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速報・現地リポート

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平成30年度全日本選手権速報

●男子シングルス準々決勝
水谷隼(木下グループ) 11、8、7、10  丹羽孝希(スヴェンソン)

男子シングルス準々決勝、最大の注目カードはストレートで水谷に軍配!

1ゲーム目、中盤で逆転した丹羽が9ー5でリード。しかし、丹羽にバックハンドのミスが出て水谷が13ー11と逆転し、重要な1ゲーム目を先取した。「何としてでも1ゲーム目を取りたかった。落とした時点で、自分としてはかなりキツイなという気持ちでした」と試合後に丹羽は語った。

「最後のほうはどのサービスを出してもストップされて攻められる、出すサービスがなくなったし、自分のレシーブもうまくいかなかった」(丹羽)。4ゲーム目にはストップからのフォアストレートへ放つ水谷の4球目フォアドライブに、丹羽が反応できず、手ではたき落とす場面が何度もあった。丹羽のコースを読み切り、回り込んで放つ水谷のパワードライブは威力抜群。4ゲーム目は丹羽が4ー7から10ー7と逆転でゲームポイントを握ったが、水谷がさらに5点連取で上回り、一気に決着をつけた。

「Tリーグで対戦した時はラリーを続けてくれて勝てたけど、今日はラリーをさせてもらえなかった。強かったです」(丹羽)。さすが水谷、という試合内容だった。
  • 「さすが水谷」という試合内容で完勝

  • 丹羽は「1ゲーム目が勝負だった」と悔やんだ

  • 10度目の優勝へ向け、まずは死のブロックを勝ち抜いた

●男子シングルス準々決勝
木造勇人(愛知工業大) 8、5、8、7 町飛鳥(シチズン時計)

 男子シングルス、ベスト4最後の1人は木造! ストレートで町を退けて準決勝へと勝ち上がった。

 速い打球点で打ち込む木造に対し、町は少し下がった位置で攻撃をしのぎながら反撃のチャンスを伺う。しかし、それでも追いつけないほど今日の試合の木造は速かった。鋭いチキータで町のバックを突いたところで、次は打球点の早いバックドライブ、回り込んでのシュートドライブで町のフォアサイドを厳しくえぐる。少しでもあまくなったボールは見逃さずにガンガン攻め立て、左右に揺さぶる展開が続き、終わってみればストレートで圧勝。水谷の待つ準決勝進出を決めた。

 大学生となった今年度は、なかなか結果が残せていなかった木造。スウェーデンリーグにも参戦し、腕を磨いてきた。今大会では5回戦で松平賢二との死闘を制し、吉田雅己にも我慢のプレーで成果を見せたベスト4だ。
  • 左右に町を振り回した木造

  • 町は速攻をしのぎきれず、防戦一方

  • 初のベスト4。明日は水谷に挑む

●男子シングルス準々決勝
大島祐哉(木下グループ) 2、8、5、4 田添響(専修大)

 大島vs.田添響、Tリーグ・木下マイスター東京所属同士の対戦は、田添響のダイナミックなプレーを封じた大島がストレートで勝利を収めた。

 ともによく練習し、手の内を知り尽くした者同士の2人。足を使った速い攻めを見せた大島が序盤から試合の主導権を握る。台上や前陣での連打で田添響を突き放し、4-0の快勝を収めた。昨日は得意の中・後陣に高木和卓を引きずり込み、ベスト8に進んだ田添響、3、4ゲーム目からはロビングで大島を誘い出しにかかったが、大島もうまく逆襲をかわしながら打ち込み、ストレートで決着。初のベスト4進出となった大島、明日の準決勝は張本との対戦となる。昨年度は準々決勝で対戦し、好ゲームを展開した両者。1年越しのリベンジを期す。

★田添響コメント
「フォア前にサービスを集められ、ロングサービスもあって良いレシーブができなかった。バックに詰めていきたかったけど、大島さんに待たれていて、凡ミスもしてくれない。どこで勝負しても勝てなかった」
  • 大島、完勝で初のベスト4進出

  • 田添響は完敗を認めた

  • 手の内を知る者同士の対戦も、ワンサイドゲームになった

●男子シングルス準々決勝
張本智和(JOCエリートアカデミー) 6、6、9、8 吉村真晴(名古屋ダイハツ)

男子シングルス準々決勝、まず張本が吉村を下してベスト4一番乗り!
チキータからのバック対バックという「ストロングポイント」を徹底的に生かした張本。バック対バックになれば打球点の早さでまさる張本の優位は動かない。3ゲーム目の10ー9では、ミドルから吉村のフォアへ強烈なバックハンドで打ち抜き、4ゲーム目10ー8のマッチポイントでは、吉村の回り込みドライブを横殴りの「はりパンチ」。勝負勘を見せつけて試合を決めた。

