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速報・現地リポート

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全国高校選手権(インターハイ2015)

インターハイが始まり、試合の熱さはもちろんだが、会場内外も非常に暑い。
選手が待機するロビーはいるだけでじわりと汗がにじみ、外のメーカーブースをまわるだけで玉のような汗が流れる。

会場内は、台と台との間の通路が狭く、選手も通るのが大変そうで、その分だけベンチメンバーの応援ジャンプは控えめになっている。
県立滋賀体育館は、例年のインターハイより手狭な感はあるが、選手の協力、進行の迅速さもあり、思ったほどタイムテーブルは遅れずに初日を終えた。

本日の2試合目には、青森山田の三部、及川など、個人戦の有力選手も登場したが、まだインターハイは始まったばかり。調子を上げるのも取り戻すのもこれからの戦いに寄るだろう。

ひとり注目の1年生を紹介しよう。
開志国際の石山選手だ。ずっしりとした下半身と、ぶれない体幹。そして何よりボールへの予測能力が高く、相手のドライブにも迷わずカウンターを振り抜いていく。
突破力、という言葉が似合う。団体戦では敗退したが、個人戦でも楽しみな選手だ。
  • センス溢れる石山。1年生とは思えないほど堂々としている

  • 三部は競ったが落ち着いたプレー

  • 愛工大名電の松山はじっくりパワフルに

  • 全中王者の出雲(遊学館)はシャープなプレー

  • 中国オープンから後の疲れを感じさせない佐藤(札幌大谷)

  • 田口(正智深谷)は華頂女子の赤川にまさかの敗戦。復調に期待したい

  • 外のメーカーブースは暑さとの勝負

  • 観客席から仲間に声援を送る

●男子学校対抗2回戦
青森山田3−0湘南大附
瓊浦3−0富田
鶴岡東3−2高田
野田学園3−0開新
近大附福山3−1開志国際
都城商業3−1慶應義塾
希望が丘3−0育英
杜若3−1コザ
専大北上3−2尚志学園
遊学館3−0埼玉栄
松商学園3−2秋田商業
東山3−1尽誠学園
愛工大名電3−0帝京安積
明豊3−1れいめい
明徳義塾3−1滝川第二
関西3−1大阪桐蔭

男子学校対抗2回戦、シード校が登場し、ベスト16をかけての試合が開始された。
その中でも大接戦となったのは鶴岡東と高田だ。
鶴岡東は1番で葉波が敗れる波乱。続くカットマンの内田もフルゲームで敗れ、ピンチを背負った。
ダブルスを取り、4・5番の2台進行へ。
相馬、櫻内のふたりは相手にゲームを先行されて苦しい展開だが、最後まで足を懸命に動かし、ボールに食らいついて大逆転。
4・5番ともフルゲームで制して勝利をもぎ取った。

「相手は明大中野さんにすごい試合を勝ってきたので、勢いがありました。4・5番の3年生のふたりは1年前の選抜、この会場で逆転負けをしているんです。その経験が少しでも活きてくれたかなと思います。明日から同等、そして一枚上手の相手がいるので気を引き締めていきます」(鶴岡東・杉野森監督)
  • 相馬が4番で集大成の勝利

  • 櫻内が吠えて吠えて、最後を制した

●女子学校対抗2回戦
四天王寺3−0済美
明誠3−0松商学園
横浜隼人3−0青藍泰斗
正智深谷3−1華頂女子
明徳義塾3−2大野
鳥取敬愛3−1和洋女子
山陽女子3−2岩国商業
明豊3−0浜松修学舎
進徳女子3−1奈良女子
福井商業3−0桜の聖母
五所川原商3−0常盤木学園
希望が丘3−1新潟産大附
駒大苫小牧3−2愛み大瑞穂
芦屋学園3−1粉河
札幌大谷3−0武蔵野
遊学館3−1富田

 シード校が登場する女子学校対抗2回戦は、熱戦の連続。まず明徳義塾対大野。「全校生徒は170名、コンビニもない山村です」という大野村から参戦した大野。しかし、自治体の協力と、有力校を招待しての試合合宿などで力をつけた。3年生がひとりもおらず、明徳戦の4番で井を破った柳田主将でさえ、「昨年も団体メンバーに入っていたけど、試合に出るのは今年が初めて」というフレッシュなチーム。それでも、選手たちは持てる力を十二分に出し切った。

 1回戦で日南学園を破り、勢いに乗る粉河(こかわ/和歌山)に競り勝ったのは兵庫・芦屋学園。エース馬場の強さが際立つが、勝負を決めたのは1年生の中森。富永監督が「バック表で、チームメイトのみんなが嫌がるいやらしさがある」と評価し、思い切って起用。ゲームオール10ー8から10ー10に追い付かれてベンチをヒヤヒヤさせたが、最後はフォアハンドで打ち切ったのは見事。

