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世界卓球クアラルンプール大会速報

〈日本 3ー0 北朝鮮〉
○石川 ー6、5、4、5 リ・ミョンスン
○福原 5、6、4 リ・ミギョン
○伊藤 4、ー8、8、5 キム・ソンイ

 まさに会心の勝利!
 3番伊藤もキム・ソンイの反撃をブロックで封じながら、要所で強烈なスマッシュを打ち込んだ。昨年の中国オープンではゲームオールで敗れていたが、冷静かつ勇敢な戦いぶりはさすが。守備範囲の広いキムをさらにワイドに揺さぶり、勝ち切った。

 試合後、笑顔、笑顔の日本女子チーム。本当にこのチームは強かった。北朝鮮を相手にストレートで勝利するとは……。この結果を予想し得ただろうか?
  • ミマ、勝利に最高の笑顔!

  • キム・ソンイはリベンジを喫した

  • ベンチでもスマイル、スマイル……

  • 日本女子、チームの雰囲気は最高

〈日本 2ー0 北朝鮮〉
○石川 ー6、5、4、5 リ・ミョンスン
○福原 5、6、4 リ・ミギョン
 伊藤 vs. キム・ソンイ
 福原 vs. リ・ミョンスン
 石川 vs. リ・ミギョン
 
 2番福原、サービスとバック表ソフトの変化で左シェークドライブ型のリ・ミギョンを手玉に取った!
 対裏ソフトでは相当に強いリ・ミギョンだが、福原のナックル性のボールに最後までタイミングが合わず。バックのナックルショートに対するオーバーミス、投げ上げのナックルサービスに対するレシーブミスなどが続いた。福原も無理に強打はせず、前後にボールの緩急をつけながら、巧みにミスを誘う。第1ゲーム1ー2から8点連取で9ー2、第2ゲーム0ー2から6点連取で6ー2と連続得点で突き放す福原。第3ゲームも4ー4から7点連取で一気に決着をつけた。
 日本女子、この勢いはとまらない。3番ミマで一気に決着だ!
  • 素晴らしい試合巧者ぶりを見せた福原

  • 北朝鮮の応援団も大きな声援を送るが、日本につけいるスキなし

●女子グループC・第3戦
〈日本 1ー0 北朝鮮〉
○石川 ー6、5、4、5 リ・ミョンスン
 福原 vs. リ・ミギョン
 伊藤 vs. キム・ソンイ
 福原 vs. リ・ミョンスン
 石川 vs. リ・ミギョン

 現地時間16時30分(日本時間17時30分)からスタートした日本と北朝鮮の大一番、トップ石川がリ・ミョンスンを破り、大きな大きな先制点!

 ループドライブからのスマッシュにミスが多く、リ・ミョンスンの反撃や変化ブロックにもつかまって、第1ゲームを落とした石川。リ・ミョンスンには過去0勝3敗、ストレートで敗れた13年世界選手権での一戦が頭をよぎったが、第2ゲームから石川のカット打ちは一変。ループドライブとよく似た弧線で、ほとんど回転のかかっていないナックル性のドライブを打ち分け、リのカットにネットミスが連続。リは混乱に陥り、得意の攻撃もほとんど出せないまま、完璧に石川にペースを握られた。中盤からは、石川の思い切りの良いフォア強打もよく決まった。

 2番福原、ここは一気に流れに乗るぞ!
  • 石川、新たなカット打ちの境地を見せた!

  • リ・ミョンスン、中盤から石川に翻弄された

  • 緊張感が漂う日本女子チーム

●男子グループC・第2戦
〈日本 3ー1 シンガポール〉
 丹羽 ー4、2、ー8、2、ー8 パン・シュエジエ○
○大島 7、ー12、ー10、8、4 ヤン・ツー 
○吉村 ー9、12、4、ー6、9 チョウ・ジェユー
○丹羽 ー8、8、7、ー7、3 ヤン・ツー

 4試合すべてがゲームオールになったシンガポール戦。水谷を休ませた日本は、大島、吉村、丹羽が1点ずつ取り、シンガポールに勝利!

