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中国リポート

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☆☆☆ 2011「361°」中国卓球クラブ超級リーグ 女子チーム構成 ☆☆☆
※WR=2011年6月発表の世界ランキング ☆=外国籍の選手


山東魯能・中電装備(シャンドンルゥノン・ヂョンディエンジュアンベイ/山東省)
監督:于国鵬(ユ・グオパン)
選手:李暁霞(リ・シャオシア/WR1/11世界選手権2位)
   馮天薇☆(フォン・ティエンウェイ-シンガポール/WR6/10世界団体選手権優勝)
   金キョン娥☆(キム・キョンア-韓国/WR10/10アジア競技大会3位)
   彭陸洋(パン・ルゥヤン/WR-/07世界選手権ベスト8)
   李茜(リ・チェン/WR-/03世界ジュニア選手権優勝)
   顧若辰(グ・ルオチェン/WR-/10全国優秀青少年調賽優勝)

大同雲崗・金地鉱業(ダァドンユンガン・ジンディクアンイエ/山西省)
監督:卜幇民(ボォ・バンミン)
選手:武楊(ウ・ヤン/WR7/11世界選手権ベスト8)
   李暁丹(リ・シャオダン/WR69/11ポーランドオープンベスト8)
   王シュアン(王+旋)(ワン・シュアン/WR61/11ポーランドオープン2位)
   劉娟(リウ・ジュアン/WR-/09全中国運動会女子複2位)

山西大土河・華東理工(シャンシーダァドゥハァ・ホアトンリィゴン/山西省)
監督:臧玉瑛(ツァン・ユイン)
選手:郭炎(グオ・イェン/WR2/11世界選手権ベスト8)
   范瑛(ファン・イン/WR19/11世界選手権ベスト8)
   帖雅娜☆(ティエ・ヤナ-香港/WR13/11世界選手権女子複3位)
   饒静文(ラオ・ジンウェン/WR-/09全中国運動会ベスト8)
   車暁㬢(チャ・シャオシ/WR-/09全国U-17チャレンジマッチ優勝)

遼寧大連新衡業・上方(リャオニン ダァリエンシンハンイエ・シャンファン/遼寧省)
監督:宋良(ソン・リアン)
選手:郭躍(グオ・ユエ/WR4/11世界選手権3位)
   常晨晨(チャン・チェンチェン/WR41/09世界選手権混合複3位)
   文佳(ウェン・ジア/WR55/08全中国選手権優勝)
   李佳イ(火×4)(リ・ジアイ/WR124/09全中国運動会女子複4位)
   侯暁旭(ホウ・シャオシュ/WR-/09全中国運動会女子複優勝)

広州時代地産(グアンジョウ シィタイディチャン/広東省)
監督:楊華杰(ヤン・ホアジエ)
選手:劉詩ウェン(雨+文)(リウ・シウェン/WR5/11世界選手権3位)
   福原愛☆(ふくはら・あい-日本/WR9/11世界選手権混合複3位)
   石賀浄☆(スク・ハジュン-韓国/WR21/10ITTFプロツアーファイナル2位)
   張瀟玉(チャン・シャオユ/WR-/08アジア大学選手権優勝)
   周芳芳(ジョウ・ファンファン/WR-/06全中国選手権団体2位)
   徐潔(シュ・ジエ/WR-/10スイスオープン優勝)
   潘晨欣(パン・チェンシン/WR-/07甲Bリーグ団体2位)

八一冀中能源(パアイー ジィチョンノンユエン/解放軍)
監督:李屹(リ・イー)
選手:曹臻(ツァオ・ジェン/WR-/09・11世界選手権混合複優勝)
   木子(ムゥ・ズ/WR82/11世界選手権混合複2位)
   李佳(リ・ジア-日本生命/WR-/03世界選手権女子複3位)
   楊楊(ヤン・ヤン/WR-/07世界ジュニア選手権優勝)
   劉㬢(リウ・シ/WR109/09アジアジュニア選手権団体優勝)

