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世界卓球2026

ちょっと気になる赤いケース。ドーハ大会の王楚欽ラケット破損事件を受けて導入

今大会で、試合前のコートに赤いケースが置かれ、選手たちがそこからラケットを取り出したり、試合後にそのケースにラケットを預けているのが、テレビでも放映されているはず。小さなアタッシュケースという感じの形状で、結構重いらしい。

このケースは中国の『李寧(LINING)』の提供で、ラケットコントロールで「検査済」のラケットを保管するためのもの。台数が多いステージ1Bでは紙の封筒だったが、ここウェンブリー・アリーナに場所を移してからはすべてのコートで導入されている。

試合前のコートに置かれた赤いケース。ピッカピカです

このラケットケースはどのように活用されているのか。ITTFのゴールドバッジ審判員として、今大会で審判を務めた今野啓さん(本誌『ルール早わかり』監修)に説明していただいた。

選手たちのラケットは、試合開始の30分前までにコールエリア(選手集合場所)に持ち込まれてラケットコントロール(検査)を受ける。そこで合格になれば、赤いケースに入れられてコートへと持ち込まれる。

各チーム3人、最大6個のケースが試合前にコートに用意されるわけだが、3番に出場する選手は2番の試合開始までにラケットを提出すればいいので、普通は4個のケースが置かれていることが多い。

検査済のラケットを受け取って試合開始

試合の途中で、3番の選手のラケットが到着!

1・2番でプレーした選手は、試合後にラケットを審判に預け、審判は赤いケースに入れておく。ベンチに持ち帰るとすり替えることができるので、ケースに入っているうちは常に「検査済」。そして4・5番でまたラケットをケースから取り出して使う。3番の選手や、4・5番で2試合を終えた選手はもう試合がないので、ラケットを持ち帰ってもOKだ。

1・2番の選手は試合後にラケットを預ける。預ける前はなるべくキレイに

ちなみに1・2番の選手でも、「試合前に自分のラケットで練習したい」と申告して練習で使うこともできるそう。しかし、試合後にもう一度検査を受ける必要があり、万が一、失格になると大変なので預ける選手がほとんどだという。

この赤いラケットケース誕生の経緯。それは前回の世界卓球ドーハ大会(個人戦)で、ラケットコントロール後に受け取った王楚欽(中国)のラケットのラバーが剥がれ、スペアラケットでのプレーを余儀なくされたことに起因する。

中国卓球協会はITTFに正式に抗議し、ラケットコントロールの動画撮影や透明なラケットケースの導入などを求めたというが、動画の撮影などは実際には無理がある。「せめて頑丈なケースを」ということで、李寧の協力でこんなにものものしいケースが作られた。

選手たちは基本的に自分でラケットをケースに仕舞い、自分で取り出す。審判は極力ラケットには触れないというから徹底している。このケースなら、カメラマンや象に踏まれても安心……かな?

審判はケースには触れるが、極力ラケットには触れない徹底ぶりだ

 

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