックに押し込み、バック対バックからラリーを展開することにより、趙彦来のフォアの一発を封じ込めた。
また、相手のフォアミドルに食い込む丹羽のフォアフリック、得意のアップダウンのサービスエースも要所で決まり、展開を優位に進めた。

「戦術さえしっかりしていれば勝てる相手だと思っていたが、自分のボールが甘いコースへいってしまい、何本か打たれてしまった。お互いに調子の良くない中で、ぼくのほうがサービスが良かったのが勝因」(丹羽)

最後に「冷静な気持ちをもってできました」とさすがのポーカーフェイス。
パワーをいなす技術がある。丹羽の顔は自信に満ちている。
  • 速さは強さ。丹羽らしい試合だった

  • 趙彦来は台上とバックを詰められてパワーを発揮できず

●女子シングルス1回戦
平野 7、2、9、5 リ・フェン(スウェーデン)

なんという安定感だろう。
リ・フェンの両ハンドをブロックし続け、要所でカウンターをお見舞いする。
平野は左右に振られても全く崩れず、13年欧州女王をストレートで下した。

「相手のミスが多くて助かりましたが、やはり何をするのかわからないので、集中力を途切れないようにしました。
 バックのミートが強いので、フォアに振ってからバックを攻めたり、バックミドルを攻めたり、狙い打ちをされないように注意しました」(平野)
1年前のスウェーデンオープンでは平野が2-4で負けているだけに、この勝利は大きい。まだまだ平野は強くなっている。
  • まだまだ強さに底はみえない平野

  • ミドル攻めで思うような試合ができなかったリ・フェン

●男子シングルス1回戦
水谷隼 -7、-7、-8、3、7、6、8 森薗

女子の福原・森薗戦に続き、男子の同士討ちも大熱戦となった。
森薗が水谷を3−0とリードし、もしやと思わせたが、やはり水谷の堅陣は固い。
「最初はフォアの調子が悪くて、オーバーミスばかりだった。4ゲーム目からはようやく修正できた」(水谷)と、試合の中で修正する水谷の高い対応力は素晴らしい。

森薗は、バックで水谷を振り回し、カウンターブロックを駆使して、水谷をロビングに追い込むプレー。それに苦しんだ水谷は「相手のフォアを早めに突くようにして、バックにしぼらせなかった」と戦術を変えて、森薗を崩す。
速い決め球が打てるところでもあえてゆるいボールを送ることで、森薗のカウンターを封じた。
水谷が速いボールを打てば、森薗のカウンターは自然と速くなる。緩いボールを送り、森薗のカウンターのスピードを落とし、次球を急所へ打ち込んだのだ。

「この大会は賞金も高いし、メンタルが重要になる。最初は調子が悪かったが、4ゲーム以降は自分でも不思議なくらい調子が良い。このまま思い切って優勝を狙います」と力強いコメントを残し、水谷が準々決勝へ進出だ!
  • 試合の中での修正能力。これが水谷の強さのひとつ

  • バックのカウンターが水谷を苦しめた

  • 森薗はいつもながら抜群の集中力