内蒙古銀行(ネイモングゥ インハン/内蒙古自治区)
監督:張輝(チャン・ホイ)
選手:馮亜蘭(フォン・ヤアラン/WR18/11世界選手権女子複ベスト8)
   姚彦(ヤオ・イェン/WR-/07世界選手権ベスト16)
   顧玉ティン(女+亭)(グ・ユティン/WR49/10ユース五輪金メダリスト)
   陳夢(チェン・ムン/WR72/09世界ジュニア選手権3位)

北京控股集団(ベイジン コングゥジィトゥアン/北京市)
監督:徐志崇(シュ・ジィチョン)
選手:丁寧(ディン・ニン/WR3/11世界選手権優勝)
   リ・ジャウェイ☆(シンガポール/WR23/08北京五輪4位)
   朱雨玲(ジュ・ユリン/WR24/10世界ジュニア選手権優勝)
   曹麗思(ツァオ・リィス/WR-/08世界ジュニア選手権4冠王)
   彭雪(パン・シュエ/WR-/05世界ジュニア選手権2位)
   盛丹丹(ション・ダンダン/WR-/09アジアジュニア選手権3位)
   鄭詩暢(ジョン・シチャン/WR182/09全国優秀青少年調賽3位)

 2011年シーズンの女子超級リーグ、各チームのメンバー構成は上記のとおり。昨シーズンに続きリーグの冠スポンサーになっている「361°」は、福建省にあるスポーツ用品・ウェアのブランド。
 日本からは福原愛が、広州時代地産チームの一員として超級リーグに参戦する。05年(遼寧鞍鋼)・06年(広東佐川急便)・10年(広東深セン長園集団)シーズンに続いて4シーズン目。開幕戦の山西大土河・華東理工戦では郭炎を破り、チームに貴重な1点をもたらした(第1節の結果はまた後ほど…)。
 昨シーズン優勝の山東魯能は馮天薇を獲得してさらに層が厚くなり、今シーズンも優勝候補の筆頭。世界選手権ロッテルダム大会優勝の丁寧は、張怡寧の引退で降格の瀬戸際まで沈んだチームを立て直したいが、若手はどんぐりの背比べで苦戦を強いられそうだ。

Photo上:中国でも注目度は抜群の福原愛
Photo中:丁寧、北京市チームに再び黄金時代をもたらすのか
Photo下:ロッテルダム大会で日本勢の前に立ちはだかった范瑛。超級リーグで通算80勝を挙げている
 明日5月29日に開幕を迎える中国卓球クラブ超級リーグ、8チームのメンバーは以下のとおり。長くなってしまってスミマセン。今シーズンは昨シーズンの9チームから1チーム減り、8チームでの戦いです!

★★★ 2011「361°」中国卓球クラブ超級リーグ 男子チーム構成 ★★★
※WR=2011年6月発表の世界ランキング ★=外国籍の選手


山東魯能・中電装備(シャンドンルゥノン ヂョンディエンジュアンベイ/山東省)
監督:谷青成(グゥ・チンチェン)
選手:張継科(チャン・ジィカ/WR3/11世界選手権優勝)
   朱世赫★(チュ・セヒュク-韓国/WR10/10アジア競技大会3位)
   張超(チャン・チャオ/WR-/11世界選手権混合複優勝)
   方博(ファン・ボォ/WR106/09世界ジュニア選手権4冠王)
   宋鴻遠(ソン・ホンユエン/WR119/10世界ジュニア選手権優勝)

八一熔盛重工(パァイー ロンチョンジョンゴン/解放軍)
監督:范長茂(ファン・チャンマオ/83世界選手権団体優勝)
選手:王皓(ワン・ハオ/WR1/09世界選手権優勝)
   閻安(イェン・アン/WR155/11世界選手権混合複ベスト16)
   侯英超(ホウ・インチャオ/WR-/06ITTFプロツアーファイナル3位)
   周雨(ジョウ・ユ/WR130/10アジアジュニア選手権優勝)
   李木橋(リ・ムゥチャオ/WR-/09アジアジュニア選手権男子複優勝)

浙商銀行(ジェシャン インハン/浙江省)
監督:陳健(チェン・ジェン)
選手:馬琳(マ・リン/WR4/08北京五輪金メダリスト)
   ティモ・ボル★(ドイツ/WR2/11世界選手権3位)
   ハオ帥(ハオ・シュアイ/WR17/11世界選手権混合複2位)
   張一博★(ちゃん・かずひろ-日本/WR46/11世界選手権ベスト32)
   徐輝(シュ・ホイ/WR-/05全中国運動会混合複優勝)

