卓球王国 2024年11月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
東京五輪卓球

地球の裏側での五輪。日系人チーム、ブラジル女子の終戦

女子団体1回戦の香港対ブラジル。ブルーナ・タカハシ、ジェシカ・ヤマダ、カロリネ・クマハラと日系人選手3人で今大会に挑んだブラジルが、香港を相手に健闘を見せた。

ブラジルは1番のダブルスが敗れた後、2番に登場したのがチーム最年少の21歳、タカハシ。杜凱琹とのエース対決は、2ゲーム目に大量リードを奪ってあと少しで1ゲームを返せるところだったが、杜凱琹の打ち気をそらすような緩急あるバック連打にミスが続いた。

日本での武者修行の経験があるタカハシは、今後も日本で腕を磨くことを望んでいる。投げ上げサービスからの両ハンド強打は強烈だが、相手の球質の変化や緩急への対応に課題を残すタカハシ。異質型の多い日本で練習できれば非常に効果的だろう。抜群のスタイルとルックスで、インスタグラムのフォロワー数は7万人に迫る人気者。Tリーグでプレーすれば、人気が出ることは確実だと思うのだが……。

コートでは闘志あふれるプレーを展開するタカハシ

3番で李皓晴との豪快な打ち合いを制し、香港から1勝をもぎ取ったのはクマハラ。レシーブではチキータを多用し、中陣から身体能力を生かしたフォアドライブをガンガン打ち込む。後陣でのロビングも駆使するプレーは、男性的というより男子選手そのもの。ゲームカウント2−0から2−2に追いつかれながら、5ゲーム目中盤の連続得点で見事に勝ち切った。

チキータも駆使するクマハラ。李皓晴戦でのプレーは見事

4番で杜凱琹に敗れたものの、接戦を演じたのはヤマダ。一発の威力はそれほどないものの、両ハンドの正確で堅実な球さばきに「日本」を感じる。旦那さんは元ブラジル代表のマツモト。コートでは表情豊かなプレーヤーだ。

堅実な両ハンド攻守で杜凱琹に迫ったヤマダ

彼女たちにとって自らのルーツのひとつがある、地球の裏側・ニッポンでのオリンピックは終わりを告げた。ラテンアメリカの日系人社会と卓球、いつか必ず取材してみたいテーマだ。

関連する記事