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平成29年度全日本選手権速報

大会3日目、本日は混合ダブルスの4回戦と準々決勝が行われ、早くも表彰台に上る4ペアが確定する。9時半からの4回戦では3度の優勝を誇る田添/前田(専修大/日本生命)vs. 森薗/伊藤(明治大/スターツSC)、張本/平野(JOCエリートアカデミー・JOCエリートアカデミー/大原学園)vs.平成25年度の王者、張/森薗(東京アート/日立化成)、3回戦の接戦を乗り切った世界王者・吉村/石川(名古屋ダイハツ/全農)は吉村の弟・和弘/平野(愛知工業大/豊田自動織機)との対戦。大会3日目にして早くもトップレベルの戦いが繰り広げられそうだ。

 ジュニア男女は5回戦までが進行し、ベスト8が出揃う。男子は注目の張本を筆頭に、第1シードの宇田(JOCエリートアカデミー/大原学園)、インターハイ2位の戸上(野田学園高)、インターハイ3位の田中(愛工大名電高)、金光(大原学園)などがまずはベスト8入りを目指す。女子は全中1・2位のエリートアカデミーの木原、長崎、ミキハウスJSCのカデットチャンピオン・菅澤、大藤、四天王寺の塩見らが上位を狙う。

本日行われる種目は以下のとおり

男子シングルス1〜3回戦
女子シングルス1~3回戦
混合ダブルス4回戦・準々決勝
ジュニア男子4~5回戦(ベスト8決定戦)
ジュニア女子4~5回戦(ベスト8決定戦)
  • 張本/平野は張/森薗とベスト8をかけて対戦

  • 第1シードの田添/前田との対戦となる森薗/伊藤

●男子ダブルス1回戦
佐藤/築地(蝶友クラブ) −8、7、13、9 佐藤/吉澤(秋田商業高/秋田高)
●男子ダブルス2回戦
柴田/加藤(フジ) 8、7、8 佐藤/築地

「バタフライ」ブランドでお馴染み、株式会社タマスの社員が所属する卓球クラブといえば「蝶友(ちょうゆう)クラブ」。かつては伊藤繁雄さん、長谷川信彦さんという元世界チャンピオンも蝶友クラブから全日本選手権に出場し、優勝を争った。この伝統あるクラブから、佐藤亮/築地佑太ペアが男子ダブルスに出場。見事に1回戦を突破した。

右シェークドライブ型の佐藤選手は熊本大時代に全日本一般シングルス、右シェークカット型の築地選手も東北大時代に全日本学生に出場しているが、関東や関西の学生リーグ上位で活躍した実績はない。しかし、埼玉県予選では、代表決定戦となる3位決定戦で小島/藤原(駒澤大卒/早稲田大卒・KKSC)に0−2からの大逆転で勝利し、歓喜の代表権獲得(小島/藤原ペアも繰り上げで全日本出場)。
迎えた男子ダブルス1回戦では、勝負所となった3ゲーム目の終盤、タイムアウト後に相手のチキータを思い切って狙い打ち、このゲームを奪うと、4ゲーム目も競り勝って見事な1勝を手にした。2回戦は愛知工業大のOBペアにストレートで敗れたが、硬さが取れ、好プレーも随所に見せた。

実は「蝶友クラブのレギュラーは、週6回は練習している」という噂は常々耳にしていた。「仕事もあれくらい熱心にやってくれたら」なんて、愛情の籠もった冗談も。もちろん、卓球メーカーといえど、タマスはそんなに甘い職場ではない。佐藤選手は生産チームのラバー担当、築地選手は研究開発チームで試作評価などを担当し、日中は仕事をバリバリこなしている。埼玉県所沢市のバタフライテックには練習場があり、夜10時まで使用できる環境だが、残業で練習できない日もある。それでも仕事が終わった後、両選手は全日本に向けて練習に打ち込んできた。

「一般に出るのは初めてなので、出られてすごくうれしかったです。1勝を挙げることもできたので良かった。ありがたいことに会社からのバックアップもあって、結構練習もさせてもらっているので、ちょっとでも蝶友クラブの名前を全国の方に知ってもらえたかな、恩返しができたかなと思います」(築地)
「あまり意識すると緊張すると思ったので、コートに入るまではそのへんのオープン戦だと思うようにしてたんですけど、いざ試合が始まったらガッチガッチになりました(笑)。本当はもうちょっと柔らかいプレーができるんですけど、ガチガチでツッツキも入らなくなっちゃって、ヤバイと」(佐藤)
「ぼくも緊張しましたけど、横の亮さんはもっと緊張していた(笑)。でも最後は決めてくれましたから」(築地)