 4番で勝利した丹羽は、試合後に「4番は(トップと)同じ左の選手で、展開も同じだったからまた負けるのかと思ったけど、最後は勝ててラッキーでした」とコメント。「正直4番の試合は何で勝ったかわからない。足が動かなくて連打ができなかった。全勝で日本に帰ると行っていたので、負けてしまってすごく悔しい。正直まだ立ち直れていないですけど、次から相手も強くなって、自分の気持ちも高まってくるので、良いプレーがしたい」(丹羽)。

 エース水谷がチームのメンバーに与える安心感は絶大。他の2選手は余裕を持って、思い切ってプレーできる。このシンガポール戦、日本の3選手のプレーはやはり緊張感を漂わせていた。それでもこの試合、勝利したことが大きい。夜のポーランド戦に気持ちを切り替えて臨みたい。
  • ヤン・ツーを振り切った丹羽

  • 世界ランクは落ちたが、まだまだ強かったヤン・ツー

  • エース水谷、試合に出るより疲れた一戦か……

●男子グループC・第2戦
〈日本 1ー1 シンガポール〉
 丹羽 ー4、2、ー8、2、ー8 パン・シュエジエ○
○大島 7、ー12、ー10、8、4 ヤン・ツー 
○吉村 ー9、12、4、ー6、9 チョウ・ジェユー
 丹羽 vs. ヤン・ツー
 大島 vs. パン・シュエジエ

 日本男子、シンガポールを2ー1と逆転し、リードを奪った!
 3番シンガポールの「3人目の左腕」チョウ・ジェユーは、前陣での両ハンドドライブが切れ味鋭く、サービスも巧み。吉村のサービスも意外なほど効かず、サービスミスも多かった。ゲームポイントを2回取られた第2ゲームをしのぎ切り、ロビングでの大きなラリーを使って少しずつ調子を取り戻したが、最後の最後まで互角の内容。
 第5ゲーム、10ー9、ここで吉村はフォア前へのサービスを、一発で打ち抜きにいくチキータ。これがネットをかすめてチョウのフォアサイドを駆け抜けた。膝をつくチョウ、吉村が3番で貴重な勝利を挙げた!

 4番は丹羽が再び登場。試合開始からすでに2時間以上が経過。ここで決めよう!
  • 吉村、この勝利で勢いに乗れそうだ!

  • チョウは世界176位とは思えない強さだった

●男子グループC・第2戦
〈日本 1ー1 シンガポール〉
 丹羽 ー4、2、ー8、2、ー8 パン・シュエジエ○
○大島 7、ー12、ー10、8、4 ヤン・ツー 
 吉村 vs. チョウ・ジェユー
 丹羽 vs. ヤン・ツー
 大島 vs. パン・シュエジエ

 エースのガオ・ニンを下げ、サウスポーを3人揃えたシンガポールに、日本は予想外の苦戦を強いられている。
 トップ丹羽は、格下のパン・シュエジエにゲームオール8ー11で惜敗。細身の丹羽とぽっちゃり体型のパンだが、強烈な回転のチキータからカウンターを狙うプレーはよく似ていた。第2ゲームは3ー2から8点連取、第4ゲームは4ー2から7点連取と怒涛の連続得点を見せ、ゲームオールとした丹羽だが、第5ゲームは5ー2から5点連取を許し、5ー7とされてそのまま押し切られた。
 出足と終盤、丹羽のバックハンドに対して回り込んでのバックストレートとカウンターのバック強打で、丹羽の得意なバック対バックで優位を作らせなかったパンをほめるしかない。

 2番大島は、下回転系のサービスが出足から抜群に効いたが、ヤン・ツーのフォアサイドに来るYGサービスにも手を焼く。第3ゲーム10ー8から4点連取で逆点され、第4ゲーム3ー6と非常に厳しい展開だったが、ここから少しでも台から出るサービスはフォアドライブで攻め、6点連取で9ー6と逆転。敗れると日本は一気に苦しくなる試合で、大島の頑張りが光った。
  • ぽっちゃりパン・シュエジエ、センスを見せつけた

  • 大島、貴重な勝利!

