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【卓球】神巧也、ブンデス1部の「FC.ザールブリュッケン」と契約。「収入が落ちても強くなるための選択をすることも必要」

 

ドイツへの憧れが強くありました。
「卓球をやっているのなら
ドイツのブンデスリーガに行かなきゃ」
という気持ちがありました

 

3月末にTリーグのT.T彩たまを退団した神巧也(ティラミッシモ所属)がWTTの後にドイツに向かい、「FC.ザールブリュッケン」との契約書にサインした。現在、ザールブリュッケンで練習中だ。
青森山田高、明治大を卒業後、シチズン時計に入社。Tリーグ開幕の1年後、3年前の2019年1月にシチズンを退社して、T.T彩たまに入団。1年目に活躍したが次第に出場機会が減っていた。
危機感を持った神は自らドイツのクラブに打診をして、ブンデスリーガ1部リーグで、今季2位の「FC.ザールブリュッケン」への入団が決まった。フランチスカ(ドイツ・世界ランク16位)、ヨルジッチ(スロベニア・同12位)のいる強豪チームだ。

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ーー今回Tリーグからドイツのブンデスリーガに移ることになりました。その経緯は?
神巧也 ひとつは試合をしたいから。今シーズン(2021〜2022年)、Tリーグではシングルスは1回も出ていないので、弱くなっていく自分が目に見えてわかった。試合勘がなくなるんですよ。2019年は絶え間なくスウェーデンリーグ、Tリーグ、ワールドツアーに出ていたけど、今は刺激も少ない。ぼくはTリーグ一本でやっていて、学生なら大学に戻れば試合があるけど、ぼくは全日本社会人とか全日本選手権くらいしかないんですよ。最後のほうは2カ月か2カ月半に1回の試合だったので調整も難しかった。外国選手に対する戦い方も忘れていたし、まだまだ国際大会でも活躍したいし、ヨーロッパの選手にも対応できるような経験をしたかったですね。

ーーなぜドイツだったんだろう?
 スウェーデンリーグは経験がありますけど、ドイツは初めてですね。今年もTリーグとスウェーデンリーグで掛け持ちだったけど、入国制限が厳しかったり、帰ってきてからの隔離も当初は長くて、隔離期間を短縮するのも煩雑で、一度も海外リーグに行けなかった。
海外に行くとしたら、自分の中ではドイツかフランスだった。レベルが高いし、「フランスも来シーズンからレベルが上がるけど、ドイツへの憧れが強くありました。「卓球をやっているのならドイツのブンデスリーガに行かなきゃ」という気持ちがあり、多くの日本選手がそこを通ってきたし、自分もドイツを知りたいという好奇心もありました。
自分から練習拠点があるクラブにメールを送りました。どうせ行くなら甘えが出ないように日本人がいないクラブで英語とドイツ語の話せるところが良かった。

ーー最終的にザールブリュッケンに決まったけど、ブンデスリーガでは外人枠の問題があるね。
 アジア人のいないチームということで最終的にはザールブリュッケンになりました。最初はダメ元でオファーしたんですが、前にいた尚坤(中国)と契約しないということだったので、アジア人枠が空きました。
ここの練習環境は良いです。卓球台も12台置いていて、後ろも天井も広いですね。スポーツセンターなので、スポーツジムもあるし、食事も良いです。フランスに近いのでフランスの選手も練習に来るので良い練習ができます。

ーーこの間、WTTでフランチスカに勝ってよかったね。
 勝っちゃいましたね(笑)、もっと頑張ります。

ーーフルシーズン、そっちでプレーするということかな。
 1部リーグでの12チームでのリーグ戦(ホーム&アウェイ)と、ドイツカップ(トーナメント)、ヨーロッパチャンピオンズリーグがありますね。日本での選考会もあるし、全日本選手権も戻ります。選手であればパリ五輪に出たいと思うのは当たり前だし、選考レースでは国内にいるほうがベストだけど、Tリーグにも出られていなかったし、今の状況では選考会に出ても難しいので、それなら海外でプレーしようと思いました。Tリーグでの獲得ポイントも考えたけど、そこの判断は難しかった。

ーープロ選手としては試合に出てなんぼだよね。
 試合に出て勝ってお金が入ってくる職業なので、そのためには強くなるための選択をすることも必要です。ブンデスリーガ1年目だとTリーグにいた時よりも少し収入は落ちるんですよ。でも、今後他のチームに移るとか、Tリーグに戻るとしても強くなっていれば収入も上がるわけです。強くなる環境にいないと難しい。ヨーロッパでは選手が30代から強くなるし、実際に今ヨーロッパは強いと思うけど、日本にいると、「もうベテランでしょ、年上ですね」という空気感があって、自分もそういう色に染まってしまいそうでした。

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