12月10日から香港で開幕した『WTTファイナルズ 香港』。12・13日には男女シングルス準々決勝が行われ、日本勢で勝ち残っていた3選手が登場した。
12日は女子シングルス準々決勝に大藤沙月(ミキハウス)と長﨑美柚(木下アビエル神奈川)が登場した。大藤は、1回戦で早田ひな(日本生命)をストレートで下した左腕・蒯曼(中国)と対戦。ゲームカウント2-1とリードして迎えた4ゲーム目は6-10から追いつき、ゲームポイントを握る場面もあったが、14-16で落とすと、流れを引き戻せられず2-4で敗れた。

大藤を退けた蒯曼。準決勝では孫穎莎が途中棄権し、思わぬ形で決勝進出が決まった

大藤は善戦するも及ばず、8強でストップ
長﨑は世界女王・孫穎莎(中国)に挑んだ。1ゲーム目こそ競り合いを演じたものの、以降は孫穎莎の隙のない両ハンドドライブに苦しみ、ストレート負け。孫穎莎は4ゲーム目、長﨑のサービスに対してTTRを要求し、チャレンジに成功。どんな局面でも一切の妥協を許さない姿勢は、さすが世界女王だった。

速いラリーでも的確にコースを突く冷静さはさすがだった孫穎莎

試合後半はなかなか持ち味の力強い両ハンドが打ち抜けず、首をかしげる場面も度々見られた長﨑だが、試合後は笑顔で握手
●女子シングルス準々決勝
蒯曼(中国) 6、-4、-9、14、4、10 大藤沙月
孫穎莎(中国) 10、6、6、1 長﨑美柚
13日には男子シングルス準々決勝に張本智和(トヨタ自動車)が登場。今月上旬に中国・成都で行われたITTF混合団体ワールドカップのフランス戦で0‐3で敗れていたF.ルブラン(フランス)との再戦に臨み、フルゲームの末、4-3で雪辱を果たした。
試合は1ゲーム目をジュースで落としたものの、そこから3ゲームを連取して3-1とリード。しかし、F.ルブランも意地を見せて2ゲームを奪い返し、勝負は最終ゲームへともつれ込んだ。最終ゲームは中盤で3-6とリードを許したが、張本は冷静に立て直し、最後は11-9で激闘を制した。
●男子シングルス準々決勝
張本智和 -12、8、10、3、-8、-7、9 F.ルブラン(フランス)
張本は試合後、「信じられない気持ち。今までは1ゲーム取るのもすごく難しくて、それが3-1、そしてフルゲームまでいけたこと自体がまず成長だと思う。そこで、苦しい中で最終ゲームを勝ち切れたことは、すごく成長できたかなと思います」とコメント。本日(14日)日本時間14時30分から行われる準決勝では、林詩棟(中国)と対戦する。


これまで、最終ゲームにもつれるとプレーが消極的になることもあった張本。最後まで集中力を切らさず、ラリー戦では攻めの姿勢を貫いて勝利を手繰り寄せた
また、混合ダブルスでは林鐘勲/申裕斌(韓国)が、準決勝で林詩棟/蒯曼(中国)を下すと、決勝では世界選手権3連覇、パリ五輪金メダルを誇る王楚欽/孫穎莎(中国)を破り、優勝を果たした。中国勢を連破しての頂点到達は、申し分ないパフォーマンスだった。
一方、決勝で敗れた中国ペアは、孫穎莎が直前に行われた女子シングルス準決勝で左足の痛みにより途中棄権。混合ダブルスに懸けて出場したものの、本来の力を十分に発揮するには至らなかった。

和やかなムードで行われた混合ダブルスの表彰式。右から優勝した申裕斌/林鐘勲。準優勝の孫穎莎/王楚欽
なお、グループリーグでブラジルペアに競り勝ち2位で準決勝に進出した松島輝空/張本美和(木下グループ)は、準決勝で王楚欽/孫穎莎にストレートで敗れ、ベスト4で大会を終えた。

松島輝空(手前)/張本美和
写真:WTT
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