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中国リポート

[全中国選手権]男子シングルスで林詩棟が初優勝。海南省に初の栄冠

10月9〜15日、江蘇省揚州市の揚州体育公園体育館で『国縁杯・2023年全国卓球選手権』が開催され、33の省・市からおよそ400名の選手・コーチが参加した。ちなみに冠スポンサーの『国縁』は江蘇省淮安市に本社を置く「白酒(蒸留酒)」のブランドだ。
大会は男女団体・男女シングルス・混合ダブルスの5種目で優勝が争われた。まず男子シングルスの結果から見ていきましょう。

[男子シングルス]●決勝トーナメント1回戦
徐海東(遼寧金牛財経) 8、8、ー8、5 許昕(上海地産集団)
●2回戦
薛飛(湖北省) 6、7、ー7、12 周雨(河北省)
王廷宇(山西省) 6、4、4 徐英彬(黒龍江銀河)
●3回戦(ベスト8決定戦)
梁靖崑(河北省) 8、9、ー7、7 孫聞(江蘇省)
劉丁碩(山東省) 6、8、7 徐海東
周愷(上海地産集団) 12、13、ー6、10 向鵬(浙江省)
周啓豪(広東省) 7、7、ー10、ー5、7 薛飛
林詩棟(海南省) ー14、3、10、5 袁励岑(遼寧金牛財経)
徐晨皓(北京市) 8、ー6、6、ー9、5 牛冠凱(河南省)
于子洋(山東省) ー9、8、10、9 王廷宇
林高遠(広東省) 6、8、6 梁儼苧(河北省)
●準々決勝
梁靖崑 ー4、7、13、ー10、10 劉丁碩
周愷 5、7、9 周啓豪
林詩棟 10、ー5、ー10、4、6 徐晨皓
于子洋 ー6、ー8、9、キケン 林高遠
●準決勝
周愷 キケン 梁靖崑
林詩棟 6、8、ー9、11 于子洋
●決勝 林詩棟 10、3、4 周愷

 

アジア競技大会やWTTスターコンテンダー 蘭州など大会が続いたこともあり、国家チームの主力選手では馬龍、王楚欽、樊振東は男子シングルスにはエントリーせず。ただし、樊振東は団体戦に出場し、王楚欽は孫穎莎との混合ダブルスに出場するなど、種目によっては出場している。

また、梁靖崑と林高遠も男子シングルスには出場したものの、林高遠は準々決勝、梁靖崑は準決勝で棄権。疲労の蓄積もあるだろうが、「無理をしてまで狙うタイトルではない」というのが実情だ。4年に1度の全中国運動会の開催年には、全中国選手権は開催されないし、大会としてのステータスは格段に違う。

そして今大会、男子シングルスを制したのは18歳の林詩棟。国慶節の大型連休(10月1〜7日)だけで130万人を超える観光客を集めた「東洋のハワイ」、海南省から初の全中国チャンピオンが誕生した。威力と精度を兼ね備えた両ハンドドライブが武器で、特にバックドライブはパワフル。技術的にはすでに世界のトップクラスで、2025年世界選手権(個人戦)でタイトルを獲ってもおかしくないレベルにある。

18歳で男子シングルスを制した林詩棟。ちなみに樊振東は17歳で優勝(写真:ピンパン世界)

Tリーグの琉球アスティーダとの契約が発表された于子洋・徐晨皓・周雨の3選手も健闘を見せた。于子洋は3位で表彰台に立ち、徐晨皓は優勝した林詩棟を最も苦しめ、ベスト8に入った。徐晨皓はバックハンドのセンスは国家チームでもトップクラスで、人間的にも愛すべきキャラクターの持ち主。Tリーグでも人気が出そうだ。

ベテラン選手では33歳の許昕が出場したが、初戦で右ペンドライブの徐海東とのペンドライブ対決に敗れた。すでに国際大会には出場しておらず、プレーヤーとしては第一線を退いているが、家族との時間を大切にしながらも未だに現役を続行している。こちらも数試合限定でもTリーグに参戦してくれれば盛り上がること必至だが、さすがに元五輪代表クラスとなるとハードルが高そうだ。

許昕、「Xuperman」の快足フットワークはさすがに衰えたが、そのプレーを愛するファンは多い(写真:ピンパン世界)

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