寧波海天塑機(ニンポォ ハイティエンスゥジィ/浙江省)
監督:劉国棟(リウ・グオトン/劉国梁・中国男子チーム監督の実兄)
選手:馬龍(マ・ロン/WR5/11世界選手権3位)
   水谷隼★(みずたに・じゅん-日本/WR6/11世界選手権ベスト8)
   吉田海偉★(よしだ・かいい-日本/WR34/09世界選手権ベスト8)
   王建軍(ワン・ジェンジュン/WR-/09全中国運動会男子複3位)
   呉ハオ(ウ・ハオ/WR247/06世界ジュニア選手権男子複優勝)

江蘇金山環保・中超電纜(ジアンスゥ ジンシャンフアンバオ・ヂョンチャオディエンラン/江蘇省)
監督:韓陽★(かん・よう-日本/東京アート所属)
選手:陳杞(チェン・チィ/WR12/09世界選手権男子複優勝)
   雷振華(レイ・ジェンホア/WR-/09全中国運動会団体優勝)
   韓陽★(かん・よう-日本/WR70/08北京五輪ベスト16)
   金義雄(ジン・イーション/WR-/09全中国運動会ベスト16)
   林晨(リン・チェン/WR-/04世界ジュニア選手権3位)

覇州海潤冠軍園(バァジョウハイルン グアンジュンユエン/河北省)
監督:劉志強(リウ・ジーチァン/河北省男子チーム監督)
選手:許シン(日+斤)(シュ・シン/WR7/11世界選手権男子複優勝)
   李平(リ・ピン/WR-/09世界選手権混合複優勝)
   崔慶磊(ツイ・チンレイ/WR133/07アジアジュニア選手権2位)
   ジャイ(曜の右側)超(ジャイ・チャオ/WR-/09アジアジュニア選手権団体優勝)
   程靖チィ(王+其)(チョン・ジンチィ/WR248/08世界ジュニア選手権混合複3位)

錦州銀行・上海(ジンジョウインハン・シャンハイ/上海市)
監督:席敏杰(シィ・ミンジエ)
選手:王励勤(ワン・リチン/WR9/01・05・07世界選手権優勝)
   高礼澤★(コ・ライチャク-香港/WR55/08北京五輪ベスト8)
   尚坤(シャン・クン/WR180/09ポーランドオープン男子複ベスト16)
   ジャイ(曜の右側)一鳴(ジャイ・イーミン/WR86/09全中国運動会混合複2位)

四川長虹(スーチュアン チャンホン/四川省)
監督:陳宏宇(チェン・ホンユ)
選手:邱貽可(チウ・イカ/WR-/03世界選手権ベスト8)
   張ユク★(チェン・ユク-香港/WR56/11世界選手権混合複3位)
   許鋭鋒(シュ・ルイフォン/WR-/07世界ジュニア選手権2位)
   朱舟(ジュ・ジョウ/WR-/08全中国選手権ベスト8)

 水谷隼が所属する寧波海天塑機は、ホームゲームである明日の開幕戦で江蘇金山環保・中超電纜と対戦し、水谷も出場予定。超級リーグでは、他協会所属の選手は1試合1名までしか出場できないので、ともにスポット参戦である吉田との併用という形で出場する。江蘇省チームは韓陽(東京アート)が監督兼選手として登録され、エースの陳杞に超級リーグで通算96勝を挙げている雷振華が補強された手強いチームだ。果たして両チームのオーダーは?