 大会第2日目、朝10時(日本時間11時)スタートの日本男子対シンガポール。日本は水谷、シンガポールはガオ・ニンというエースをオーダーから外した。朝と夜に分かれる今日の2試合、エース水谷はシンガポール戦は休ませ、きっちり夜のポーランド戦に向けて調整させる作戦だ。
 トップは日本が丹羽、シンガポールがパン・シュエジエという左腕対決。世界ランキングで言えば丹羽が14位、パン・シュエジエが334位と大きな開きがある。2番は大島対ヤン・ツー、3番は吉村が出場する。ヤン・ツーはピークを過ぎた感はあるが、体重を相当落としており、まだ実力は健在だ。

 現在、丹羽とパン/シュエジエの試合は第2ゲームを終えて1ー1。第1ゲーム、出足で1ー6と離されて落とした丹羽だが、まったくあわてず。第2ゲームは3ー2から8点連取でタイに戻した。今大会、「一番調子が良いのは丹羽」という声が多い。体つきも細身ながらさらに筋肉がついた印象。シンガポール戦で、エース起用の期待に応えたい。
 昨日、白熱する男子グループリーグの韓国対クロアチアのさなか、副審の審判台の前面にあるスコアの電光掲示板に異変が起きていた。コートでは譚瑞午と鄭栄植が対戦しているのだが、電光掲示板の選手名は李尚洙とガチーナで、スコアはもうメチャクチャ。ルーレットのように目まぐるしくスコアが動き、0ー10になってみたり、5ゲームスマッチなのにスコアが3ー2になっていたり……。

 この電光掲示板、今大会ではなんと主審が操作している。12年ドルトムント大会までは副審が操作、しかしトラブルも多く、東京大会では審判が操作を行うのは止めたという。そして今回の電光掲示板については、正しく表示されている試合のほうが少ないんじゃないか? と思うくらいミスが多い。2本や3本前のスコアで止まっているケースも多い。

 大会初日の会見場のパネル崩壊に続き、記者席(プレスシート)のテーブルがグラグラだったり、セキュリティチェックがあまくてどこにでも自由に入れてしまったり、かと思えばひとりのスタッフが突然厳しい入場規制を始めたり……。昨日、激しいスコールと雷鳴がやってきた時は、会場の雨漏りや停電が心配だった。

 今大会から男女とも最大96チームに出場が制限されている世界選手権団体戦。それでも開催規模は非常に大きい。日本や中国などの東アジアと、ヨーロッパ以外での開催が難しい大会になっているのだ。世界中から様々なレベルの選手が集う現在の世界選手権も、捨てがたい魅力はあるけれど、大会のステータスを上げるためにも、各大陸予選などの実施で大会をよりスリムに、ハイレベルにする時期に来ているのかもしれない。
  • 左手前はクロアチアの譚瑞午、スコアには李尚洙とガチーナの名前が

  • 次はなぜか鄭栄植とガチーナに

  • さらに朱世爀とプリモラッツの名前に。3分くらいの間のできごと

  • こちらは試合中に、なぜか電光掲示板では試合終了

●男子予選グループD・第1戦
〈韓国 3ー2 クロアチア〉
 鄭栄植 7、ー17、ー8、ー9 ガチーナ○
○李尚洙 8、ー4、4、6 譚瑞午
 朱世爀 ー4、ー7、ー12 プリモラッツ○
○李尚洙 5、ー10、4、ー3、6 ガチーナ
○鄭栄植 9、ー10、6、6 譚瑞午

