2025年4月27日の夜、ドイツのブンデスリーガ1部リーグのプレーオフ準決勝の2戦目が行われ、上田仁は「ケーニヒスホーフェン」として最後であり、現役最後の試合を行い、シェルベリ(スウェーデン/世界ランク16位)とチウ・ダン(ドイツ/同10位)を破る活躍を見せ、現役を終えた。ただし、「ケーニヒスホーフェン」は2-3で敗れ、決勝進出には至らなかった。
プレーヤーとしての上田の引退を惜しむ声は日本でもドイツも多いが、今後、戸上隼輔(井村屋グループ)の専任コーチとして活動していく。
●ブンデスリーガ・プレーオフ準決勝2戦目<4月27日>
〈ボルシア・デュッセルドルフ 3-2 ケーニヒスホーフェン〉
◯チウ・ダン 3-0 シュテガー
シェルベリ 1(9、‐3、‐10、‐10)3 上田◯
◯ボル 3-2 ゼリコ
チウ・ダン 1(7、‐10、‐11、‐8)3 上田◯
◯シェルベリ/ボル 3-0 シュテガー/アレグロ
試合を終えた上田は卓球王国のインタビューに対しこう語った。
「今回、『これが最後の試合だ』と思ったら、良い意味で力が入った。プレーオフ2戦目のボルシア・デュッセルドルフ、しかもヨーロッパの聖地とも言えるデュッセルドルフで最後の試合ができるという経験はなかなかできないので、すごい巡り合わせだった。勝てれば良いが、負けたとしても誇らしいことです。
試合前になると緊張もしたし、試合をやっていくうちに本当に悔いのないように、勝ち負けではなく出し切りたいと思っていました。
ドイツにいた集大成として、枠にはまらずにやれたことがすべてだと思います。試合後に梅村さん(元五輪代表/タマス・バタフライ・ヨーロッパ)と一緒にご飯を食べたのですが、『上田の卓球って日本にいるときには基本に忠実なのはいいけど、本当につまらないと思っていたけど、ドイツに来てからの上田の卓球は面白かった』という最高の褒め言葉をいただきました(笑)。
こういう形で次の道を選べたのは間違いなくドイツに来たからです。活躍して、みんなが『なんで辞めるんだ』と言いますが、自分の中では現役を辞めてもおかしくない瞬間はいっぱいありました。そこで踏ん切りがつかず、何かやり残したのではないかと思いましたが、ドイツに来て、まるっきり違う生活、まるっきり違う文化に踏み込んだ瞬間に、自分でも驚くほどさまざまなものを肌で感じました。
自分の引退に浸っている余裕がないくらい、やっと終わった、これでコーチとしてのスタートを切れる、(専任コーチとなる)戸上隼輔、頑張れよ、という思いですね」(日本時間4月28日)
*インタビュー全文は後日、卓球王国PLUSに掲載されます。
※写真は3月7日のベイグノイシュタット戦での上田仁(中央/PHOTO:Philipp Wohlfart)
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