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中国リポート

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〈男子団体〉
●準々決勝
江蘇省 3-1 四川省
八一解放軍 3-0 広東省
上海市 3-2 北京市
山東省 3-0 広西壮族自治区

●準決勝
[山東省 3-2 上海市]
○呉ハオ 3-2 王励勤
○楊暁夫 3-1 張洋
 方博  1-3 許シン○
 楊暁夫 0-3 王励勤○
○呉ハオ 3-2 張洋
[八一解放軍 3-0 江蘇省]
○張継科 3-0 陳杞
○王皓 3-0 單明杰
○雷振華 3-1 林晨

●3位決定戦
上海市 3-2 江蘇省

●決勝
[八一解放軍 3-0 山東省]
○張継科 -6、8、6、8 呉ハオ
○王皓 4、5、-9、11 方博
○雷振華 7、5、-12、-5、10 楊暁夫

 2008全中国卓球選手権、男子団体戦。王皓・張継科・雷振華の3枚を揃えた八一解放軍が優勝し、昨年に続く2連覇を達成した。
 今シーズンの超級リーグで言えば、八一工商銀行のエース王皓、魯能中超電纜のエース張継科、錦州銀行のエース雷振華と、3チームのエースで固めた八一解放軍。第1ステージではこの3人で合わせて30勝を挙げている。「今大会は超級リーグよりはるかにプレッシャーは少ない。張継科も雷振華もとても強い選手だし、僕が負けても彼らふたりがいる」という王皓のコメントどおり、層の厚さで他チームを圧倒した。特に決勝トップで勝利した張継科の活躍は特筆モノで、準々決勝では馬琳(広東省)、準決勝では陳杞(江蘇省)に完勝している。課題であるメンタルの脆(もろ)さが克服されてきているのか。

 2位の山東省は、やや組み合わせに恵まれた感はあるが、大健闘の決勝進出。方博、呉ハオ、楊暁夫はいずれもジュニア代表の経験のみで、シニアでの代表経験はない。準決勝トップで呉ハオが王励勤を破る値千金の1勝を挙げ、上海市を振り切った。その山東省に敗れ、3位に終わった上海市は、準決勝で許シンを2点起用すべきではなかったか。山東省はどう考えても格下の相手だけに、悔やまれる敗戦だ。4位の江蘇省までの4チームが、来年の全中国運動会・団体戦へのシード権を得た。

Photo上:王皓を上回る活躍を見せた張継科
Photo下:06世界ジュニア代表、山東省決勝進出の立て役者・呉ハオ
 少し前のニュースになるが、11月13日、遼寧省大連市にルイ・ヴィトン(LV)のフラッグシップ・ショップ(旗艦店)がオープン。オープニングセレモニーには芸能界やスポーツ界のスターが多数出席し、ヘアメイクもバッチリきめた張怡寧が姿を見せた。
 今年9月末に行われた、金メダルを獲得した中国選手への賞金授与式でもヴィトンのショルダーバックを提げて現れ、マスコミの注目を集めた張怡寧。担当コーチである李隼コーチの中学生の娘さんに、ヴィトンの靴をプレゼントしたこともあり、実は大ファンなのかもしれない。

 1992年に中国へ進出したルイ・ヴィトン。中国でも富裕層の間で人気のようだが、今年4月のチベット鎮圧の際にはルイ・ヴィトン社がチベット独立派に資金援助を行っているという報道(ヴィトン社は否定)から、製品の不買運動が発生。同社が大株主を務めるスーパーのカルフールも大規模な不買運動の対象になった。ちなみにルイ・ヴィトンは中国語で「路易・威登」。発音するとルーイー・ウェイダンという感じで、どうも字面にはあまり高級感がないが、単に「LV」と書くことも多い。

 張怡寧はこれまであまり派手な格好をしなかったようだが、収入の多いトップ選手にはブランド志向の強い人も多い。王楠がドルチェ&ガッバーナのコートに身を包み、中国の卓球雑誌『Pingpang世界』の表紙を飾ったこともある。卓球王国で某選手の取材を行った際、撮影用に用意した某ブランドのシャツ(Tシャツ)をそのままプレゼントしたところ、高級ブランドを愛する彼は、そのシャツを「寝巻」にしてしまったというエピソードも…。

