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平成26年度全日本選手権大会速報

 男子シングルス1回戦、昨年の全日本マスターズ・フォーティ(40代)で優勝を果たした西村雅裕(FEVER)が登場。国立大学の東北大卒で、学生時代に目立った戦績はないものの、社会人になってから単複とも全日本に何度も出場している。
 さすがに若い選手たちのような打球点の高い連続強打は難しいが、低く伸びのある中陣からの両ハンドドライブで、宮本(法政大)と互角のラリー戦を展開した。1ゲーム目を先取したが、ジュースにもつれた2・3ゲーム目を落としたのが響いて敗戦。「取るべきところで取れなかった。チャンスがなかったわけではないので、悔しいですね」と試合後に語った。

 「マスターズ40代で優勝して、東京選手権の年代別の予選が免除になったので、プラボール対策にはある程度時間は取れました。でもまだドライブの時にラケットの縁に当てたりしている。もう少し時間が必要ですね。ただ、回りの方々はセルロイドボールの試合がある中で、年末年始とプラスチックボールでの練習に協力してもらった。そのおかげで今大会はある程度やれたと思います」(西村)

 チキータを取り入れることでサービスの長短に関係なく、攻撃的なレシーブができるようになり、確実に勝率が上がったという西村。「若い選手たちのプレーはものすごく参考になりますね。体力のない40代の選手でも、取り入れられる技術はどんどん取り入れていきたい。昔の技術にこだわらずにチャレンジしていきたいです」と勝利に対してまだまだどん欲なところを見せた。

 実はこの西村雅裕選手こそ、1月発売の卓球王国3月号に掲載される「Another Story」の主役。原稿は伊藤条太氏が担当。……見逃せませんよ。
ジュニア男子5回戦で、またもや怪物・張本が魅せた!

第1ゲームは、やや受け身になった松山に対して、序盤から鋭いバックドライブで得点。
第2ゲームは、徐々に松山が持ち前のパワフルなドライブを見せ、リードを許すが、7-10から10-10に追いつき、ジュースでも先に得点される展開が続いたが、松山の6回ものゲームポイントをしのぎ、逆転勝利をあげた。
このまま張本が一気にいくかと思われたが、高校卓球界屈指の勝負強さをみせる松山も負けてはいない。第3ゲームは9-7と張本がリードしたが、4本連取で松山が逆転し、奪い返した。これで松山にエンジンがかかり、張本は第4ゲームも奪われ、勝負はファイナルゲームに持ち込まれた。
最終第5ゲームは、一進一退で進んだが、5-5から徐々に張本がつきはなし、粘りを見せる松山を7点で振り切った。

松山の回転量の多いドライブに対し、この試合ではややカウンターのミスが出た張本だったが、終盤では無理せずブロックに切り替え、相手のミスを誘った。バックストレートに抜き去るカウンターバックドライブ、そして要所で見せるたたきつけるようなフォアフリックなど、小学生とは思えない高度なテクニックを披露し、見事ベスト8入り。
続く、準々決勝の相手は、仙台ジュニアクラブの先輩でもある及川(青森山田高)と対戦。どんな戦いになるのか注目の一戦だ。


●ジュニア男子5回戦
張本(仙台ジュニアクラブ) 8、13、-9、-8、7 松山(愛工大名電高)
  • 小学5年でベスト8入りを果たした張本

●女子シングルス2回戦
福岡(中国電力)4、-10、3、6 弓取(金城短期大)

 現役引退を表明し、今回が最後の全日本となる元日本代表の福岡春菜(中国電力)が女子シングルス2回戦に登場。3-1で勝利し、3回戦へと駒を進めた。
 ベンチには四天王寺中学・高校時代の恩師である作馬六郎氏が入り、セット間にはリラックスした表情も見せた福岡。シングルスではベスト16が最高だが、その壁を越えることができるか。
●ジュニア女子4回戦
加藤(JOCエリートアカデミー) 3、4、7 神林(新潟産業大附属高)
橋本(四天王寺高) 5、6、10 笹尾(横浜隼人中)
鎌田(駒大苫小牧高) 9、-6、9、3 牛嶋(正智深谷高) 
早田(石田卓球クラブ) 2、5、8 阿部(ミキハウスJSC)
金子(愛み大瑞穂高) 7、8、7 田口(正智深谷高)
木村(ミキハウスJSC) 4、6、4 枝松(山陽女子高)
三條(四天王寺高) 7、6、-5、9 石川(JOCエリートアカデミー/帝京) 
佐藤(札幌大谷高) 10、2、7 青木(ミナミラボ)
浜本(JOCエリートアカデミー/大原学園)6、7、-9、3 永田(岩国商業高)
山本(福井商業高) 8、-4、5、3 宇田(横浜隼人高)
田中(武蔵野高) -9、3、7、10 木原(ALL STAR) 
伊藤(スターツSC) 8、7、-8、-12、6 中澤(希望が丘高)
木村(山陽女子中) 5、8、12 平(正智深谷高) 
芝田(四天王寺高) 7、4、9 岡崎(KTGクラブ)
馬場(芦屋学園高) 10、-8、9、-7、8 玉石(明誠高)
平野(JOCエリートアカデミー)7、6、8 朝田(希望が丘高)