★吉村真晴のコメント
「ぼくのサービスに対して徹底的にチキータをしてきた中で、本来それを狙っていくべきなんですけど、それを防ぐことに頭がいきすぎて、戻りが後れてしまい、相手にチキータからの連続攻撃を許してしまった。要所で自分もロングサービスを使ってチキータを防ごうとしたけど、正確に高い打球点でレシーブしてきて、そこから彼の得意なバック対バックのラリーに持ち込まれた。ぼくが1本でもバックハンドでストレートに攻めていれば、流れが変わったかもしれないけど、彼のバックハンドの速さに押されてしまった。改めて彼の強さを感じた。
 彼は昨日2試合苦しい試合を戦う中で、今日が中休みになっちゃいましたね。明日はしっかり準備をして頑張ってもらいたいと思います」
  • ストレートで勝利を決めた張本

  • 吉村はベスト8で終わる

  • 2連覇に向け勢いをつけた張本

●女子シングルス準々決勝
木原美悠(JOCエリートアカデミー) ー5、10、ー7、ー10、9、8、9 佐藤瞳(ミキハウス)

 昨日、平野美宇を下した中学2年の木原がフルゲームまでもつれた末に佐藤を撃破。石川佳純以来となる中学2年での女子シングルスベスト4進出を果たした。

 ミドルを中心にドライブを集め、あまくなったボールを狙いにいった木原だが、4ゲーム目までは決め手を欠き、佐藤が3-1とゲームをリード。長いラリーが続く試合は5ゲーム目に促進ルールに入ると流れは木原へ傾き始める。佐藤のサービスではじっくりとつなぎ、攻撃も前陣に貼りついてシャットアウト。自分のサービスのターンでは好球必打のカット打ちを見せた木原がじわじわと追い上げ、勝負は最終ゲームへ。
 終盤まで一進一退の展開となるも、8-9で佐藤が回り込んでバックへ放ったスマッシュを木原がストレートへのブロックでノータッチ。最後は佐藤のスマッシュミスでゲームセット。我慢のプレーを見せた木原が大逆転で準決勝へと駒を進めた。2年ぶりのベスト4まであとわずかに迫っていた佐藤は促進ルールに入り、勝負所での攻撃のミスに泣いた。明日の準決勝、木原は森との対戦となった。

★木原コメント
「疲れました。緊張していたけど最後まで我慢してやれた。試合前に朱雨玲と佐藤さんの試合のビデオを観て対策は練ってきた。戦術の部分、サービス・3球目の部分を確認しました。(5ゲーム目に促進ルールに入って)ルールを覚えているか心配でした(笑)。促進ルールに入ってサービス・3球目で良い形に持っていけたのが大きかった。自分はスマッシュが打てるので、それをうまく使えた。(石川佳純以来の中2でのベスト4は)その頃の石川さんと比べて、自分はまだまだだと思います」
  • 木原、快進撃は止まらず

  • 佐藤は前回大会に続き苦杯

  • 中学2年でのベスト4は石川佳純以来

 初のベスト4入りを決めた早田ひな。昨日の石川戦ほどアグレッシブに攻め込むことはなかったが、芝田(世界ランク15位)の攻撃に冷静に対処しながら、7割、8割の力で伸び伸びとプレーした印象だ。昨日の石川戦だけを見れば、その強さはまさにチャンピオン級の強さだった。世界ランク3位の石川を破るために、1球目から決めに行く積極性を見せ、それが見事にはまり、炸裂した。一方で、芝田戦ではギアをシフトダウンさせながらも完勝するあたりは、勢いだけでない本物の実力も感じさせた。

 昨日の石川戦の勝利後のテレビや新聞でのメディアでも「五輪への新星」「羽ばたけ東京五輪へ」という見出しが躍った。しかし、現実は厳しい。早田の世界ランクは現在43位で、2010年1月の世界ランクで日本人の3番手に入ってこないと、五輪代表の選考では厳しい。しかもその道のりは簡単ではない。一般マスコミが思うほど、全日本で世界の上位者に勝っただけで五輪代表に近づかない。東京五輪への道は平坦ではないのだ。

 世界43位となると、ワールドツアーでも予選から出て、本戦ではシードの下に入れられる。そういう状況下の中で、大物を倒し続け、じりじりとランキングを上げるしかない。ただし、世界ランキングは常に過去1年間の成績の良かった8大会の合算で決まるので、1、2大会で成績が良くても大きくは変動しない。
 たとえば、現在世界ランキング3番手の平野は13065点で、早田は7531点と、二人の間には500点以上の差があり、それを縮めていくのは至難の業だ。

