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中国リポート

中国が世界卓球代表メンバーを発表。ペンドラ・薛飛が初の世界代表、世界5位の蒯曼が単落選

4月21日、中国卓球協会は5月17〜25日にカタール・ドーハで行われる世界卓球選手権ファイナルズ(個人戦)の中国代表メンバーを発表した。その顔ぶれは下記のとおり。

〈男子シングルス〉
王楚欽、林詩棟、梁靖崑、林高遠、薛飛
〈女子シングルス〉
孫穎莎、王曼昱、王芸迪、陳幸同、石洵瑶
〈男子ダブルス〉
林詩棟/林高遠、黄友政/梁靖崑
〈女子ダブルス〉
陳幸同/銭天一、王曼昱/蒯曼
〈混合ダブルス〉
王楚欽/孫穎莎、林詩棟/蒯曼

中国は今年1月にドーハ大会の代表選考方法を発表。2024年パリ五輪代表の男女6名は無条件で出場資格が与えられていたが、ITTF(国際卓球連盟)が定めたエントリー変更の最終期限である4月22日を前に、選手6名にドーハ大会出場の意思があるかどうかを確認。王楚欽・孫穎莎・王曼昱は出場の意思を表明したが、世界ランキングを離脱している馬龍・樊振東・陳夢は出場を辞退した。

その他の代表メンバーについては、3月11日発表の世界ランキングで男女上位2名(パリ五輪代表を除く)に入った林詩棟と梁靖崑、王芸迪と陳幸同がシングルスの出場資格を獲得した。

世界ランキング1位の林詩棟は、世界卓球のシングルスに初出場

残る男子シングルスの出場枠2名、女子シングルスの出場枠1名については国家チーム内で選考トーナメントを実施した。男子は林高遠、向鵬、陳垣宇、周啓豪、薛飛、徐英彬、黄友政、孫正の8名が出場し、まずトーナメントを勝ち抜いた林高遠が4人目の男子シングルス代表に決定。残る7名で再びトーナメントを実施し、右ペンドライブ型の薛飛がこのチャンスをものにして、5人目の男子シングルス代表となった。ペンドライブ型のシングルス出場は、2019年大会の許昕以来となる。

2017年世界ジュニア決勝でモーレゴード(スウェーデン)を破って優勝した薛飛。大器晩成、今大会のダークホースとなるか

一方、女子もシングルスの最後の出場切符をかけて選考トーナメントを実施。蒯曼、銭天一、陳熠、何卓佳、石洵瑶、王暁彤、覃予萱、劉煒珊、朱梓予の9人が出場し、石洵瑶が初の世界卓球シングルス出場を決めた。

23歳の石洵瑶、選考トーナメントを制してシングルス出場権を勝ち取る

直前の女子ワールドカップで準優勝し、世界ランキングを自己最高位の5位まで上げていた蒯曼は、ワールドカップ決勝の翌日に選考トーナメントというハードスケジュールが災いし、同じ2004年生まれの陳熠に敗れた。しかし、蒯曼はダブルス2種目にエントリーされ、特に女子ダブルスでの王曼昱とのペアリングは、彼女がロサンゼルス五輪の団体メンバーの有力候補であることをうかがわせる。

蒯曼は女子ワールドカップでの活躍によって、逆に選考トーナメントに負担がかかってしまった

混合ダブルスは世界ランキング1位の林詩棟/蒯曼、2位の王楚欽/孫穎莎という最強の2ペアがエントリー。また、男子ダブルスと女子ダブルスのエントリーは4ペアがすべて右利きと左利きのペアリングとなり、男女ダブルスが復活する2028年ロサンゼルス五輪を視野に入れている。19歳の左腕・黄友政の抜擢が目を引くが、中国男子チームの王皓監督は「左利きの選手はダブルスでは一定の強みがあり、年齢的にも今後のチームを担う存在」と語っている。

中国チームは四川省成都市での集合訓練を経てドーハに乗り込む。男子ワールドカップでは王楚欽と林詩棟という男子チームのツートップがカルデラノ(ブラジル)に苦杯を喫し、タイトルを奪われたが、ドーハ大会には万全の体勢で臨むだろう。

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