Photo:張怡寧、五輪の金メダルは最強のブランド品?
 国家チーム・コーチ選考会への参加申請は、今日11月20日が最終期限。まだ顔ぶれは確定していない。男子1軍監督は劉国梁の留任の可能性が高く、女子1軍監督は施之皓に代わり、孔令輝の監督就任が有力視されている。その他のメンバーは、世界団体戦広州大会、北京五輪での中国チームの勝ちっぷりから言っても、それほど大きな入れ替わりはなさそうだ。劉国正の正規コーチへの昇格、また孔令輝が女子チーム監督に就任した場合の、コーチの補充などはあるかもしれない。
 コーチ選考会へ参加するには、それぞれ多くの条件がある。たとえば国家1軍チームのヘッドコーチ選考会の場合、主な参加条件は以下のとおりだ。

(1)基本条件
1. 身体が健康であること
2. 卓球のコーチングに対する情熱があること
3. 良好な職業道徳の持ち主であること
4. 提出された目標を受け入れられること
(2)必要条件
1. 大学卒業以上の学歴があること
2. 高級コーチ以上のキャリアがあること
3. 年齢は原則的に50歳以下(特例は認める)
4. 外国語による交流能力があること
5. 国家1軍チーム、あるいは2軍チームで2年以上のコーチ歴があること
6. 国家チームの選手として、五輪・世界卓球選手権・ワールドカップのいずれかに出場した経験があること
7. 国家チームのコーチとして、担当した選手が五輪・世界卓球選手権・ワールドカップで3回以上優勝していること

 基本条件は本当に「基本」という感じだが、必要条件はなかなか厳しいものだ。孔令輝に大学卒業以上の学歴があるのか?と思ったら、彼は1997年4月にハルビン工業大学に入学、世界経済を専攻し、学士を取得しているそうだ。ほとんど大学には通っていないだろうが…。また、必要条件.7の「担当した選手が五輪・世界卓球選手権・ワールドカップで3回以上優勝していること」という条件は、郭躍が07年世界ザグレブ大会、08年世界広州大会、08年北京五輪団体で3つの世界タイトルを獲得しており、ギリギリで満たしている。
 一部には、まだコーチ歴2年の孔令輝の指導能力を疑問視する声もある。10月27日付の斉魯晩報には「コーチをするというのはただ経験や技術を伝えれば良いというものではない。彼は開放的で外交的な劉国梁に比べ、やや内向的な性格だが、チームを統帥する上で、人と意志を疎通させる能力は必要不可欠。孔令輝はこれからも絶えず自らを磨き、改善していくべきだ」と厳しい記事が掲載されている。

 33歳になったばかりの孔令輝に、32歳の劉国梁。同い年の元スーパースター、中国では現役時代に「双子星」という愛称もあったふたりが、国家チームでタッグを組むことになるのか。両者ともクレバーな印象はあるが、コーチとしての経験は浅く、海外でのコーチ経験もない。経験豊かなベテランコーチで脇を固め、監督にはイメージ戦略に有利な人選をする…というのは考え過ぎだろうか。

Photo上:選手たちの兄貴分でもある劉国梁
Photo下:広州大会決勝で敗れた郭躍と孔令輝の師弟コンビ
 今月11月17~24日まで、江蘇省張家港市で開催される全中国卓球選手権。その後、25~26日まで同市で「2008国家チーム・コーチ選考会」が開催される。
 男女1軍チームのコーチの任期(4年間)が2008年で終了するため、今回の選考会は国家男女1軍チームのヘッドコーチ各1名/コーチ各5名、男女2軍チームのヘッドコーチ各1名/コーチ各4名、フィジカルトレーナー1~2名を選出する盛大なものとなる。任期は1軍チームのヘッドコーチが4年間、1軍チームのコーチと2軍チームのヘッドコーチ/コーチが2年間、フィジカルトレーナーが1年間だ。なお、以前は男女チームの監督の上に総監督というポジションがあったが、蔡振華が国家体育総局の副局長に昇進し、その任を外れてからは、総監督は空席の状態になっているようだ。
 