「来年以降も予選に出続けていれば、ワンチャンスをものにできるかもしれない。できるだけ出続けたいと思います」という佐藤/築地ペア。「好きなことを仕事にできているので、幸せだと思います」と佐藤選手は語った。ふたりの卓球への尽きせぬ愛情が、気まぐれな全日本の勝利の女神を振り向かせたのかもしれない。重い重い1勝、おめでとう!
  • 男子ダブルスで1勝をつかみ取った佐藤(左)/築地ペア

 兄弟、姉妹でダブルスに出場するペアもいる中、双子ペアでの出場を果たした向山佳那・佳歩姉妹。息の合ったプレーで高校生ペアを退け、見事2回戦突破を決めた。

 姉・佳那が右シェーク速攻型、妹の佳歩は左シェークドライブ型。現在は佳那が関西学院大、佳歩が日本大に通う大学4年生だが、滋賀県のJOY松下から、中学・高校はともに宮崎県の日南学園と、大学入学まではつねに一緒の道を歩んできた。大学は佳那が関西、佳歩は関東と分かれたが、同じ大会に出ることがあれば、お互いに応援し合う。姉妹の仲については「性格に関しては周りから見ると似てるらしいです。一緒にいた頃はよくケンカしてましたけど、今はそんなに(笑)。普段から、連絡はよくします」とのこと。

 姉妹ペアでの全日本は今回が2回目だが、春からは社会人となり、「全日本に出るのは今回が恐らく最後」と語る。お互いを「(妹・佳歩は)ワガママ(笑)」(佳那)、「普段は言わないけど、(姉・佳那のことを)本当はスゴいなって思ってます」(佳歩)と評する。2人で挑む最後の全日本での目標は「1つでも多く勝って、少しでも長く一緒にプレーすること」。
 姉妹で切磋琢磨し、励まし合って歩んできた卓球人生。その集大成となる全日本を心の底から楽しんでほしい。

●女子ダブルス2回戦
向山佳那/向山佳歩(関西学院大/日本大) 11、-10、4、8 大西瑚々那/大平透子(浜松修学舎高)
  • 左が妹の佳歩、右が姉・佳那

●ジュニア男子3回戦(一部)
吉山(TC中原) 8、5、10 田原(明豊中)
篠塚(愛工大附中) 7、-6、8、-8、7 長沼(樹徳高)
宇田(JOCエリートアカデミー/大原学園) 2、10、5 内田(明徳義塾中・高)
張本(JOCエリートアカデミー) 7、2、1 佐藤(鶴岡東高)
手塚(明徳義塾中・高) -8、5、-7、3、7 石沢(聖和学園高)
金光(大原学園高) 8、6、3 塩見(滝川第二高)
田中(愛工大名電) 2、-9、6、5 石城(高田高)
戸上(野田学園高) −7、−8、4、3、6 中村(愛工大名電高)

ジュニア男子も3回戦でスーパーシード勢が登場した。
危なかったのは野田学園高のエース戸上。右シェークバック表の中村の球質の変化、思い切りの良いカウンターに受け身に回り、2ゲームを先行される苦しい展開。そこから3ゲーム連取で逆転勝ちを収めたが、最終ゲームも出足でリードされるなど、ヒヤリとする試合内容だった。

一方、優勝候補筆頭の張本は、左腕の佐藤のフォアサイドをチキータとバックハンドで厳しく攻め、確実に料理。試合後の会見では、「初戦でこれくらいのプレーができないと優勝も難しい」とコメント。今大会4種目にフルエントリーしているが、「大会4冠はずっと狙っているんですけど、目の前の試合にひとつずつ勝っていきたい。(四冠の中でも)シングルスとジュニアのふたつのシングルスは、取る自信もあるし、絶対取ってやるという気持ちもあります」と力強く語った。目標が大きくなるほど燃えるそのメンタリティは、やはり「王者の資質」か。明日以降のプレーがますます楽しみになってきた。
平野との混合ダブルスについては、「1〜2週間しか練習していないのに、結構良いプレーができたので、これからラリー展開がもっと速くなっても全然やれると思う。これからが楽しみです」とこちらも自信をうかがわせるコメントを残した。
  • 快勝の張本

