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ソンタクしない岸川「初中級者にはV>03の軟らかく食い込むラバーのほうが合っている」

 

岸川聖也 VICTASアドバイザリースタッフ ●きしかわ・せいや 2002年に中学3年でドイツに渡り、9シーズンをドイツのプロリーグでプレーした日本男子卓球界の先駆者。 世界選手権では団体4、男子ダブルス2、混合ダブルス1の7個のメダルを獲得。2012年ロンドン五輪ではベスト8に入った

 

 

「初中級者は硬めのラバーよりも『V>03』のように

軟らかめで食い込むラバーのほうが

コントロールや打球感覚が良くなる」

 

『V>03』は春に卓球を始める中学生、またはさらに上達したい人で、2枚目のラバーとして最適なラバーだ。今回、VICTASアドバイザリースタッフの岸川聖也プロ(ファースト所属)が試打した。

岸川プロは饒舌ではない。嘘も言わない。メーカーや商品について忖度(ソンタク)しない男なのだ。そんな岸川が『V>03』を打った。当たり前なのだが、ふつうに良いボールが入る。「これが初中級者用のラバーなのか?」と思わせるほど、1本目から強いボールが入る。

「触った感じも軟らかく、実際に打球するとボールも食い込んで打球が安定しますね。初中級者はスイングスピードも遅いので、硬いラバーよりは軟らかめのラバーのほうが良いと思います、その点、この『V>03』は、食い込む分、弧線も描くし、打球音も良いですね」(岸川)。『V>03』のように、初中級者には打球音も重要だ。スイートスポットでとらえれば良い打球音がするので、自分の打法の良し悪しの目安になるからだ。

普段はトップ選手仕様の硬いラバーを使っているのだが、岸川が打つとそれが初中級者用のラバーだと信じる人はいないだろう。ほとんどミスなく、威力のあるボールが放たれるのだから。

 

少し台から離れてドライブしてもらった。

「前陣で打っても良いし、台から離れてもしっかり回転がかかります。欠点のないラバーなので、初中級者がいろいろな技術に挑戦する時に向いています」。

次に台上技術、ストップ、フリックをやってもらった。「初中級者はボールがラバーに食い込むことが重要。つまり自分がボールをコントロールしている感覚が必要です」

そしてバック技術に入っていく。

「安定はするけど、台から離れて強打するとラバーが軟らかすぎて潰れてしまうと感じます。でも、50、60%の力で打った時の安定感はいい。バックブロックからカウンター、ミート打ちをしてみましたが、すごく良い音がします。ブロックするだけならこのラバーは良いです。もちろんバックドライブでかけ返す時には物足りなさは感じますが、初中級者が使う技術には最適でしょう」

本当に岸川はソンタクをしていないんだろうか。「中上級者レベルになる時には物足りなく感じるかもしれないし、もう少し硬めのラバーを使うほうが良いでしょう。しかし、初中級者が技術の習得や卓球の楽しさを感じるためにはこの軟らかさのラバーがいいです」

つまり、これから卓球を始める人は、まずラケットに正確に当てることが大切。強く打つことはその次の段階で覚える。最初に硬めのラバーを使うと、「コントロールがうまくできない」状態になる。それはスイングスピードが遅いために、ボールがラバーに食い込まずに、打っている感覚が手に伝わらないためだ。

この『V>03』は、スポンジ硬度は42.5度前後なので、ボールがラバーに食い込む。だから初中級者でも「ボールを打っている感覚」がわかる。

 

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