 選考を行う選考委員会は、国家体育総局卓球・バドミントン管理センターや国家チームの首脳陣、全国のコーチ代表などで構成され、ヘッドコーチに立候補した者は25分、その他のコーチに立候補した者は15分のプレゼンテーションを行う。コーチとしての経験や成績、現代卓球の発展の方向性に対する理解と分析、国家チームの訓練に対する基本認識などを、わずかな時間で発表しなければならない。もっとも、コネクションの力が大きい中国のこと、選考会の前にある程度結果は決まっているだろう。
 現在の国家男女1軍チームの陣容は以下のとおり。カッコ内は主な担当選手だ。

★国家男子1軍チーム
ヘッドコーチ:劉国梁
コーチ:李暁東(王励勤)、呉敬平(馬琳・王皓)、秦志戟(馬龍)、肖戦(陳杞・ハオ帥)、劉国正(※アシスタントコーチ)
★国家女子1軍チーム
ヘッドコーチ:施之皓
コーチ:李隼(張怡寧・李暁霞)、孔令輝(郭躍・劉詩ウェン・姚彦)、喬暁衛(郭炎)、喬紅

 国家チームのヘッドコーチ、そしてコーチは、毎年全中国選手権の直後に行われる報告会(今回の選考会と同時期)で総括を行わなければならない。全国の省市代表チームのコーチたちの前で、1年間の成果について発表するのだ。しかもこの総括のあとには信任投票が行われ、全体の50%の信任票が得られなかった場合、卓球・バドミントン管理センターや国家チームの首脳陣が検討し、任期の途中でもコーチを解任する場合がある。国家チームのコーチたちは常に厳しい視線にさらされているのだ。

その2に続きます…。

Photo上:男子チームのベンチでとにかく目立つ肖戦コーチ
Photo下:張怡寧担当の李隼コーチ。卓球王国09年1月号に李隼コーチが語る「張怡寧の真実」が掲載!


 昨日11月17日、江蘇省張家港市で2008全中国卓球選手権の団体第1ステージが開幕した。
 全国28の省・市・自治区、解放軍、3つの体育協会の合計32チームから450人あまりの選手が参加する全中国選手権。男女団体・シングルス・ダブルス、混合ダブルスの計7種目が行われる。大まかなタイムテーブルは以下のとおり。

★2008全中国卓球選手権・日程
11月17日 男女団体第1ステージ
   18日 男女団体第1ステージ・第2ステージ
  19日 男女団体第2ステージ・準決勝
   20日 男女団体決勝
   21日 男・女・混合ダブルス
   22日 混合ダブルス決勝/男女シングルス/女子ダブルス
   23日 女子シングルス決勝/男子ダブルス決勝
   24日 男子シングルス決勝/女子ダブルス決勝
 
 日本のトップ選手なら必ず出場する全日本選手権に比べ、全中国運動会は年度によってトップ選手の出場が少なく、思わぬ伏兵が大会を制することもある。しかし、今回の全中国選手権は2009年10月に山東省で行われる第11回全中国運動会の予選も兼ねており、男女団体のベスト4のチームは予選免除で全中国運動会に出場できるのだ。全中国運動会は日本で言えば国体のような大会だが、4年に1度行われる総合体育大会として、中国選手にとっては世界選手権やオリンピックにも匹敵する重要な大会。国際大会から引退しても、この全中国運動会までは現役を続けるという選手も多い。それだけに今回の全中国選手権も、引退した王楠を除く五輪代表・世界選手権代表メンバーがすべて出場。母体の名誉を懸けて優勝を争う。
 ちなみに前回大会(2007.11.21~29/江蘇省無錫市)の1位&2位は…。

男子団体:1. 八一解放軍(王皓・雷振華・張継科)/2. 天津市(ハオ帥・李平)
女子団体:1. 遼寧省(王楠・郭躍・常晨晨)/2. 武漢市(姚彦・馮亜蘭)
男子S:1. 王皓(八一解放軍)/2. 馬龍(成都市)
女子S:1. 劉詩ウェン(広東省)/2.李暁霞(山東省)
男子W:1. 王励勤/馬琳(上海市/汕頭市)/2. 王皓/馬龍(八一解放軍/成都市)
女子W:1. 郭躍/李暁霞(遼寧省/山東省)/2. 丁寧/劉詩ウェン(北京市/広東省)
混合W:1. ハオ帥/劉詩ウェン(天津市/広東省)2. 王励勤/郭躍(上海市/遼寧省)

 女子の劉詩ウェンがあわや3冠王という大活躍を見せた。今回の大会でも、思わぬダークホースが飛び出すのか?

