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大会報道

逆転負け直後のインタビューで後輩を称えた馬龍。愛すべきレジェンドはどこまでもカッコ良かった

昨晩に幕を下ろしたWTTチャイナスマッシュ。中国初のグランドスマッシュ大会は、大会運営、演出、観客数、そして数々の名勝負が生まれるなど大成功だった。

メディアという立場からもWTTスタッフのプロの仕事ぶりを始め、各カテゴリーのスタッフ、地元ボランティアなど滞ることなく対応してくれた。ここまで完璧にメディア対応を行える大会は少ない。

今大会のフィナーレを飾るに相応しい男子シングルス決勝

最終ゲームで馬龍は8‐4でリードした

そのチャイナスマッシュのフィナーレは男子シングルスの決勝。19歳の林詩棟(中国)が大先輩のレジェンドであり、地元北京の馬龍(中国)に大逆転勝ちし、新たなスターが出現した。

ここでは、気力を振り絞りながら戦い、勝利が見えながらも敗れた馬龍が、敗戦の数分後にコートで行われたインタビューで語った言葉を紹介したい。

「まずは林詩棟におめでとうと言いたい。決勝はとても素晴らしい試合で、逆転勝ちも見事だった。ここ最近の試合の結果から皆さんも彼の能力の高さを感じていると思います。中国チームには若くて優れた選手がほかにもたくさんいて、そうした彼らも注目されるべきだと思っています。

自分自身については、決勝で失敗したとは感じていません。今大会の舞台に立つことができたこと自体が成功だと思っています。試合では勝つこともあれば負けることもありますが、笑顔でこの(決勝の)コートを去れることが私にとって大きな意味があると感じています。たくさんの応援をありがとうございました」(馬龍)

初のグランドスマッシュ、それも地元北京開催の今大会。馬龍が優勝にかける思いの強さは初戦から決勝までの戦いで強く伝わってきた。負けた直後にもかかわらず、最初の言葉で後輩の健闘を称えた馬龍。レジェンドはどこまでもカッコ良かった。

決勝後に林詩棟に言葉をかける馬龍

あの激闘に敗れて、この笑顔を見せられるなんて。馬龍が愛される理由がそこにある

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