 3ー2の大激戦となった、男子予選グループDの韓国対クロアチア。トップでガチーナが鄭栄植を破り、先制点を挙げたクロアチアは、1ー1の3番でなんと46歳の超ベテラン・プリモラッツが登場。対する韓国は、カットの朱世爀を3番に置いて確実に1点を取りに来た。

 ところが、フタをあけてみれば、プリモラッツのカット打ちにはまったくミスが出ない。一見して普通のドライブに、予想以上に回転がかかっており、逆にナックル性のドライブは何度も朱世爀のカットのネットミスを誘う。そして確実につなぐループドライブには全くと言っていいほどミスが出ない。ゲームカウント2ー0とリードした第3ゲームをジュースで押し切り、なんとプリモラッツが朱世爀にストレート勝ち。試合直後の韓国ベンチはまるでお通夜のようだった。この後、4番李尚洙と5番鄭栄植が踏ん張り、辛くも勝利をおさめたのだが……。

 それにしてもこのご時世、ストップをほとんど使わずに、フォアドライブだけで朱世爀のカットを攻略するテクニックは驚異。旧ユーゴスラビア時代の87年ニューデリー大会から世界選手権に出場しているプリモラッツ。「ゾッキ(プリモラッツの愛称)は昔からカット打ちはうまいんだよね。ドルトムント大会での日本戦のカット打ちを思い出すな」と語る弊誌コンノ編集長。このドルトムント大会とは、もちろん2012年大会ではなく、日本がユーゴスラビアに大逆転勝ちした、89年ドルトムント大会のことだと思われます。

 43歳のシュラガーとクレアンガ、そして46歳のプリモラッツと、40代が元気な世界卓球。プリモラッツ、この勢いでノーチャンスかと思われたリオ五輪への道も……拓けるのか?
  • 打球時の「アウ!」という声はいまだ健在

  • カットにイージーミスが続いた朱世爀

  • 46歳、見事な勝利でした

●女子グループB・第2戦
〈日本 3ー0 ブラジル〉
○石川 ー9、2、5、8 クマハラ
○若宮 9、5、ー6、5 タカハシ
○浜本 9、5、13 グイ・リン

若宮と浜本を起用した日本女子、ふたりがきっちり期待に応え、3ー0で快勝!

「本当は出場する予定はなかったけど、1試合目があまり良くなかったし、会場にも慣れていなかったので2試合目も出ました」というトップの石川。しかし、3球目のフォアハンドでの攻撃にもうひとつ思い切りの良さがなく、クマハラを相手に1ゲームを先取される展開。しかし、第2ゲーム1ー0でロビングを打ちミスして1ー1になってから、かえって吹っ切れた感があった。ここから9点連取で10ー1とすると、3球目でのロングサービスからのフォア強打や、ラリーでの切れ味鋭いフォアハンドが戻ってきた。

若宮はタカハシのバックサービスにややレシーブが不安定だったが、フォアハンドでよく攻め、特にストレートへの攻撃が有効だった。「緊張するのはわかっていたので準備をしていたし、硬くなる時もあったけど乗り切れて良かった」と試合後のコメント。

ベンチから先輩たちも大きな声援を送った「浜ちゃん」こと浜本は、出足はさすがに硬さが見えたが、第2ゲーム9ー5でバックドライブから見事な流しスマッシュを決めるなど、次第に硬さが取れてきた。対戦相手のグイ・リンは12〜13歳でブラジルに渡った選手で、バリバリの中国選手に比べればプレーに厳しさはない。浜本、第3ゲームでマッチポイントを取ってからはレシーブのミスもあったが、堅いバックのブロックで押し切った。
  • 若宮、世界団体戦デビューを勝利で飾る

  • パッと見た目、「タカハシ」な感じではないタカハシ

  • 浜本のバックドライブは、グイ・リンも押さえ切れず

  • 浜本の勝利に大いに沸く日本ベンチ