Photo:昨年度大会のチャンピオン、王皓(上)と劉詩ウェン(下)
 2008中国超級リーグ、女子第2ステージ準決勝のドローは左図のとおりだ(クリックで拡大)。

 女子第1ステージで1位となった山西大土河華東理工は、4位の魯能・路安集団と対戦。第1ステージでの対戦では魯能・路安集団が勝利している。

[魯能・路安集団 3-1 山西大土河華東理工]
 彭陸洋 5、3、-4、-8、-10 郭炎○
○李暁霞 10、5、11 帖雅娜
○彭陸洋/李楠 9、-9、7、6 饒静文/劉娟
○李暁霞 6、5、-8、9 郭炎

 現世界ランキング1位である魯能・路安集団のエース李暁霞は、山西チームのエース郭炎といえども止められないだろう。山西チームとしては、とにかくダブルスは必勝、残り3点を総力戦でもぎ取るしかない。ユニバーシアード4冠王の饒静文が単複で活躍すれば、活路を見出せるはずだ。

 女子第2ステージ準決勝のもうひと試合は、遼寧鞍鋼vs.八一工商銀行。第1ステージでの対戦はラストまで回る接戦となった。

[遼寧鞍鋼 3-2 八一工商銀行]
○唐イェ序 5、-6、8、8 曹臻
○郭躍 9、-18、7、8 文佳
 唐イェ序/常晨晨 8、-8、-10、-5 木子/文佳○
 郭躍 10、-11、-8、-8 曹臻○
○常晨晨 6、9、-9、7 木子

 ともにエースが1敗を喫する予想外の連続だったが、ラストを遼寧鞍鋼の常晨晨が締めて遼寧鞍鋼が勝利している。
 遼寧鞍鋼の助っ人・唐イェ序は同じ異質速攻型には非常に強く、再び曹臻との対戦になれば、十分に勝ち星が計算できる。郭躍が2失点することは考えづらく、唐イェ序が単複いずれかで1点を取れれば、遼寧鞍鋼がグッと有利になってくる。ダブルスが強い八一工商銀行は若い選手が多いだけに、当たりがつけばどこに勝ってもおかしくない爆発力はある。遼寧鞍鋼の有利は動かないが、なかなか興味深い対戦になりそうだ。
 2008中国超級リーグ、第1ステージで4位以内に入ったチームによる第2ステージ準決勝。11月11日、ドロー抽選により、その組み合わせが決定した。試合はすべて3試合制(2試合先取)で行われ、第1ステージで順位が上のチームが3試合中2試合をホームで行うことができる。ホーム&アウェーの分配は違うが、プロ野球のクライマックスシリーズ・第1ステージ(2位と3位の対戦)と同じような形式だ。
 男子準決勝のドローは左図のようになった(クリックで拡大)。

 第1ステージ1位の上海冠生園は、同3位の寧波北侖海天と対戦。第1ステージの対戦は以下のとおり。

[寧波北侖海天 3-1 上海冠生園]※第3節
 呉尚垠 -7、-8、-9 王励勤○
○馬龍 -8、3、5、6 高礼澤
○呉尚垠/呉ハオ 5、-9、8、10 高礼澤/許シン
○馬龍 8、-6、7、10 王励勤

 第1ステージでは寧波北侖海天が勝利しているが、上海冠生園はこの敗戦から6連勝。エース王励勤もグッと調子を上げ、固定した許シン/張洋のダブルスが5勝1敗と大活躍。現時点では、上り調子の上海冠生園がわずかに有利か。
 勝負の鍵はやはりダブルス。また、ラストは許シン(上海)対呉ハオ(寧波)になる可能性が高く、この対戦ならば左ペンドライブ型の許シンがかなり有利。上海冠生園としては、馬龍に2点取られることは覚悟の上で、残りの3点を確実に取りに行く作戦になるだろう。

 準決勝のもうひと試合は、第1ステージ2位の魯能中超電纜と、同4位の浙商銀行の対戦。こちらの第1ステージでの対戦は…

[浙商銀行 3-2 魯能中超電纜]※開幕戦
○馬琳 7、11、5 唐鵬
 水谷 -9、-9、-10 張継科○
○水谷/張超 1、12、-4、5 柳洋/周シン
 馬琳 -5、-9、-7 張継科○
○張超 8、3、-9、10 周シン