 富田と遊学館の有力校対決は、遊学館に軍配。前回ベスト8・前々回3位の愛み大瑞穂は、駒大苫小牧に苦杯。ラストでカットの伊藤が、駒大苫小牧のサウスポー・西谷の巧みなカット打ちに惜敗した。打てそうなボールでも正確なストップで返球し、粘り倒した。
  • 大野の柳田キャプテン、明徳戦で勝利

  • 殊勲の星を挙げた芦屋学園の1年生・中森

  • 勝利を決めた西谷を迎える駒大苫小牧ベンチ

●男子学校対抗1回戦
大阪桐蔭3−1草津東
関西3−0徳島商業
高田3−2明大中野
開新3−1駒大苫小牧
開志国際3−1明秀学園
近大附福山3−0北陵
都城商業3−0上宮
慶應義塾3−1木更津総合
育英3−1福井商業
尽誠学園3−1松山商業
湘南工大附3−0添上
遊学館3−0富山商業
埼玉栄3−0近江
松商学園3-1鳥取敬愛
秋田商業3−0東海大菅生
帝京安積3−2古川学園
尚志学園3−1日本航空
専大北上3−0川越東
コザ3−2和歌山工業
れいめい3−1前橋
滝川第二3−2静岡学園
富田3−1出雲北陵
瓊浦3−1作新学院

33年ぶりにインターハイ学校対抗へ出場した都城商業(宮崎)。1回戦で30年連続30回目の出場となる上宮と対戦し、各試合は競るも結果はストレートで勝利した。

「どうせやるなら強いところが良いと思っていたので組み合わせで上宮が来ても動じませんでした。インターハイは個人戦は出ていましたが、団体は初なので雰囲気が全然違いますね。後ろで仲間が見ててくれるのは力になります。
 卓球王国で有力校として挙げられていたのがプレッシャーでしたが、勝てて良かったです」と内村秀平主将。
2回戦は慶應義塾とベスト16入りをかけて対戦する。
  • トップで弟の内村英司がフルゲームを制し、先勝

  • 強い、内村兄弟ダブルスが上宮を飲み込んだ

●女子学校対抗1回戦

済美3−2コザ
横浜隼人3−0佐賀清和
華頂女子3−1高岡龍谷
大野3−1相原
鳥取敬愛3−1秋田商業
和洋女子3−1白子
岩国商業3−0三田学園
山陽女子3−1城南
駒澤苫小牧3−1文大杉並
進徳女子3−0山形城北
桜の聖母3−2尽誠学園
浜松修学舎3−2樹徳
福井商業3−0滋賀学園
五所川原商3−1明秀学園
常盤木学園3−2長崎女子商
新潟産大附3−0埼玉栄
明豊3−0日本航空
粉河3−1日南学園
武蔵野3−1名経大高蔵
遊学館3−1木更津総合
松商学園3−0鹿児島女子
明誠3−0長浜北
青藍泰斗3−2慶誠

女子学校対抗1回戦、初出場の五所川原商と浜松修学舎が見事に初戦突破。五所川原商は、前陣で強烈な両ハンド攻撃を見せる工藤を軸に、明秀学園に勝利。1・2年生しかいない浜松修学舎は、ダブルスをゲームオールジュースで落としながら、4・5番で連取。昨年は人数不足で、県予選では助っ人を借りて出場したというチーム。5人での出場ながら、応援・プレーともに気迫にあふれ、堂々の初勝利だ。
  • 抜群の球さばきを見せた五所川原商の工藤

  • 浜松修学舎、ラスト大西の勝利の瞬間

いよいよインターハイが競技開始
女子学校対抗の滋賀学園と長浜北は地元の熱い応援を背に戦った。

しかし、長浜北は明誠、滋賀学園は福井商業という厳しい組み合わせとなり、両校とも1回戦で姿を消した。

滋賀学園のトップ、そしてダブルスには昨日の開会式で見事な選手宣誓を果たした大森主将が登場。福井商業のエースの山本と好ラリーを展開した。

「選手宣誓より試合のほうが緊張しました。普段から保護者の方たちは応援してくれていて、今日はそれ以外の地元の方も集まってくれました。あと1本が遠かったですね。私個人としては卓球はこれで終わりです。個人戦も頑張って良い思い出にしたいです」(大森遥主将)