  • 逆転で勝利の戸上

  • インターハイ3位の田中も4回戦へ

  • 全中チャンプの手塚はゲームオールで勝利

●ジュニア女子3回戦(一部)
長崎(JOCエリートアカデミー) 2、7、7 信田(富田高)
木原(JOCエリートアカデミー) 10、14、7 坂本(富田高)
中田(愛み大瑞穂高) 3、-6、-15、10、6 原田(田阪TTC)
相馬(新発田ジュニア) 8、4、8 高田(明徳義塾中・高)
鈴木(四天王寺高) 9、-12、-2、6、7 後木(駒大苫小牧)
菅澤(ミキハウスJSC) 8、5、9 津隈(ALL STAR)
塩見(四天王寺高) 4、6、5 川北(Schochi Jr.)
新井(横浜隼人中) 7、10、9 田中(秋草学園高)
野村(愛み大瑞穂) 8、5、10 青木(横浜隼人高)
出雲(遊学館高) 8、3、-8、8 平田(進徳女子高) 
枝廣(進徳女子高) -9、3、8、5 高橋(ミキハウスJSC)
大藤(ミキハウスJSC) 7、9、6 木村(正智深谷高)
岡崎(川口総合高) 3、6、-11、7 萱嶋(明誠高)

ジュニア女子は3回戦に入り、スーパーシードの選手が登場!
昨年度準優勝、第1シードの長崎はストレート勝ち。昨年のアジアジュニア後にチキータの強化に取り組み、台上での攻撃力が向上。先手を奪い、回転量の多い両ハンドドライブを自在なコースへと打ち込んだ。JOCエリートアカデミーの2年後輩、木原も競り合いながらもストレート勝ちで、4回戦へと勝ち進んだ。

昨年11月の全日本カデット14歳以下優勝の菅澤、13歳以下優勝の大藤も順当に勝ち上がっている。平野・伊藤・早田という「黄金世代」の下の世代で、誰が頭角を現してくるか、注目だ。
  • 長崎は快勝で初戦突破

  • ストレート勝ちをおさめた大藤

 10代、20代の選手が目立つ会場内で、30代後半で全日本に挑んだ2人の男をピックアップ。1人目は今大会出場選手中最年長の39歳・永石孝介(永卓会)。藤松剛志(虹の松原)とのペアで男子ダブルスに出場した永石。両親も卓球選手で、父は元全日学ダブルス2位という家庭で育ち、地元・佐賀から今回が10度目の出場。試合の方は3ゲーム目に粘りを見せたが、ストレートで敗戦。残念ながら勝利はならなかった。

★永石孝介・試合後コメント
 「親が全国で活躍した選手ですし、こういう舞台で簡単には負けたくないという気持ちはあります。1勝はしたかったんですが、相手が格上でした。仕事があるので、練習は試合前にみっちりやり込む。所属している『永卓会』は親が作ったチームで、今はジュニアも含めて60〜70名くらいが所属していて、私はまだ選手でやらせてもらってますが、兄が指導にあたっています。少しでも佐賀のレベルアップに貢献できれば良いですね。今年は終わりましたが、また来年の全日本を目指したいと思います」

 2人目は永石の次の年長出場者となった38歳・喜多修一。今回が2度目の全日本出場で、パートナーの志田昌彦は27歳での全日本初出場。「出足で緊張してしまった」(喜多)と試合は学生ペアにストレートで敗れたが、3ゲーム目は粘りのプレーで追いすがった。ちなみに喜多の所属するパナソニックエナジー徳島からは、昨年度大会に42歳の西川義文が出場している。

★喜多修一・試合後コメント
 「出足で緊張してしまったけど、後半は自分のプレーができた。地元の高校から会社に入って、継続的にみんなで楽しみながらも、しっかり練習してきて全日本に出られた。個人的な目標として親子で全日本に出たい。息子が今、中学3年生で今年はジュニアの県予選であと一歩で負けてしまった。息子はあと2年チャンスがあってこれからだけど、こっちは出れるかどうか(笑)。でも、チャンスがあるなら、子どもと一緒に全日本出場を目指したいですね」


