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【私のリフレッシュタイム】三村優果 vol.1
試合後に彼の胸に去来したものはなにか。パリへの別れとなった
●男子団体準々決勝
スウェーデン 3-0 ドイツ
◯カールソン/シェルベリ10、8、8 チウ・ダン/ボル
◯モーレゴード 9、-8、-7、8、9 オフチャロフ
◯シェルベリ 7、9、-7、8 ボル
会場の誰もがわかっていた。欧州の皇帝、ティモ・ボルの最後の国際大会がパリであることを。
スウェーデンとの準々決勝。ドイツが負けた。3番でボルが負けた。相手はブンデスリーガの「ボルシア・デュッセルドルフ」のチームメイト、アントン・シェルベリだった。
「試合中も試合直後も、試合後の観客からこのような声援をもらえたことは、本当に特別なことで感動の経験だった。感情的に辛かった」
望んでいたハッピーエンドを得られなかったことについて。
「中国が我々のスポーツで圧倒的な強さを見せているので、最後に勝利して舞台を去ることは期待できなかった。でも、準々決勝でスウェーデンに負けるよりはもう少し良い結果のほうが良かったかな。しかし、今日の彼らは本当に強かったと認めざるを得ない。素晴らしい出来だった」
最後の国際試合の相手がシェルベリでした。
「彼がぼくのキャリアを終わらせてくれたことは、ぼくにとって意味のあることだと思うね。ぼくたちは本当に良い友人で、いつもお互いに尊敬しているから。また、今日のアントン(・シェルベリ)のプレーも良かったね。彼とは細かいことはボルシア・デュッセルドルフで再会したときに話をするよ(笑)」
自身の功績について。
「ぼくはかなり長い間ここにいました。私は今でも世界最年長のナンバーワンだと思います。世界のトップ5、トップ10圏内に25年ほどいましたが、これはすべて、状況の変化に対して粘り強く耐えてきた私の最大の功績かもしれない。しかし、だんだんと自分の体の動きが鈍くなり、高いレベルを維持するのがますます難しくなっていると感じました。だから、引退するのに適切な時期だったと思います」
将来について。
「もう少し家族と過ごす時間が増えるかもしれません」
ジュニア時代からその才能に世界は注目していた。2002年を皮切りにヨーロッパ選手権では20個の金メダルを獲得。2011年、2021年の世界選手権ではシングルス銅メダル、2018年1月に世界ランキング1位になっている。オリンピックでは2008年北京大会から団体で4大会連続のメダル獲得に貢献した。彼の世界のトップクラスとしての長いキャリアは比類なきものだ。
現在43歳のティモ・ボル。20年以上、世界のトップでスーパースターとして輝いてきた男が、静かにパリの舞台から去っていった。
「ありがとうティモ!悲しいよティモ! 君の強さも優しい笑顔も忘れないよ」
写真=ITTF/ONDA
チームメイトのオフチャロフがボルに駆け寄る。涙が止まらないボル
悲しくて流す初めての涙
相手チームのパーソンもライバルだったボルをねぎらった
観客の拍手が鳴り止まない
会場を去るボル。観客はスタンディングオベーションで見送った。「ありがとう、でも行かないでティモ!!」
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