多くの人の声援を背に卓球ができる機会は本当に少ない。
この貴重な経験を糧に高校生は成長する。
  • 先陣をきった大森主将

  • 残念ながら初戦突破はならず

 今日9日の16時半から、会場に隣接する大津プリンスホテルのコンベンションセンター「淡海」にて卓球競技の開会式が行われた。北は北海道、札幌大谷高の女子から順に入場行進を行い、沖縄県代表に続いて地元・滋賀の代表4校が入場。会場はちょっとキツキツになったが、何とか全員入りました。

 地元・県立石山高の合唱部による合唱、滋賀学院チアリーディング部によるパフォーマンスなどの「おもてなし」の後、昨年の優勝旗・準優勝旗やカップが返還。今年は一体誰の手に渡るのか。選手宣誓を行ったのは、県立草津東高校男子卓球部の今井優作主将と、滋賀学園高女子卓球部の大森遥主将。明日の学校対抗、地元・滋賀勢は4校が出場するが、男子の草津東は大阪桐蔭、女子の滋賀学園は福井商業と当たるなど、なかなかハードな組み合わせ。どの高校が滋賀に1勝をもたらすことができるか。

 開会式後の高体連卓球専門部による表彰では、湘南工大附高(神奈川/男子)が連続50回出場で表彰を受け、男子の上宮高(大阪)も連続30回出場となった。通算出場の表彰では、女子の遊学館高が前身の金城高時代を含め、通算50回出場。さすがの選手たちも「50回連続出場」のアナウンスにはどよめきの声があがった。
 さあ、いよいよ明日から競技開始。明日は学校対抗(団体戦)の男女1・2回戦が行われ、2回戦では優勝候補のチームも揃って登場。地元校や初出場校のプレーも見逃せない!
  • 力強く選手宣誓

  • 春を制した名電、夏への挑戦が始まる

  • チアリーディング部が盛り上げた

  • 開会式前、ロビーは選手でごった返し

昨日の8日に学校対抗の組み合わせ抽選会が行われた。
男子は、第一シードに前回優勝の青森山田、第二シードに春の選抜優勝の愛工大名電。昨年決勝で相対した両校は決勝まで当たらない。
1回戦で白熱しそうな注目カードは上宮vs都城商業、滝川第二vs静岡学園。特に上宮と都城商業はお互いにポイントゲッターがおり、激しい点の取り合いになりそうだ。
また、2回戦からはシード校が登場する。希望が丘の下に入った育英は、全日本ジュニアベスト8の坂根、同じく32の土谷を揃えている。福井商業との1回戦に勝利すれば、希望が丘vs育英は見逃せない。
鶴岡東の下には羽佳と穂積がいる明大中野が入り、その上の山には関西がいる。関西は呉坤、木村、そして新戦力の柏を揃え、戦力が充実。一気にこの山を抜けて、ベスト4入りもあり得るだろう。

女子は第一シードの四天王寺をはじめ、正智深谷、札幌大谷、富田、横浜隼人、武蔵野、芦屋学園など左の山にかなり有力校が集まっている。特に札幌大谷の山には武蔵野と芦屋学園がおり、熾烈な戦いとなるだろう。
右の山は希望が丘、愛み大瑞穂、明徳義塾、奈良女子、山陽女子、福井商業が有力だろう。しかし、何が起こるのか分からないのがインターハイであり、ドラマが起こるのがインターハイだ。明日の1〜2回戦で代表の55校が一気に16校になる。
力を出し切って、悔いの残らない大会にしてほしい。

男子学校対抗の組み合わせ

女子学校対抗の組み合わせ

 卓球競技の最終日である8月14日に決勝が行われ、チャンピオンが決定する男女シングルス。
 男子シングルスは、今年1月の全日本ジュニア決勝を戦った青森山田の及川瑞基・三部航平のふたりが優勝戦線をリードする。国際大会やドイツ・ブンデスリーガでも試合経験を積んでいるふたり。前々回2位、前回3位と結果を残している及川に対し、三部は2大会ともベスト16に終わっている。3年生、最後の夏。頂点に懸ける思いが強いのはどちらか。
 ふたりの対抗馬になり得るのは、愛工大名電の松山祐季、野田学園高の伊丹雄飛という強豪校のエースたち。名電は全日本ジュニアベスト8の廣田雅志、天才左腕・木造勇人も優勝戦線に絡む実力がある。中国人留学生は最近存在感が薄れてきているが、パワーみなぎる関西の呉坤、明徳義塾の左シェークドライブ型・金博が有力。金博は技術的には頂点を狙えるだけのものがあるが、メンタルのもろさで結果が出ていない。その他では、6月のジャパンオープンU-21で活躍した左腕の坂根翔大(育英)、昨年の全中チャンプ・出雲卓斗(遊学館)らに注目したい。

