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中国リポート

馬龍の「完美」なラストステージ。全中国運動会で達成した、史上初の金満貫

11月20日に閉幕した第15回全中国運動会・卓球競技。最終日に行われた男子団体決勝は、北京市対上海市という「宿命のライバル対決」が実現。北京市に馬龍と王楚欽、上海市に樊振東と許昕、オリンピック金メダリスト4人の華麗なる競演は、北京に3−1で軍配が上がった。男子団体・準々決勝から決勝の記録は下記のとおり(予選グループの結果はページ下部に掲載)。

●準々決勝
 〈北京市 3−0 遼寧省〉
◯馬龍/王楚欽 4、8、5 袁励岑/侯英超
◯黄友政 11、5、8 徐海東
◯王楚欽 9、4、7 侯英超
 〈広東省 3−0 天津市〉
◯袁烜松/周啓豪 6、8、9 蒋世輝/王楷博
◯林高遠 8、7、7 高楊
◯周啓豪 −6、2、−5、7、6 王楷博
 〈上海市 3−0 河北省〉
◯許昕/周愷 8、3、−8、6 周雨/梁儼苧
◯樊振東 −6、9、6、−9、5 梁靖崑
◯周愷 −9、6、7、14 梁儼苧
 〈黒龍江省 3−1 浙江省〉
◯王博/魏世皓 8、−8、5、5 孫正/蔡偉
徐瑛彬 −4、6、−9、7、−7 向鵬◯
◯魏世皓 7、6、7 蔡偉
◯徐瑛彬 3、6、9 孫正

●準決勝
 〈北京市 3−0 広東省〉
◯黄友政/馬龍 15、3、6 周啓豪/林高遠
◯王楚欽 8、9、7 李芸杰
◯黄友政 7、8、6 林高遠
 〈上海市 3−0 黒龍江省〉
◯許昕/周愷 −5、−9、5、8、4 王博/魏世皓
◯樊振東 5、9、7 徐瑛彬
◯周愷 −8、8、3、10 魏世皓

●決勝
 〈北京市 3−1 上海市〉
◯黄友政/馬龍 9、−5、4、7 許昕/周愷
王楚欽 8、−7、−3、−9 樊振東◯
◯馬龍 4、11、12 周愷
◯王楚欽 8、10、8 許昕

男子団体のみ出場した北京市チームの馬龍は、準決勝・決勝では17歳年下の左腕・黄友政とペアを組み、トップで勝利。決勝3番では周愷をストレートで下し、単複2点を挙げる活躍で北京市チームの32年ぶりの優勝に大きく貢献した。ちなみに32年前、1993年大会の優勝メンバーは陳志斌、張雷、熊柯という顔ぶれだ。

これまで2013・17年大会で男子シングルス、2013年大会で混合ダブルス(丁寧とのペア)、2021年大会で男子ダブルス(王楚欽とのペア)を制し、4種目中3種目で優勝していた馬龍。今回の男子団体での優勝によって、4種目すべてで金メダルを獲得する通称「金満貫」を達成した。

1959年に第1回大会が行われ、66年の歴史を誇る全中国運動会で、男女を通じて「金満貫」を達成したのは馬龍が初めてだ。先輩たちの軌跡を振り返ると、王励勤や馬琳は混合ダブルス、王皓は男子ダブルス、許昕は男子シングルスで優勝できず、いずれも4種目中3種目の優勝だった。女子では王曼昱が4種目中3種目で優勝しているが、女子団体では2017年大会で惜しくも準優勝に終わり、金満貫は未だ達成できていない。

2017年の全中国運動会で2連覇を達成した馬龍。左は北京男子チームの張雷監督(当時)

試合後、自らの『微博』のアカウントに「完美、謝謝大家(完璧だ、皆さんどうもありがとう)」とシンプルな言葉を残した馬龍。偉大なチャンピオンとして、ひとりのアスリートとして、鮮やかに現役生活を締めくくった。試合後の記者会見では「これからの人生は長い。応援してくださったファンの皆さん、ともに過ごしてくれたすべての方々に感謝したい。これからもともに成長し、ともに歳を重ねていきたい」とコメントした。

現役生活最後の全中国運動会を終えた馬龍。写真は2024年のチャイナスマッシュ。今大会は大会写真が入手できず、スミマセン……

上海市チームの主軸、許昕(左)と周愷はともに決勝で単複2敗を喫した(写真は23年全中国選手権/写真提供:ピンパン世界)

※男子団体・予選グループの結果/上位2チームが準々決勝進出
A 1位:北京市(3勝0敗) 2位:上海市(2勝1敗) 3位:江蘇省(1勝2敗) 4位:河南省(0勝3敗)
B 1位:黒龍江省(3勝0敗) 2位:天津市(2勝1敗) 3位:吉林省(1勝2敗) 4位:湖北省(0勝3敗)
C 1位:広東省(4勝0敗) 2位:浙江省(3勝1敗) 3位:山東省(2勝2敗) 4位:青海省(1勝3敗) 5位:マカオ(0勝4敗)
D 1位:河北省(4勝0敗) 2位:遼寧省(3勝1敗) 3位:福建省(2勝2敗) 4位:香港(1勝3敗) 5位:広西壮族自治区(0勝4敗)

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