Photo上:2008・2010年に続き、3シーズン目の超級リーグ参戦となる水谷隼
Photo中:世界選手権ロッテルダム大会で優勝した張継科はチームの2連覇を狙う
Photo下:ボルは張一博、ハオ帥との豪華な「サウスポートリオ」。ボルも第1ステージ(14試合)で出場は4~5試合か
 中国リポート、大変長らくのご無沙汰を致しております。
 5月29日に超級リーグが開幕する中国。今年は水谷隼、福原愛をはじめとする日本人選手に加え、ヨーロッパの皇帝・ボルも参戦。例年にも増して話題性十分です。各クラブのメンバー紹介などもお伝えしますが、その前にロッテルダム大会の画像を整理していく中で発見した、中国選手のお宝画像をご紹介しましょう。
 まず一番上の画像は、題して「卓球を忘れた金メダリスト」。北京五輪金メダリストの馬琳、シングルス2回戦の丹羽孝希戦でのひとコマ。町の卓球場で時々見かけるフォームです。地味に揃った両足がまたいい味出してます。
 真ん中の画像は、男子シングルス決勝を戦い終えた王皓と王励勤。優しいはずの王励勤が、番長のような雰囲気を醸し出しているのは気のせいか。「オメエ、決勝で1年の若造にナメられたんだってな…」。題して「校舎裏の緊張」
 一番下は、男子シングルス決勝が終了した直後。引き裂いたウェアがパレオのように腰にまとわりついてしまった張継科。題して「センターコートの女神」。この華麗なターン、右足の蹴りの角度が抜群ですね。
 男子優勝の張継科、女子優勝の丁寧はいずれも初優勝。鍛え抜かれたフィジカルによって、中国の若手が恐るべき攻撃卓球を展開したロッテルダム大会。大会を観ながら感じたことや、国家チームの監督・コーチのコメントなども織り交ぜながら、超級リーグの戦況などをお伝えしていきたいと思います。

※写真はクリックすると少し拡大します
 …男子編から相当アップが遅れてしまい、申し訳ありません。世界選手権ロッテルダム大会への中国女子チームのエントリーは以下のとおり。4月26日に5月分の世界ランキングが早くも発表されているため、最新の世界ランキングでお伝えします。

☆世界選手権ロッテルダム大会・中国女子選手団
(WR=2011年5月分の世界ランキング/数字は生年月日)


李暁霞   WR1 1988.01.16 遼寧省鞍山市出身 右S両面裏ソフトドライブ型
郭炎    WR2 1982.06.24 北京市出身    右S両面裏ソフトドライブ型
丁寧    WR3 1990.06.20 黒龍江省大慶市出身 左S両面裏ソフトドライブ型
郭躍    WR4 1988.07.17 遼寧省鞍山市出身 左S両面裏ソフトドライブ型
劉詩ウェン WR5 1991.04.12 遼寧省撫順市出身 右S両面裏ソフトドライブ型
武楊    WR8 1992.01.05 山西省陽泉市出身 右S F裏・B表カット主戦型
馮亜蘭   WR14 1990.01.25 湖北省武漢市出身 右S両面裏ソフトドライブ型
范瑛    WR24 1986.02.12 江蘇省鎮江市出身 右S F裏・B表カット主戦型
木子    WR79 1989.01.09 遼寧省撫順市出身 右S F裏・B表前陣速攻型
曹臻    WR-  1987.01.08 山東省濱州市出身 右S F裏・B表前陣速攻型

☆各種目へのエントリー
[女子シングルス]李暁霞、郭炎、丁寧、郭躍、劉詩ウェン、武楊、范瑛
[女子ダブルス]李暁霞/郭躍、郭炎/丁寧、馮亜蘭/木子
[混合ダブルス]ハオ帥/木子、張超/曹臻、閻安/馮亜蘭

 1~3月に行われた2回の「直通鹿特丹(直通ロッテルダム)」と、5回のプロツアーの結果、郭炎・丁寧が大会出場権およびシングルスの出場権、劉詩ウェン・武楊・木子が大会出場権を獲得していた。不調だった郭躍と李暁霞もエントリーからあえて外す理由は見あたらず、結局は順当な選手選考に落ち着いたようだ。
 唯一、サプライズと言えるのは女子シングルスの7番目の選手が范瑛だったこと。09年横浜大会の混合ダブルスに出場した范瑛だが、シングルス出場は05年上海大会以来。2大会のブランクを経てシングルスに出場というのは、中国では異例だ。エントリーした理由をぜひロッテルダムで聞いてみたいが、目的はいわゆる「露払い」ではないか。ダブルス2種目に出場する馮亜蘭や、直通鹿特丹第2ステージで優勝した木子を選んでもいいところだが、シンガポールや日本のトップクラスに対しては不安がある。外国選手に強い范瑛を送り込み、中国の上位独占をより確実なものにする狙いがあるように思える。

