少し前の情報になるが、シンガポールからのニュースの中に興味深いものがあった。ある男性が、シンガポール卓球協会への寄付を募るためのチャリティマラソンに挑戦したというものだ。
男性の名前はLim Nghee Huat(林義発)さん、55歳。…名前の読み方が正確に分からないので、親しみを込めてリムさんということにしよう。シンガポールのメディア企業・メディアコープでTVプロデューサーとして働いているリムさん、ビシッと分けた七三の髪型に度の強い眼鏡をかけ、いかにも真面目なサラリーマンという感じだ。ところがこのリムさん、なんと先月ブラジルのミナス・ジェライス州で開催された135マイル(217km)ウルトラマラソンに、アジアからの唯一の出場者として参戦。箱根駅伝の往復と同じという長距離、さらに平坦なコースは全行程の20kmに満たないという過酷な山岳コースを走り抜け、見事52時間47分でゴールした。
そしてリムさんはこのウルトラマラソンを、「国際大会で優勝な成績を収め、国の誇りである」シンガポール卓球協会へのチャリティーとして行うことを計画。シンガポールの元首相であるゴー・チョクトン氏がスポンサーとなり、リムさんが1km走るごとに、10シンガポールドルがシンガポール卓球協会へ寄付された。リムさんは見事完走したため、総額20,000シンガポールドル(約120万円)以上が寄付されたことになる。この寄付に対し、シンガポール卓球協会のリー・ベーワ会長は感謝の意を表した上で、「もし可能なら、選手たちを彼と一緒に活動させたい。ランニングの必要性だけでなく、シンガポールのスポーツに対する認識を高めるためです」とコメントしている。シンガポール代表メンバーがマラソンに挑戦する日が来るのだろうか?
実はリムさんは、これまで数多くのトライアスロンやウルトラマラソンを完走してきた「シンガポールの鉄人」。2005年にナンヤン工科大学への寄付を募るチャリティマラソンとして168kmを走破、2007年には世界で最も過酷と言われるデスバレー・ウルトラマラソンも完走している。次なる計画はタイ南部からシンガポールまでの1,000kmマラソンだそうだ。
リムさんのウルトラマラソン完走のニュースはこちら↓
http://www.channelnewsasia.com/stories/singaporelocalnews/view/408027/1/.html