 エース馬琳が張継科に完敗したものの、浙商銀行が勝利を収めている。
 浙商銀行としては、第1ステージで完敗した上海冠生園に比べ、魯能中超電纜ははるかに戦いやすい相手だろう。ダブルスの水谷/張超が確実に勝利できれば、馬琳vs相手の二番手とラスト張超で残りの2点を取り、たとえ接戦になっても勝利の方程式は成り立つ。7:3で浙商銀行が有利と見た。第1ステージでシングルス1勝5敗だった水谷隼は、シングルスでも実力をアピールしたいところだ。

また、5位以下の対戦カードは以下のとおり。
★第2ステージB組
四川全興 vs. 江蘇江南電纜
★第2ステージ下位リーグ
1. 八一工商銀行 2. 錦州銀行 3. 海寧皮革城鵬翔
☆☆☆ 08超級聯賽女子組 第9節(最終節) ☆☆☆

[遼寧鞍鋼 3-2 北京時博国際]
 唐イェ序 -3、-5、-5 張怡寧○
○郭躍 7、-5、-11、10、10 丁寧
○唐イェ序/常晨晨 8、-12、8、5 丁寧/彭雪
 郭躍 -6、4、-8、-9 張怡寧○
○常晨晨 4、-8、4、4 彭雪

[魯能・路安集団 3-0 江蘇中超電纜]
○彭陸洋 7、8、3 姚彦
○李暁霞 10、7、9 范瑛
○李楠/彭陸洋 10、10、9 張瀟玉/王シュアン

[山西大土河華東理工 3-1 冀中能源]
○帖雅娜 -5、9、9、6 賈君
○郭炎 -9、4、2、5 牛剣鋒
 帖雅娜/劉娟 -9、-7、-5 白楊/牛剣鋒○
○郭炎 -6、9、-9、7、4 賈君

[大同雲崗・雁北賓館 3-2 広東珠江怡景湾]
○馮亜蘭 7、8、-7、8 周芳芳
○姜華君 -6、4、6、8 劉詩ウェン
 李暁丹/楊飛飛 -8、-9、-5 周芳芳/蔡賽○
 馮亜蘭 9、8、-9、-5、-6 劉詩ウェン○
○李暁丹 10、8、-8、-4、5 蔡賽

[八一工商銀行 3-0 北京北大方正]
○楊揚 -4、9、9、4 リ・ジャウェイ
○曹臻 10、6、4 陳晴
○木子/文佳 4、4、-7、-10、5 陳晴/高曦

☆第1ステージ順位
1. 山西大土河華東理工(7勝2敗)
2. 遼寧鞍鋼(7勝2敗)
3. 八一工商銀行(7勝2敗)
4. 魯能・路安集団(6勝3敗)
---- 準決勝進出ライン ----
5. 北京時博国際(4勝5敗)
6. 北京北大方正(4勝5敗)
7. 広東珠江怡景湾(4勝5敗)
8. 江蘇中超電纜(3勝6敗)
9. 大同雲崗・雁北賓館(2勝7敗)
10. 冀中能源(1勝8敗)

 女子超級リーグ・第1ステージは上記のとおりの結果となった。
 第2ステージ準決勝に進出した4チームの中で、山西大土河華東理工、遼寧鞍鋼、魯能・路安集団の3チームは強豪だけに順当な結果。予想外だったのは、張怡寧の北京時博国際が5位に沈んだこと、また八一工商銀行が3位という好成績を挙げたことだ。
 ディフェンディングチャンピオンの北京時博国際は、2番手の丁寧にやや調子の波があり、単複とも4勝5敗という成績。これがそのままチームの成績になってしまった。敗れた5試合のうち4試合は2-3で、すべて3番手の彭雪がラストで敗れている。五輪の疲れも見せず12勝3敗の好成績を残した張怡寧がいながら、やはり郭炎の抜けた穴を埋め切れない第1ステージの戦いぶりだった。
 一方、大健闘の八一工商銀行は、シングルスだけを見れば全9節の合計で16勝12敗。それほどの成績ではないが、前回も述べたとおり、7勝2敗の好成績を挙げた木子/文佳のダブルスがモノを言った。北京時博国際にしても八一工商銀行にしても、ダブルスの通算成績がそのままチームの通算成績になるあたり、やはり強いダブルスが勝利への鍵なのだ。…とはいえ例外も少なからずあり、1勝8敗の10位に沈んだ冀中能源の牛剣鋒/白楊は7勝を挙げている。