 ジュニア女子4回戦、優勝候補の選手たちが軒並み勝ち上がる中、苦しんだのは伊藤美誠。希望が丘の両ハンドファイター・中澤にゲームカウント2ー0から追いつかれ、最終ゲームもリードされてチェンジコート。しかし、最後は前陣での正確なブロックで中澤を振り切った。もう少し、持ち味であるフォアのパンチのある攻撃が見たいところだが……。

 小学4年生の木原は、田中(武蔵野高)に対して1ゲーム目1ー7のビハインドから逆転し、強心臓を見せつけたが、中盤からやや攻守のミスが多くなった。「(1ゲーム目を)逆転した時は、自分でもすごいと思いました。でも今日の試合は最初の試合よりもミスがでてしまった」と緊張しながらも会見で語った木原。「来年は3位には入りたい」と最後は力強く、来年の目標を語った。
  • 苦しむも5回戦進出を決めた伊藤

  • 逆転で4回戦敗退となった木原

 大会最年長・47歳の大栗寛(徳島銀行)が男子シングルス1回戦に登場。実業団の強豪選手・有田(原田鋼業)に対し、ペン表ソフトから繰り出す積極果敢なフォアスマッシュで第1ゲームを11-3で奪ったが、第2ゲームからはフォアをうまく攻められた。有田のバックドライブも強力だった。

 「有田くんのことは中学生くらいの頃から知っていたけど、やはり今は球威もコースもずっとレベルが上がっていた。出足はうまく点が取れたけど、2ゲーム目からは相手にフォアにボールを集められた。自分の力はある程度出せたけど、もう少しフォアの処理がしっかりできると良かったですね。ボールは自分も相手もTSPを選んだし、TSPのプラボールで練習してきたので、問題はなかった」(大栗)

 「試合前は練習はやってきたし、節制して体重も絞ってきた。勝(英雄さん)がたしか60歳くらいまで全日本の一般に出ていたので、ぼくもそこまで頑張りたい」と最後にコメントした大栗。全日本マスターズに全国ラージ、そして全日本と、各種大会を股にかけて、まさに「人生卓球」を地で行く競技人生だ。現役選手の輝きにまさるものはない。


ジュニア男子で快進撃を続ける小学5年、張本智和が一般男子シングルス1回戦に登場した。
対戦相手は、名門・青森山田高出身で埼玉工業大の実力者・神原宏士。
張本は持ち前の前陣ドライブで積極的に両サイドを突いたが、さすがに相手は関東1部の大学生とあって、ジュニアのようにはなかなか打ち抜けない。神原は距離をとってうまくしのぎ、逆に張本は早い打球点で攻めようとしてミスが出てしまった。
2ゲーム目はジュースとなり、12-12でのラリーでは、神原が下がってロビングをし、張本が攻めるというチャンスの展開だったが、ここでボールが割れて、ラリーが中断。ここを取れていれば、悔やまれる好機だった。互角といって良い内容だったが、パワーとしのぎに勝る神原が最後はしのぎきった。

張本に注目が集まった一戦だったが、相手の神原も多くの報道陣が囲まれプレッシャーがかかる中、小学生を相手に向かっていく素晴らしいプレーを見せてくれた。

●男子シングルス1回戦
神原(埼玉工業大) 9、12、6 張本(仙台ジュニアクラブ)
  • 一般の勝利はならなかった張本

  • 試合後ベンチでうつむく張本、ジュニアで期待したい

  • うれしい1勝をあげ、観客席に手を振る神原

●女子シングルス1回戦
道端(信州大) -7、11、9、9 清水(龍谷大)

