●男子シングルス準決勝
張本智和 −6、−3、8、8、−10、5、10 林詩棟(中国)
張本智和、林詩棟に最終ゲーム9−10でマッチポイントを握られながらも、12−10で逆転勝利!
歓喜の決勝進出!!
互いにバックハンドが強い張本と林詩棟だが、プレー領域は張本のほうが前陣寄り。林詩棟は台から距離を取り、両ハンドドライブを連打するプレーが多い。打ち合いになればパワーにまさる張本が上だが、林詩棟のフォアドライブには一瞬の「タメ」があり、ストレートへの攻撃もうまいため、コースが読みにくい。
林詩棟に2ゲームを先取され、苦しい戦いになったこの試合。3ゲーム目、中盤のリードを8−6と追い上げられたところで、張本は早くもタイムアウト。このゲームを奪って1ゲームを返すと、4ゲーム目も5−7から7−7に追いつき、フォアクロスの激しい打ち合いを制して突き放し、11−8で連取する。
勝負のポイントとなる5ゲーム目、2−4、3−7と突き放された張本が7−7に追いつき、10−8でゲームポイント。勝利に王手をかけたかった張本だが、10−9で林詩棟のバックハンドがエッジ。10−11とゲームポイントを取り返され、バックストップの体勢から突然フリックする「二段階モーション」のフリックを返せずに10−12。痛恨の4連続失点で5ゲーム目を落とす。
それでも張本の気力は萎えることはなかった。互いに台上のストップ対ストップからなかなか強打にいけない中、勇気を持って回り込んで得点。11−5で取り返し、ラケットで「もっと声援を!」と観客にアピールする。
最終ゲームは全くスコアが離れないシーソーゲーム。7−7、8−8、そして9−9。張本はここで再び林詩棟に「二段階モーション」のバックフリックを決められ、9−10。絶体絶命のピンチ。
しかし、10−10に追いついた張本は、林詩棟のロビングを全力スマッシュで打ち抜き、最後も渾身のフォアクロスへのフォアハンドを決め、12−10。「首振りダンス」の後、糸が切れたようにその場に倒れ込んだ!
勝利者インタビューで、開口一番「最高でえーす!!」と叫んだ張本。観客を酔わせた至高の一戦。しかし、「今はすごく興奮していますけど、またすぐ落ち着いて昨日までと同じように準備したい」と語った張本。これでWTTファイナルズでは2021・2022年大会に続いて、3回目の決勝進出。明日、悲願の初優勝を目指す!
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