 ところが、今年から8大会の成績に加え、T2ダイヤモンド(3大会)という国際卓球連盟の新しいイベントが生まれ、優勝すると1000点のボーナスポイントが付与される。参加資格はワールドツアーのスタンディングポイントで決まるので、3月からのワールドツアーでの成績で上位につけると、T2への参加資格を得ることができるので、そこでの活躍次第では一発逆転のチャンスが出てくることになる。

 早田は明日の準決勝で同期の伊藤美誠と対戦する。そこで前年覇者の伊藤に勝ち、優勝すれば、世界代表の権利も得ることができる。日本女子はまさに下克上の時代になった。この熾烈な国内競争が日本女子を世界の頂点へ近づけていることに違いはない。
●女子シングルス準々決勝
早田ひな(日本生命)4、8、8、7 芝田沙季(ミキハウス)

 早田対芝田、注目の強打者対決は早田がストレートで完勝。初のベスト4進出を決めた。

 試合は序盤から早田がサービス・レシーブで先手を奪い、ラリーになっても打球点の早いドライブ連打で圧倒。得点するも失点するも早田のボールが入るか入らないか、そんな印象を受けるほどに、早田が試合の主導権をがっちり握って試合を支配。一気に4ゲームを連取し、芝田得意のフォアのパワードライブを打たせる隙も与えずに4ゲームを連取して決着をつけた。世界ランキングを15位まで上げている芝田だったが、この日は攻め手を欠き、早田の両ハンドに集中砲火を浴びた。

 12月末のTリーグの試合後に、日本生命の村上恭和総監督が「日本で一番勢いがあると思うほど、技術ひとつひとつがレベルアップしている」と話した早田。その言葉どおり、今大会の早田はプレー全てにおいて相手を圧倒するような迫力がある。「昔はサービスから3球目に力を入れていたけど、今はレシーブで先手を取る時代。なのでそこにも力を入れて取り組んでいます」と語っていたが、バックでのチキータ&逆チキータに加え、フォアで角度を合わせるようなレシーブもきっちり相手の攻めを封じている。

 これで明日の準決勝は伊藤対早田のカードに決定。貫禄のプレーを見せている伊藤と絶好調の早田の対戦は今大会最大の見せ場となりそうだ。
  • 完勝で初の4強入りを決めた早田

  • 芝田は早田の前になすすべなし

  • 勝利後観客に応える早田

●女子シングルス準々決勝
森(日本生命) 10、ー7、ー8、9、11、5 加藤(日本ペイントホールディングス)

森さくら、準々決勝で加藤を下し、地元・大阪でうれしいメダル確定!

 「加藤さんとは直近の2回の対戦では負けていた。今日は1試合しかないのはわかっていたので、思い切って動いてフォアで攻めようと思っていました」と試合後に語った森。バック対バックで巧みにコースを変化させながら、緩急をつけて揺さぶる加藤のペースにはまりかけたが、中盤から勝負所は思い切ってフォアで攻めた。ミドルに打たれたボールもボディワークで決定打が打てるのは、週5回・1時間半を費やすという筋力トレーニングの賜(たまもの)か。

 勝負の分かれ目はゲームカウント2ー2の5ゲーム目、森が10ー7のゲームポイントから、加藤が10ー11でゲームポイントを取り返したが、最後はフォアで攻めた森が13ー11で奪取。これで勢いに乗り、6ゲーム目は一気にリードを広げた。声のボルテージは昔に比べると低めになった森だが、勝利の瞬間はジャンプ&大きなガッツポーズ!
  • 勝負ところではフォアで攻めた森

  • 敗れたもののベスト8入りを果たした加藤

  • 森、地元での表彰台に喜びのジャンプ

 女子シングルス、準決勝1番乗りはディフェンディングチャンピオンの伊藤。2年前の全日本で敗れていた安藤を4-1で下し、リベンジを果たして明日の準決勝進出を決めた。

 右シェーク速攻型同士の対戦は、バック対バックを軸にしながら、相手をフォアに動かして空いたバックへ強打、という展開で試合が進む。競り合いとなった1、2ゲーム目はお互いにサービスがよく効き、1ゲームずつを奪い合う。
 しかし、3ゲーム目になると伊藤が安藤のサービスに対応し始める。苦しんでいたバックへのロングサービスも見切ってレシーブ。安藤のミドルを突きながら両サイドを厳しく攻めて2-1とゲームをリードする。サービスに対応し始めた伊藤に対し、安藤はまだレシーブで苦しい展開が続く。序盤効果を見せていた巻き込みサービスだけでなく、縦回転系、順横回転系のサービスも使い分けながら、伊藤が安藤を突き放していく。安藤もラリーの中でバックの表ソフトの変化で揺さぶりをかけるが、伊藤は崩れず。
 5ゲーム目はロングサービスを読んで回り込みスマッシュを決めるなど、完全な伊藤ペース。試合後に「レシーブで弱気になって、その後の展開も崩れてしまった」と語るなど、手詰まりとなってしまった安藤を一気に突き放し、伊藤が4-1で勝利を決めた。