 本日からはじまった女子シングルス1回戦。信州大の道端選手が初戦を突破した。バック表の異質攻撃型で、回転量のあるサービスからつなげるバック表のナックル性のプッシュは相当に取りづらそう。
 そのラケットをよーく見てみると…フォアに使っているのはタキネスドライブ。回転系テンション系ラバーが全盛の時代だが、自分のプレースタイルにあった用具を選ぶことで自分の特長を最大限に発揮できる。用具選びも卓球の奥深さのひとつだ。
●ジュニア男子4回戦
三部(青森山田高) 9、8、ー7、9 中ノ瀬(瓊浦高)
金光(JOCエリートアカデミー) 9、ー3、8、1 高見(愛工大附属中)
坂根(育英高) 4、ー9、9、5 川路(れいめい高)
龍崎(JOCエリートアカデミー/帝京) 9、ー9、5、7 上條(松商学園高)
青山(野田学園高) ー9、6、7、10 菅沼(ケンちゃんズ)
高橋(青森山田高) 9、8、12 高橋(福岡工業高)
廣田(愛工大名電高) 8、7、3 沼村(野田学園中)
硴塚(JOCエリートアカデミー/帝京) 4、ー8、9、6 吉野(鎮西学院高)
及川(青森山田高) ー11、4、11、10 原井(福岡工業高)
木造(愛工大附属中) 13、6、10 土谷(育英高)

張本(仙台ジュニアクラブ) 9、ー11、7、ー6、5 高取(野田学園高)
松山(愛工大名電高) 6、6、7 柏(ねや卓球クラブ)
伊丹(野田学園高) 2、5、8 二木(杜若高)
木村(関西高) 2、5、10 和田(愛工大名電高)
一ノ瀬(青森山田高) 8、ー7、6、ー8、8 吉田(希望が丘高)
緒方(JOCエリートアカデミー/帝京) 5、7、9 葉波(鶴岡東高)
●ジュニア男子4回戦
張本(仙台ジュニアクラブ) 9、ー11、7、ー6、5 高取(野田学園高)

小学5年生の張本が高校生の高取を下し、ジュニアでベスト16進出!
ボールの球威では高取のほうが上。まだ上背のない張本のフォアサイドを、フォアのパワードライブで打ち抜くシーンもたびたび見られたが、張本は動じない。最終ゲーム、出足でリードしながら5ー4とされたところで、ベンチに入った父・宇さんがタイムアウト。ここから張本は、上から叩きつけるようなバックハンドを連発し、あまくなったサービスもレシーブからすかさず攻める。5点連取で10ー5とし、勝負を決定づけた。
ベンチでは不安げな表情も見せるのだが、コートでのメンタルの強さは恐るべきものだ。
 1月14日の水曜日、大会第3日目を迎えた東京体育館。今日は男女シングルスの1・2回戦が行われ、混合ダブルスとジュニア男女は準々決勝まで進む。

 ジュニア男子4回戦には、優勝候補の三部航平・及川瑞基(ともに青森山田高)、龍崎東寅・緒方遼太郎(ともにJOCエリートアカデミー)などに加え、ベスト32まで勝ち進んでいる張本智和(仙台ジュニアクラブ)が出場。今日の対戦相手は野田学園高の高取侑史。この強豪を相手に、怪物・張本はどんな戦いを見せてくれるのか。張本は男子シングルス1回戦にも登場し、神原宏士(埼玉工業大)と対戦する。
 ジュニア女子4回戦は加藤美優・平野美宇(ともにJOCエリートアカデミー)、伊藤美誠(スターツSC)、早田ひな(石田卓球クラブ)といった「スーパー中学生」に、世界ジュニア代表のチョッパー・佐藤瞳(札幌大谷高)、前々回大会ジュニア2位の浜本由惟(JOCエリートアカデミー/大原学園)、昨年一般でランク入りを果たした芝田沙季(四天王寺高)ら高校生が挑むという「逆転現象」が起きている。高校生プレーヤーが意地を見せられるか?

 男子シングルス1回戦では、大会最年長の大栗寛(徳島銀行)や、昨年の全日本マスターズ・40代優勝の西村雅裕(FEVER)というベテランのプレーも楽しみだ。