 武楊に范瑛とシングルスにカット主戦型が2名入るのも、プレーの「男性化」を標榜する近年の中国女子にあっては珍しい。89・91年大会に李ジュン(羽佳純子)と丁亜萍、97・99年大会に王輝と成紅霞が出場するなど、かつてはカット主戦型が必ずといっていいほどメンバーに入っていたが、2000年代に入ってからシングルスに出場したのは05年大会の范瑛だけ。07・09年と2大会続けて、出場する7選手をすべてシェークドライブ型で固めていた。日本女子にとっても、このカット2枚は危険な存在だ。

 厦門で集合訓練を行っていた国家男子チームと合流し、23・24日に四川省成都市で行われたエキシビションマッチで集合訓練を締めた国家女子チーム。積極的に体力トレーニングを取り入れ、大会前としてはハードな集合訓練になったようだ。25日には北京に戻り、明日29日にはロッテルダム大会の直前合宿を行うオーストリアのWSA(ヴェルナー・シュラガー・アカデミー)に向けて出発する。

Photo上:中国代表の女子では最年長、28歳の郭炎
Photo中:范瑛は3大会ぶりのシングルス出場
Photo下:女子ダブルス2連覇を狙う郭躍/李暁霞。不調でもペアを組むと強い
 4月16日、世界選手権ロッテルダム大会(個人戦)への各協会のエントリーが、ITTF(国際卓球連盟)から発表された。ロッテルダム大会へのエントリーは3月8日に締め切られ、選手のエントリー変更などの最終期限は4月15日だった。今大会の中国選手団を、まず男子から見ていこう。

★世界選手権ロッテルダム大会・中国男子選手団
(WR=2011年4月発表の世界ランキング/数字は生年月日)


王皓  WR1 1983.12.01 吉林省長春市出身 右P両面裏ソフトドライブ型
張継科 WR3 1988.02.16 山東省青島市出身 右S両面裏ソフトドライブ型
馬琳  WR4 1980.02.19 遼寧省瀋陽市出身 右P両面裏ソフトドライブ型
馬龍  WR5 1988.10.20 遼寧省鞍山市出身 右S両面裏ソフトドライブ型
許シン WR6 1990.01.08 江蘇省徐州市出身 左P両面裏ソフトドライブ型
王励勤 WR9 1978.06.18 上海市出身    右S両面裏ソフトドライブ型
陳杞  WR12 1984.04.15 江蘇省南通市出身 左S両面裏ソフトドライブ型
ハオ帥 WR17 1983.10.01 天津市出身    左S両面裏ソフトドライブ型
閻安  WR151 1993.01.12 北京市出身   右S両面裏ソフトドライブ型
張超  WR- 1985.01.05 遼寧省鞍山市出身 右S両面裏ソフトドライブ型

★各種目へのエントリー
[男子シングルス] 王皓、王励勤、馬琳、馬龍、張継科、許シン、陳杞
[男子ダブルス] 王皓/張継科、馬琳/陳杞、馬龍/許シン
[混合ダブルス] ハオ帥/木子、張超/曹臻、閻安/馮亜蘭

 …結局、シングルスに出場する7名の選手は、8名の重点強化選手からハオ帥が外される陣容。ハオ帥は3月までに行われた「直通鹿特丹」では総合2位で代表権を獲得していたが、シングルス出場はかなわなかった。中国男子チームの劉国梁監督は「8名の重点強化選手のうち、対外的な成績ではやはりハオ帥は王励勤や陳杞に及ばない。そしてチーム内のランキングでも、ハオ帥は常に8番目だった。シングルスには最強の7名が出場するべきで、我々はベストメンバーを組んだつもりだ」(出典『重慶晩報』)とコメントしている。ハオ帥も出身地・天津の毎日新報の取材に対し、「自分でもこうなることは予想していたし、コーチ陣の判断は理解できる」と語った。やはり対外的な強さという面で、コーチ陣の評価を得られなかったようだ。