 回転、フォーム、出す位置を変えながら多彩なサービスで終始ペースを渡さなかった伊藤。レシーブでも徐々に安藤のサービスにアジャストし、サービス・レシーブで試合の主導権を奪っていった。女王が引き出しの多さを見せた勝利だった。

 敗れた安藤だが、これで3年連続のランキング入りで初のベスト8進出。全日学では2年連続の2冠女王に輝くなど、飛躍を遂げた大学生活だったと言えるだろう。

安藤コメント
「1ゲーム目から相手に食らいついていけたけど、最後は離されてしまって、自分に足りない部分を痛感した。いろいろな形でサービスを出してきて、対応できなかった。自分ももっと強気でレシーブできていたら少しは変わったかなと思う。(伊藤は)前回対戦した時とは全然違う」

●女子シングルス準々決勝
伊藤美誠(スターツSC) 13、−11、5、7、6 安藤みなみ(専修大) 
  • 安藤を苦しめた伊藤のサービス

  • 伊藤は2連覇まであと2勝

  • 安藤、敗れたが初のベスト8

 大会もいよいよ終盤の第6日目。1月14日東京駅始発の新幹線で大阪に来てから6日が経ちます。
 大会運営はスムーズで、全く問題なし。唯一の心配は、観客動員がもうひとつ伸びない印象があること。昨日は男女シングルスのランク決定戦(5回戦)と6回戦があり、平日とはいえ、例年の東京体育館ならば観客席は8割方埋まるところ。……昨日の会場はちょっと寂しかったですね。近隣の卓球ファンの皆さん、ぜひ会場に足を運んで、初の大阪開催の大会を盛り上げてください。本日のタイムテーブルは下記のとおり。

★大会第6日目・1月19日のタイムテーブル

10:00〜 ●女子シングルス準々決勝
伊藤美誠(スターツSC) vs. 安藤みなみ(専修大)
加藤美優(日本ペイントホールディングス) vs. 森さくら(日本生命)
11:00〜 ●女子シングルス準々決勝
芝田沙季(ミキハウス) vs. 早田ひな(日本生命)
佐藤瞳(ミキハウス) vs. 木原美悠(JOCエリートアカデミー)

12:00〜 ●男子シングルス準々決勝
張本智和(JOCエリートアカデミー) vs. 吉村真晴(名古屋ダイハツ)
大島祐哉(木下グループ) vs. 田添響(専修大)
13:00〜 ●男子シングルス準々決勝
丹羽孝希(スヴェンソン) vs. 水谷隼(木下グループ)
町飛鳥(シチズン時計) vs. 木造勇人(愛知工業大)

14:00〜 ●女子ダブルス準決勝
早田ひな/伊藤美誠(日本生命/スターツSC) vs. 佐藤瞳/橋本帆乃香(ミキハウス)
芝田沙季/大藤沙月(ミキハウス) vs. 平侑里香/松本優希(サンリツ)

14:35〜 ●男子ダブルス準決勝
水谷隼/大島祐哉(木下グループ) vs. 木造勇人/張本智和(愛知工業大/JOCエリートアカデミー)
松下海輝/藤村友也(日鉄住金物流) vs. 松山祐季/高見真己(愛知工業大)

15:40〜 ●女子ダブルス決勝
16:15〜 ●男子ダブルス決勝

女子シングルス準々決勝、伊藤が前々回大会の5回戦で敗れた安藤、早田が同じく前々回大会の5回戦で敗れた芝田との再戦を迎える。「自分の実力を出せれば自信はある」という伊藤、リベンジを達成して改めて成長を証明するか。芝田対早田は、左と右の本格派シェークドライブ型が激突する屈指の好カードだ。

男子は丹羽と水谷が、この準々決勝で激突する。11月に行われたTリーグの対戦では丹羽が3ー1で勝利しているが、7ゲームズマッチの全日本の舞台ではどうなるか。全日本のシングルスでの対戦は、丹羽が水谷を4ー3で破って優勝した平成24年度大会以来で、ファン垂涎の一戦となる。

男女ダブルスでは準決勝・決勝が行われ、チャンピオンペアが決定。女子の早田/伊藤、男子の水谷/大島が2連覇を達成するか。それとも他のペアがまったをかけるのか??
  • 6年ぶりに丹羽と相まみえる水谷

  • 今大会、集中力の高いプレーを見せている丹羽