●男子ダブルス1回戦
荒木/八百野(ヨシダTTS) 7、6、11 藤松/永石(虹の松原/永卓会)
福井/吉兼(京都産業大) 4、7、13 喜多/志田(パナソニックエナジー徳島)
  • 大会最年長の永石(左)

  • 38歳の喜多(手前)も善戦

混合ダブルス3回戦、世界チャンピオンの吉村/石川ペアからマッチポイントを奪い、「あと1点」まで追い詰めた渡井丈人士/河村茉依ペア。

最終ゲーム10−9の場面を振り返り、渡井は「相手は世界チャンピオンなので、今までどれだけ競った場面を経験しても、どの試合よりも勝ちたいという気持ちが出てしまった。平常心を保とうと思ったけど、力みが出てしまったかなと思います」とコメント。一方、河村は「正直、『いきたい、いける』という欲はめちゃくちゃ出ましたし、平常心を保とうと思ったけど、それで逆に良いボールを送りすぎたかもしれない。もっとじっくりと、泥臭いボールでも良かった」と振り返った。

「メディアも多かったので、どこまでできるかなと思っていたんですけど、2ゲームを先に取れたので、攻めの気持ちでやりたいと思っていた。ただ、相手のボールも伸びたり、曲がったり、なかなか完璧に打たせてもらえなかった。そういうところが厳しかった。でも悔しいです。このラウンドまでは来たいと思っていたし、気後れしたらもったいないと思っていた。最後はハッスルしたかったし、できたかなと思いますけど、最後はどうしても……若干気後れがありましたね」(河村)。

渡井は高校3年生、一方の河村は昨年11月で35歳。17歳の年の差ペアで、「もうお母さんの扱いなんですよ」と試合後の河村。「彼の爆発力に賭けていた部分もある。現代卓球というか、チキータもすごいし、サービスもすごいし、大きく動けるので本当に面白い。今後の成長が楽しみ」とエールを送った。一方の渡井も、「河村さんが時間を作ってくれたり、細かい技術やコースの選択が良いから、自分に良いボールが返ってくる。しっかり自分が引っ張っていけるよう、できることを思い切ってやりたいと思っていました」と語った。

一般女子シングルスで最年長の河村は、過去ベスト8に2年連続で入っている実力者。今後の去就については、まだ確定ではないが、全日本選手権は今大会が最後、3月の東京選手権で現役を引退する見込みだという。女子シングルスについては「一戦一戦これが最後かもしれないと思ってやっている。混合ダブルスですごく引き上げてもらったので、それをちゃんと活かして、恩返しするつもりで、いけるところまで強気でいきたいと思います」と抱負を語った。
  • あと1点が遠かった渡井/河村

●混合ダブルス3回戦(一部)
田添/前田(専修大/日本生命) 1、4、6 能戸/伊藤(朝日大/中央大)
森薗/伊藤(明治大/スターツSC) 6、9、6 山田/牧之内(大正大/専修大)
及川/安藤(専修大) 8、7、13 伊積/北澤(岡谷市役所/須坂創成高)
沼村/中村(野田学園高/岩国商業高) -5、7、11、5 田中/田中(愛工大名電高/早稲田大 
大島/早田(木下グループ/日本生命) 6、1、7 笹原/長尾(國學院大)
張/森薗(東京アート/日立化成) 6、-9、12、9 中林/宋(原田鋼業/中国電力)
張本/平野(JOCエリートアカデミー・JOCエリートアカデミー/大原学園) -10、4、7、6 柴田/鳥居(フジ/愛媛銀行)
吉村/石川(名古屋ダイハツ/全農) 9、-11、-12、4、10 渡井/河村(静岡学園高/アスモ)
吉村/平野(愛知工業大/豊田自動織機) 6、6、12 鹿屋/高橋(リコー/サンリツ)