 ロッテルダムへの出場なるかと注目を集めていた王励勤は、男子シングルスのみのエントリーとなった。「王励勤の出場はコーチ陣で協議した結果だ。我々は彼にまだ高い実力があり、シングルスに出場すべき選手だと判断した」(劉国梁監督)。昨年のモスクワ大会で世界選手権への連続出場記録が途切れた王励勤だが、世界選手権のシングルスにはこれが8回目の出場。馬琳とともに中国代表のシングルス出場回数の記録を更新した。

 また、混合ダブルスのエントリーのうち、ハオ帥を除く2名のエントリーは邱貽可、張超、方博、閻安の4名による代表決定戦で決まった。ベテラン枠と若手枠によるライバル対決の結果、張超が4-2で邱貽可を、閻安が4-3で方博を破り、世界代表に名を連ねた。「邱貽可とはチーム内で一番仲が良いので、一番やりたくない選手だった」と試合後の張超。前回の横浜大会から、中国は混合ダブルスにトップ選手をエントリーしない方針に切り替えたが、出場する選手たちにとっては世界タイトルへの貴重なチャンスに変わりない。
 続いて、中国女子選手団およびエントリーもお伝えします…。

Photo上:世界選手権のシングルスには初出場の張継科
Photo中:ハオ帥はラストチャンスを逃したか…?
Photo下:パワーヒッター・張超は混合複のみ出場
 3月15日~4月20日まで、福建省厦門市の福隆体育公園にある国家卓球訓練基地で、世界選手権ロッテルダム大会に向けた集合訓練を行っている国家男子卓球チーム。ここで集合訓練を行うと必ず優勝できる「福地」として、厦門での集合訓練もすでに10回を数える。
 長い集合訓練も終わりに近づいた4月10日、厦門大学体育館で重点強化選手8名によるエキシビションマッチを開催。エキシビションマッチであるにもかかわらず、厦門大学の創立90周年記念事業の一環となり、「万杰隆E商城杯」というスポンサーの冠名までついて盛大に行われた。「万杰隆」は07年シーズンに男子超級リーグのスポンサーにもなったスポーツ系アパレルブランド。「E商城」というのはネットの通販ページという意味だ。
 エキシビションマッチの結果は以下のとおり。

★★★ 国家男子チーム・エキシビションマッチ 4.10 ★★★

[第1試合]王励勤 4、9、9 許シン
◎上海市男子チームの先輩・後輩、ダブルスのパートナー、ともに秦志ジェンコーチの門下生というふたりの対戦。先月の直通ロッテルダム第2ステージ・予選リーグでは許シンが4-1で勝っているが、この試合は王励勤が久々に会心のプレー。ゲーム終盤の競り合いを制して、許シンにストレート勝ちを収めた。

[第2試合]王皓 9、4、-6、11 馬琳
◎世界チャンピオン vs. 五輪チャンピオンという、夢の最強ペンホルダー対決。世界ランキング1位に返り咲いた王皓が、スキのないプレーで2ゲームを連取。第3ゲームを取り返した馬琳が第4ゲームも6-3とリードしたが、王皓が6-6に追いつき、ゲームカウント3-1で勝利した。

[第3試合]陳杞 7、10、-8、-7、7 ハオ帥
◎破壊力の陳杞と、安定感のハオ帥の中堅サウスポー対決。やや箸休めの感もあるが(失礼)、2-0から追いつかれた陳杞が気合いを入れ直して勝利。

[第4試合]馬龍 -12、7、4、9 張継科
◎イキのいい本格派シェークドライブ型同士が激突。最近ようやく勝ち星をあげるようになってきたが、かつて張継科がどうしても勝てない相手がこの馬龍だった。1ゲーム目こそ落としたものの、この試合も馬龍のパワーが張継科の両ハンドを上回った。

 4月16日、ITTF(国際卓球連盟)から、世界選手権ロッテルダム大会の各国へのエントリーが発表されました。こちらに関するニュースも後ほどお伝えします。

Photo上:後輩の許シンをストレートで破った王励勤
Photo下:前回の世界選手権ベスト8の陳杞は、シングルスの出場権を争うハオ帥に勝利
(写真はともに09年全中国運動会)
 4月12日、国家女子チームの劉詩ウェンが20歳の誕生日を迎えました!

