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世界卓球2024

歴史が変わる予感がした3時間半超えの大熱戦! 韓国男子、中国を追い詰めるも及ばず

●男子準決勝
 〈中国 3−2 韓国〉
王楚欽 −7、2、−11、−6 張禹珍◯
◯樊振東 8、6、8 林鐘勲
馬龍 −7、4、−10、6、−4 李尚洙◯
◯樊振東 6、7、10 張禹珍
◯王楚欽 5、7、6 林鐘勲

韓国、10連覇中の中国を2−1と追い詰めるも……及ばず!!!

韓国は1番・張禹珍がいきなり大爆発。やや硬さの見える王楚欽に対し、レシーブから思い切ってチキータで攻め、左腕の王楚欽のフォアへ、回り込んでカウンターのシュートドライブを連発。2ゲーム目こそ0−8と離されて落としたものの、3ゲーム目に9−10とゲームポイントを取られたところから、ためらうことなくフォアのパワードライブを連発して13−11。

1本取るごとに背中を「くの字」に折り、拳を固める張禹珍。「ジャン・ウー・ジン!!」の大声援がその背中に降りかかる。4ゲーム目になると王楚欽がミスを連発。最後は10−6で張禹珍がチキータを決め、思い切り両手を広げてガッツポーズ。中国から貴重な先制点を奪う!

張禹珍がトップで大仕事。硬さの見える王楚欽をノックアウト!

しかし、続く2番は樊振東が、ラブオールからフォアに飛ばされた厳しいボールに思い切り飛びついて返球し、反撃して得点。「ここで流れを断ち切る」という強い意志を示し、林鐘勲のフォアへ破壊力満点のバックパワードライブを連発し、ストレート勝ち。中国が1−1のタイに戻す。

これぞ世界王者。出足から集中力の高いプレーで林鐘勲に完勝した樊振東

3番は李尚洙対馬龍。中国としては絶対王者の力でリードを奪いたいところだが、李尚洙は以前の「イケイケ」卓球からひと皮、ふた皮剥けたプレーを披露。台上のストップ対ストップ、前陣でのバック対バックのラリーなど、馬龍のストロングポイントで一歩も引かない。特にバック対バックでは、ショートスイングのバックドライブで何度も馬龍のラケットを弾き飛ばした。

馬龍もストップの構えからのバックフリックなど、持ち前のテクニックを随所に披露したが、フォアに飛ばされたボールのほとんどを打ち抜かれたのは、さすがにピークを過ぎたゆえか。最終ゲームまでもつれた熱戦、李尚洙が3−3からパワードライブを連発して7−3と一気に突き放し、11−4で勝利。場内は「テーハミングッ(大韓民国)!」の大歓声に包まれる。

ベテランにしてまだまだ進化。李尚洙はバック対バックでも馬龍を制す

馬龍、ついに世界卓球の団体戦で黒星を喫す

ついに2001年大阪大会から続いてきた、中国男子の「V10」がストップするのか。場内が異様な空気に包まれる中、さすがのプレーを見せたのは世界王者・樊振東。日本戦では16歳の松島輝空に対し、受け身に回って苦戦を強いられたが、4番の張禹珍戦は自信に満ちていた。王楚欽が手を焼いた張禹珍の高速バックカウンターを、鮮やかにクロスに打ち返す好プレーを連発する。

バック対バックから大きく空いた張禹珍のフォアサイドへのストレート攻撃も効果的に使い、王楚欽がなかなか踏み込めなかったストップ対ストップの展開では、深く切ったツッツキから打たせる冷静さ。9−9の接戦となった3ゲーム目、12−10で勝利した樊振東が笑顔でガッツポーズ。これが世界王者だ。

張禹珍の勢いを止めた樊振東。韓国の前に立ちはだかった

ついに勝負の行方はラスト、王楚欽対林鐘勲。試合前、会場を訪れた金擇洙の姿がビジョンに映し出される。2001年の準決勝、中国戦ラストで7回のマッチポイントを握りながら惜敗したレジェンド。その果たせなかった夢は林鐘勲の左腕に託された。

直近の昨年10月、WTTチャンピオンズ・フランクフルトでは王楚欽が3−0、しかし22年10月のアジアカップでは4−3で林鐘勲が勝っているこのふたりの対戦。1ゲーム目、落ち着きを取り戻した王楚欽は強烈なチキータ、フォアのカウンターを連発して6−0、10−2、11−5と林鐘勲を圧倒。2ゲーム目も3−6のビハインドから6点連取で9−6と逆転し、11−7で奪う

林鐘勲も必死の頑張り。3ゲーム目、王楚欽3−2のリードで後陣から林鐘勲がバックドライブで反撃し、バックカットも交えて応戦したラリーは、今大会ナンバーワンのラリーと言っていいだろう。しかし、王楚欽はバックハンドの技術力の差、フォアハンドの打球点の差を生かしたパワープレーで、3ゲーム目も11−6。胸の五星紅旗を誇らしげにつかんで見せた王楚欽。3時間半超えの大熱戦が終わった。

誇らしげに胸の国旗をつかんだ王楚欽

韓国、よく頑張った。素晴らしいプレーを見せた。しかし、中国の壁は大きく揺らぎながらも、倒れることはなかった。

無念の2失点、林鐘勲。チームメイトが慰めた

中国ベンチも熱くなった。前回の成都大会に続いて、挑戦者を跳ね返した

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