 昨シーズン3位と健闘した広東珠江怡景湾は、エース劉詩ウェンは11勝4敗と及第点ながら、2番手の曹幸ニィが1勝6敗とブレーキになった。第2ステージでは7~10位のチームはトーナメントで、自動降格1チームと入れ替え戦行きの1チームが決定するため、広東チームにとっても気の抜けない戦いになる。10位に沈んだ冀中能源は、牛剣鋒・白楊・賈君のベテラン3人が第2ステージで奮起できるか。世代交替がない限り、残留しても来シーズンは厳しい戦いが待っているが…。

Photo上:五輪の疲れも見せず頑張った張怡寧だったが…
Photo下:最後まで調子が上がらなかった冀中能源、3番手の白楊
★★★ 08超級聯賽男子組 第9節(第1ステージ最終節) ★★★
※四川全興は試合なし

[浙商銀行 3-2 寧波北侖海天]
 馬琳 -9、-7、-8 呉尚垠○
 水谷 9、-7、-4、-10 馬龍○
○張超/水谷 7、9、7 呉尚垠/呉ハオ
○馬琳 -5、8、8、11 馬龍
○張超 -6、7、8、5 呉ハオ

[上海冠生園 3-0 錦州銀行]
○高礼澤 9、7、9 雷振華
○王励勤 -8、5、11、1 周斌
○許シン/張洋 -8、9、-8、4、8 周斌/ジャク一鳴

[魯能中超電纜 3-2 八一工商銀行]
 唐鵬 -7、-8、-7 王皓○
○張継科 6、2、-8、3 徐克
 柳洋/唐鵬 -9、-7、-5 徐克/楊暁夫○
○張継科 10、4、-9、2 王皓
○周シン 12、8、7 楊暁夫

[海寧皮革城鵬翔 3-0 江蘇江南電纜]
○林晨 -8、8、-18、8、8 李平
○陳杞 7、9、7 陳剣
○林晨/單明杰 7、10、-3、-10 陳剣/沙陳武

★第1ステージ順位
1. 上海冠生園(6勝2敗)
2. 魯能中超電纜(6勝2敗)
3. 寧波北侖海天(5勝3敗)
4. 浙商銀行(5勝3敗)
---- 準決勝進出ライン ----
5. 四川全興(5勝3敗)
6. 江蘇江南電纜(4勝4敗)
7. 八一工商銀行(4勝4敗)
8. 錦州銀行(2勝6敗)
9. 海寧皮革城鵬翔(1勝7敗)

 超級リーグの第1ステージ、全9節が終了。上海冠生園、魯能中超電纜、寧波北侖海天、浙商銀行が第2ステージ準決勝に進出した。
 水谷隼所属の浙商銀行は、最終戦で寧波北侖海天との大一番。なんとトップ馬琳が、呉尚垠(韓国)にストレートで敗れてしまう。北京五輪団体戦でも、中国が唯一ゲームオールまで追いつめられたのがこの対戦だった。続く水谷も、同世代の天敵である馬龍に競り合いながらも敗れ、浙商銀行は0-2と敗戦の崖っぷちに追いつめられてしまう。
 しかし、浙商銀行は驚異の逆転劇を演じる。3番ダブルスで水谷/張超ペアがストレート勝ちして試合の流れを引き戻すと、トップで屈辱の敗戦を喫した馬琳が、馬龍とのエース対決に勝利。「馬琳を得た者が天下を得る」という伝説を作りながら、今シーズン8勝5敗と不調にあえいでいた男が、最後の最後でその伝説を復活させてみせた。ラストの張超は、経験と実力の差を見せて若手の呉ハオを下し、浙商銀行が大逆転勝利。第1ステージ4位に滑り込み、第2ステージ準決勝への出場権を得た。

 その他の試合では、上海冠生園が錦州銀行に完勝し、6勝2敗で第1ステージ1位通過。八一工商銀行は、エース王皓が4番で張継科(魯能中超電纜)に敗れ、7位とやや低迷。試合後、王皓は「時々、全部の試合で自分が3回ずつ出られたら良いのに、と思うことがある(*出典「新浪体育」)」と本音がポロリ。敗れた6試合のうち5試合が2-3では、エースの苛立ち(いらだち)も無理からぬところか。2番手である徐克が今ひとつ伸びきれず、楊暁夫がラストで4連敗を喫した。序盤で快調に首位を走っていた四川全興は、浙商銀行が勝利したことで5位に終わり、第2ステージ進出を阻まれた。
 第2ステージの対戦組み合わせはすでに決定。そちらの詳細も引き続きレポートします。