 1991年4月12日に遼寧省撫順市で生まれた劉詩ウェン。微博(マイクロブログ)では「今日は最高に幸せで感動的な一日。朝早くからたくさんの人が私にお祝いのメッセージをくれました。こんなにたくさんの人が私のことを気にかけてくれて、本当に感動しました。全員に会ってありがとうと言いたい! これからもっともっと頑張ります!」と20歳になった喜びを語っています。

 …うっかり忘れるところでしたが、誕生日速報をお伝えしました。
 なお、今週土曜日の4月15日は、国家男子チームの陳杞が27歳の誕生日。国家チームの「微博王」こと陳杞には、たくさんの祝福コメントが寄せられそうです。

Photo:二十歳の春、ロッテルダム大会で初優勝を狙う劉詩ウェン
 現在世界ランキング2位のボル(ドイツ)が、2011年シーズンに超級リーグの浙商銀行でプレーすることが明らかになった。
 今年は5月末に開幕する超級リーグは、ドイツ・ブンデスリーガのオフシーズンとちょうど重なる日程。5年ぶりの超級リーグ参戦となるボルは、重要な試合のみのスポット参戦になりそうだ。浙商銀行はすでに馬琳、ハオ帥に加え、昨シーズン最下位の錦州銀行から右ペンドライブ型の徐輝が加入しており、十分に優勝を狙える陣容。世界団体選手権モスクワ大会決勝4番で、馬琳がボルを破って中国男子の5連覇を決めたが、そのふたりが今シーズンはチームメイトになる。

 ボルは過去にも、05年シーズンに広東宝瑪仕、06年シーズンに浙江海寧鴻翔でプレーした経験がある。いずれも数試合のスポット参戦で勝ち星を伸ばせず、広東宝瑪仕は12チーム中10位、浙江海寧鴻翔は10チーム中8位と残留するのが精一杯だった。昨シーズンの男子超級リーグでは、山東魯能が助っ人・朱世赫の活躍で優勝を決めたが、ヨーロッパ選手の場合は長時間の移動を強いられることもあり、これまで参戦したサムソノフ、クレアンガ、J.セイブといった選手たちは際立った成績を残せていない。もちろん、超級リーグのレベルがそれだけ高いとも言える。

 今シーズンの超級リーグ男子では、朱世赫(韓国)が昨年に続き山東魯能・中電装備でプレー。さらに四川長虹に張ユク、錦州銀行と上海市男子チームが合体した錦州銀行上海に高礼澤といった香港勢が加入するが、ヨーロッパ選手の登録はボルただひとりだ。超級リーグでは北京五輪を控えた07年シーズンで、全試合へのベンチ入りを義務づけ、外国選手を閉め出したことがあるが、ロンドン五輪前の今シーズンは同様な規制は行われていない。ボルにとっても貴重な対中国の実戦の機会になりそうだ。
 今シーズンの男子超級リーグには、日本選手も数人の参戦が予定されている。

Photo:中国でも人気の高いボルが超級リーグ参戦(写真は10年世界団体選手権)
 3月31日、アテネ五輪・北京五輪金メダリストの張怡寧が、アメリカ・ウィスコンシン大学マディソン校へ留学するため、北京首都国際空港を飛び立った。同じ北京体育大学・冠軍班(チャンピオンコース)で学ぶ16名とともに、10カ月間の留学生活を送ることになる。
 空港では母親の王風英さん(中国は夫婦別姓)が娘を見送ったが、旦那さんの徐威さんは姿を見せず。金融関係の仕事をしている徐威さんは、ニューヨークなどを頻繁に訪れており、「わざわざ見送りに来ないでもいい」と張怡寧がやんわり断った。初めてひとり暮らしをする娘を心配する王さんには、こう言ったそうだ。「もう車の運転もできるようになったし、料理もすぐ慣れるに決まってる。自分の面倒くらい自分で見られるから、心配しないで」(出典『華西都市報』)。

