卓球王国 2025年12月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
トピックス

卓球の「全日本」に異変か。トップ選手を襲う過密スケジュール

1月20日から、天皇杯・皇后杯の「全日本卓球選手権大会」(全日本卓球)が東京体育館で始まる。ヨーロッパや中国とも違い、日本では中体連、高体連、日本リーグなどの実業団、そしてクラブチームとカテゴリーが分かれており、すべてのカテゴリーが同じ会場で戦う大規模なトーナメントは、この全日本卓球しかない。
この大会での優勝、入賞、ランク入り(ベスト16)は、ひとつの称号として選手個人のプロフィールに刻まれるのが「全日本」だ。以前は、全日本卓球での成績が世界選手権代表と直結していた時期もあったほど、その権威は大きい。

日本卓球協会が国内の統括団体として本格的に動き始め、昭和11年(1936年)に初代の全日本チャンピオンが誕生してから、今年の大会は86回目を迎える。特に2014年度の「全日本卓球」以降は、運営や見せ方がプロ化されてきた。世界的に見ても、これほど参加人数が多く、組織化されている「国内選手権」は例を見ないと言われている。また毎年、200~300人がメディア申請すると言われ、国内大会としての注目度は群を抜いている。

この「全日本卓球」は海外でも注目されており、昨年もドイツ卓球連盟の関係者から電話があり、「ドイツでは国内選手権を開催してもトップ選手が参加せず、メディアも注目しない。日本はどのようにやっているのか」という問い合わせがあったほどだ。

選手たちも1年間の総決算として、自らをアピールする重要な大会と位置づけ、この大会に向けて1カ月、2カ月とかけて調整するのが常だった。ところが昨年から、シングルスとダブルスで日程が分離された「全日本卓球」において、トップ選手の中にはWTTの大会と重複するダブルスへの不参加を決断するケースが出てきた。
日本卓球協会の関係者は「なぜWTTは全日本の時期に開催するのだろう」と不満をこぼしていたが、世界ツアーのスタンダードとなっているWTTが、日本の国内選手権を考慮するとは考えにくい。

そして今年は、年初にWTTチャンピオンズ・ドーハとスターコンテンダー・ドーハが開催される。スターコンテンダーに出場する選手は、全日本卓球の直前に帰国するという過密スケジュールを強いられることになる。試合数は少ないとはいえ、練習時間がある程度制限され、移動時間も考えなければいけない。
試合慣れしたWTT参戦組に有利なのか、それとも国内でじっくり調整してきた選手たちに有利なのか。今年の全日本卓球は、これまでとは少し異なる様相を見せるかもしれない。

関連する記事