Photo上:馬琳をノックアウトした呉尚垠。単4勝4敗、複4勝4敗と全くのイーブンで第1ステージを終えた
Photo下:闘神健在。なんと6シーズン連続でチームを優勝へ導いている馬琳
☆☆☆ 08超級聯賽女子組 第8節 ☆☆☆

[魯能・路安集団 3-0 遼寧鞍鋼]
○李暁霞 5、8、5 郭躍
○馮天薇 4、7、4 唐イェ序
○李暁霞/彭陸洋 10、9、8 唐イェ序/常晨晨

[北京時博国際 3-0 広東珠江怡景湾]
○張怡寧 6、5、13 曹幸ニィ
○丁寧 8、5、-8、11 劉詩ウェン
○丁寧/彭雪 -4、7、8、-10、3 周芳芳/蔡賽

[北京北大方正 3-1 大同雲崗・雁北賓館]
 陳晴 -8、-6、9、-9 姜華君○
○リ・ジャウェイ 9、9、8 馮亜蘭
○陳晴/高曦 -9、10、8、5 李暁丹/馮亜蘭
○リ・ジャウェイ 4、-7、8、-3、9 姜華君

[山西大土河華東理工 3-2 江蘇中超電纜]
○郭炎 7、11、2 姚彦
○劉娟 5、-7、11、6 范瑛
 劉娟/饒静文 -9、-10、9、7、-10 張瀟玉/王シュアン○
 郭炎 5、-7、-8、-5 范瑛○
○饒静文 11、9、11 張瀟玉

[八一工商銀行 3-2 冀中能源]
 木子 9、-8、9、-9、-6 賈君○
○曹臻 11、9、9 牛剣鋒
 木子/文佳 7、7、-11、-7、-10 白楊/牛剣鋒○
○曹臻 5、6、-6、2 賈君
○文佳 4、-5、9、9 白楊

 08超級リーグ女子第8節の結果は、上記のとおり。
 郭躍(遼寧鞍鋼)vs.李暁霞(魯能・路安集団)は、ともに両チームのエースであり、宿命のライバルであり、幼なじみの親友でもある。ふたりはともに遼寧省鞍山市新華街小学校の出身。遼寧省体育学校に進み、天才少女の名を欲しいままにしてきた郭躍に対し、李暁霞はわずか10歳で山東省済南市にある黄亭体育学校へ転校した。鞍山市出身ということでは、他にシンガポールの王越古もいる。
 今後、中国女子のエースダブルスとしても活躍するであろうふたり、最近の対戦成績は李暁霞のほうが分が良く、この試合も李暁霞の完勝。エース対決が試合の流れを決め、魯能・路安集団が首位の遼寧鞍鋼を吹き飛ばした。

 その他の試合では、これまで上位争いに加わってきた広東珠江怡景湾が、エース劉詩ウェンの失点もあって北京時博国際にストレート負け。広東珠江怡景湾の楊華杰監督は「今日の試合の結果には本当にがっかりだ。相手は張怡寧と丁寧のいる北京チーム、我々は確かに不利だったし、負けても不思議はなかったが、何より選手たちがプレッシャーに負けたことに失望している(*出典/広州日報)」と厳しいコメント。郭躍に次ぐ天才少女と言われる劉詩ウェンだが、まだもうひとつ突き破る壁があるようだ。
 超級リーグ女子は、第8節終了時点で遼寧鞍鋼、山西大土河華東理工、八一工商銀行の3チームが第2ステージ準決勝進出を決めた。メンバーの平均年齢が最も若い八一工商銀行は大健闘。エース曹臻の活躍に加え、木子と文佳のダブルスが6勝2敗と貴重な働きを見せている。
Photo上:郭躍を完封した李暁霞。フリーハンドの個性では馬龍と双璧を成す?
Photo下:八一工商銀行のハードパンチャー曹臻。小柄ながらパワーのあるシェーク異質攻撃型