 そして張怡寧は、初めて自分の口から「退役(引退)」という言葉を口にした。
「2009年の全中国運動会が終わってから、しばらく休みたいと思いました。それからずっと、現役を続けるかどうかを考え続けてきました。そして今は、やはり自分は引退するべきだと感じた。若い選手たちにチャンスを与えるべきです」
(張怡寧/出典『新京報』)
 昨年11月に「引退試合やセレモニーをやるつもりはない。このままゆっくりと皆さんの視界から消えていければいい」と述べ、事実上の引退宣言をしていた張怡寧。今回は正式な引退宣言として、中国でも大々的に報道されている。正式な引退発表までに1年半以上を要したわけだが、張怡寧が発言するたびに大きく報道されてきたのは、それだけ彼女の現役復帰を望む声が多かったということだろう。

 張怡寧はマスコミの取材に対し、国家チームの後輩たちに対してもコメントを残している。現在、かなりの不調に陥っている郭躍に大しては、「北京五輪までは、郭躍は王楠と私とプレーしていたから、本当の意味でのプレッシャーを受ける試合は少なかった。今は本当に苦しい時期だと思うし、もう少し時間を与えてあげてほしい。チームも彼女を最も必要としているので、立ち直ってくれることを願っています」とコメント。一方、モスクワ大会決勝で2点を落とした劉詩ウェンに対しては、「劉詩ウェンは団体戦の主力になるまでの時間が短かったので、大きな試練をくぐり抜けることがなかった。彼女も今は、そのプレッシャーを十分感じているでしょう。個人戦と団体戦、受けるプレッシャーは全く違うものですよ」(ともに出典『信息時報』)と語っている。

 今日、4月1日はエイプリルフール。中国では「愚人節」という。張怡寧ファンの方々には残念だが、彼女の引退は本当のことだ。留学を経てどのような道に進むのかに注目したい。

↓下は『新浪』のスポーツページに掲載された、空港での張怡寧の写真
http://sports.sina.com.cn/z/zhangyiningretire/photo/104711/

写真:現役最後の大会となった、09年全中国運動会での張怡寧
 すでにITTF(国際卓球連盟)をはじめ、多くの卓球関連サイトに驚きとともに取り上げられているニュースがある。中国で、卓球のラケット型ホテルの建設計画がスタートしたというものだ。

 このラケット型ホテルの建設計画が持ち上がっているのは、江蘇省や浙江省に隣接した内陸の安徽(あんき)省淮南市だ。…どこなのかさっぱり分からないくらいの地方都市だが、景気の良い中国では今、各地でお絵描きのような巨大ニュータウン計画が進められている。ホテルの高さはなんと150m。左の写真を見てもらえばお分かりだと思うが、ラバーの部分が客室で、グリップの部分が展望台になる。スイートルームなどは高層階にあるのだろうが、なんとなくスイートスポットあたりの部屋に泊まりたい気もする。ご丁寧にボールを模した球体のコンベンションセンターまで建設され、公認球の3ツ星を上回る、5ツ星クラスの高級ホテル。総建設費は3億元(約37億円)だ。

 そして、このラケット型ホテルが建設される「淮南オリンピック公園」の全容を聞くとさらに驚かされる。ホテルも含めると18億元(約223億円)以上を投資して、「ラグビーボール型のメインスタジアム(5万2千人収容)」「バレーボール型の屋内プール」「サッカーボール型のトレーニングセンター」「バスケットボール型の体育館」まで建設する計画だというのだ…。完成後は、さまざまなスポーツイベントを誘致していく予定だそうだ。

 中国の中では、決して豊かな省とは言えない安徽省。「ラケット型ホテル」の建設計画が報道されると同時に「無駄な投資はやめて、市民の生活向上に努めよ」「より市民生活に則した設備の建設を」という声が上がり、淮南市体育局の局長が「市政府としては一銭も出せない。あくまで民間企業を誘致し、資金を募るプロジェクトだ」と声明を出すに至った。しかも出資する企業もまだ現れていないという。残念ながら、まだ「絵に描いた餅」という段階のようだ。
 どうにも「悪ノリ」の感があるラケット型ホテル。…しかし、卓球人なら一度は泊まってみたいのではないだろうか。

Photo:ラケット型ホテル(上)と淮南オリンピック公園(下)の完成予想図。ホテルが中国式ペンの形に見えるのは、構造上の問題なのか、それとも中国卓球のプライドか…