 混合ダブルス3回戦が終了し、ベスト16のペアが決まった。強豪ペアが貫禄で勝利を重ねる中、吉村/石川(名古屋ダイハツ/全農)が渡井/河村(静岡学園高/アスモ)に大苦戦。第1ゲームを奪うも第2、第3ゲームをジュースで落とし、ゲームカウント1−2と後がなくなった。
第4ゲームは11−4で奪ったものの、第5ゲームは7-9とリードを奪われ、9−10とマッチポイントを取られる絶体絶命のピンチ。しかし、10-10のジュースに追いつき、最後は11-10から渡井のチキータがオーバー。吉村/石川が苦しみながらも勝利をもぎとった。明日の朝一番で行われる4回戦の相手は吉村/平野(愛知工業大/豊田自動織機)。全日本の舞台で兄弟対決が実現する。
  • 大苦戦の末、勝利をつかんだ吉村/石川

  • 圧勝でベスト16入りを決めた大島/早田

●ジュニア男子2回戦
坂田(敦賀高) 14、5、10 竹村(東山高)

ジュニア男子2回戦、福井・敦賀高校の坂田修選手がストレート勝ちを収め、3回戦に進出した。強烈なパワードライブはないが、巧みなバックのブロックでコースを突き、フォアハンドが強い竹村を封じた。「3ゲーム目は0−6までいって、逆に力が抜けたので追いつくことができたと思います。作戦としては、相手はフォアが得意な選手だったので、フォアを振らせないようにバックにボールを集めました。自分の技術の中で、一番自信があるのはブロック。バックもフォアも一発はないんですけど、ブロックが得意ですね」(坂田選手)

坂田選手のベンチに入ったのは、お父さんである耕さん。福井商業高から筑波大に進み、選手としても活躍した。息子さんの試合を振り返り、「1ゲーム目があれだけ競ったので、取れるかどうかが大きかったですね。その後は落ち着いて普段のプレーができていたと思います。小学生の頃から全国大会を経験させていただいて、ベンチにも入らせてもらってますけど、体も大きくなりましたし、技術的にも成長してきているので、本人にある程度任せて、ゲーム間はお互いの作戦を確認する感じですね」と語った。

地元の福井県敦賀市では、今年ふくい国体が開催。「少年男子の強化選手ということで6年前から強化が始まって、いろいろなところに行かせてもらっている。本番である今年、結果が出せればいいと思います。なかなか全国の舞台は厳しいもので、今回はふたつ勝ちましたけど、紙一重のところがある。こういう戦いを経験していけば、国体本番でも力が発揮できると思います」(耕さん)。
今大会の目標について、坂田選手は「ベスト8決定が張本くんなので、そこまで行きたい」とコメント。「攻めないと勝てないと思う。この大会をきっかけにして、自分が変われたらなと思います」と、最後は力強く語ってくれた。
  • 得意なブロックで2回戦突破

  • 試合後にはお父さんとガッチリ握手

●ジュニア男子2回戦
橋本(愛工大名電高) −5、10、6、4 村松(長野工業高)
篠塚(愛工大附中) 5、7、13 近藤(松商学園高)

昨年秋にドイツのLMC(リープヘル・マスターカレッジ)で1カ月武者修行し、腕を磨いた愛工大名電高の橋本一輝。ジュニア男子2回戦に登場し、1ゲームを先取されたものの、2ゲーム目以降は安定した両ハンドを武器に要所を締め、勝利を収めた。

「ずっと課題であるレシーブが乱れて1ゲーム目を落としてしまったんですけど、2ゲーム目からは修正して自分のやるべきことをやれたと思います。レシーブの練習は大会前、ヨーロッパに行っている時から結構やっていたんですけど、ヨーロッパの選手とはサービスも違いますね」と試合後のコメント。
「マスターカレッジでは世界トップクラスのカルデラノ(ブラジル)やゴーズィ(フランス)、そして日本の村松雄斗とも練習で打ち合った。「人生経験というか、すごく良い経験をさせてもらいました。カルデラノやゴーズィとも練習させてもらって、カルデラノのバックハンドはどこに来てもバックハンドで狙っていって、『自信を持って振っているな』という感じでした。ぼくはあまり特徴がないスタイルだと言われるので、特徴を持つことはやっぱり大事だなと気づかせてもらいました。まだ勉強中です」(橋本)。

今大会の目標については、「インターハイで金光選手に負けて、また今回も4回戦で当たるのでリベンジしたい。そして欲を言えばもう1回勝って、(準々決勝で)チームメイトの田中とやれたらいいなと思います」とコメント。高校2年で迎える最後の全日本ジュニア。大いに欲を出して、上位へ突き進んでもらいたい。
  • 3回戦進出を決めた橋本