 女子シングルスは、世界ランキング33位の佐藤瞳(札幌大谷)をはじめ、全日本ランカーの牛嶋星羅(正智深谷)、攻撃力も高い橋本帆乃香(四天王寺)など、カット主戦型の実力者が揃う。カットを打てなければ優勝は狙えないのが今大会の特徴だ。
 第1シードの田口瑛美子(正智深谷)、第2シードの芝田沙季(四天王寺)は前回3位。昨年のシングルス終了後、「来年は三冠を獲れるように頑張ります」とコメントした芝田は、豪快な両ハンドドライブを武器に初の頂点を狙う。希望が丘のエースである中澤紬や、小柄ながら身体能力の高い平真由香(正智深谷)も両ハンドドライブの威力はかなりのもの。いずれも対カットは万全とは言えないが、対策は練ってくるだろう。その他では、フォアのパンチ力は抜群でカットにも強い木村香純(四天王寺)、小学生時代から全国で活躍する馬場麻裕(芦屋学園)にも注目したい。
 「カット対攻撃」という構図はあるが、絶対的な本命は不在。女子シングルスでは思わぬ伏兵の登場もありそうだ。

 今大会はプラスチックボールが使われる初めてのインターハイ。わずかとはいえ、セルロイドボールより大きく硬いプラボールは、選手の体に疲労を蓄積させていく。加えて有力選手は団体・シングルス・ダブルスの3種目に出場するケースがほとんどで、それぞれの種目で上位に進出した場合、5日間で20試合以上を戦うことになる。タフでなければ、インターハイのチャンピオンにはなれない。
  • 全日本ジュニア優勝の及川、悲願のVなるか

  • 三部は最後の夏に頂点を狙う

  • 力強い両ハンドドライブを放つ松山

  • 全日本ジュニア3位の伊丹

  • 一昨年準優勝の佐藤、全中に続く優勝を狙う

  • 芝田は豪快なパワードライブが武器

  • カットの牛嶋、全日本ランカーの力を見せたい

  • 希望が丘の中澤、昨年優勝した先輩・前田に続くか

 インターハイの開幕まであと2日。9日は開会式で、10日から競技が開始される。まずは学校対抗の有力校を紹介しよう。

 男子は青森山田、愛工大名電、野田学園の3校が本命になるだろう。青森山田高は過去8連覇を含む16回優勝を誇るが、今年で卓球部の強化が終了することが決定しており、最後のインターハイになるかもしれない。及川・三部が中心となり、有終の美を飾りたいところだ。
 春の選抜を制した愛工大名電はエースの松山に加えて、13年全中王者の木造が入学し、層が厚くなっている。野田学園も爆発力のある青山・伊丹の2枚看板で初優勝を目指す。

 本命3校に迫る第2集団には希望が丘、東山、鶴岡東を上げたい。希望が丘と東山は昨年のインターハイを経験した1〜2年生がメキメキと実力を伸ばしており、選抜でも好成績を残している。昨年3位の鶴岡東は長丁場でも最後まで動き切る体力が自慢だ。今年はどこまで突っ走ることができるか。
 他にも春の選抜でベスト8に入った瓊浦、明徳義塾、埼玉栄、杜若。そして遊学館、都城商業、明大中野、関西など例年に比べて有力校が多い。夏の主役はどの高校だ!?

 女子は四天王寺、希望が丘、正智深谷の3校は単複で安定したメンバーがおり、上位進出は確実と思われる。特に四天王寺は個々の強さはもちろんだが、シェーク裏裏、粒高、左利き、カットマンなど、多種多様な戦型が揃い、相手校にとって的が絞りにくいという強さがある。
 春の選抜ベスト8に入った札幌大谷、明徳義塾、芦屋学園、愛み大瑞穂も表彰台を狙える位置にいるだろう。中でも札幌大谷は世界ランキング33位の佐藤がいるため、本命校としても怖い相手だ。他にも富田、武蔵野、横浜隼人、山陽女子がバランス良く戦力が揃っており、上位進出が期待できる。

 8日には学校対抗の公開抽選会が行われ、トーナメントの組み合わせが決定する! さあ、インターハイが開幕だ!
  • 青森山田は坪井が抜けたが、十分な戦力だ

  • 愛工大名電は松山がカギとなる

  • 悲願の優勝なるか、野田学園

  • 選抜優勝の勢いのまま連覇を狙う四天王寺

  • 今年こそはうれし涙で終わりたい正智深谷

  • 希望が丘は単複の要となる中澤(左)の爆発に期待