ケーニヒスホーフェンからドイツ・ブンデスリーガ(男子1部)に参戦中の宇田幸矢が、自身の課題と向き合う日々を送っている。
宇田といえばキレとスピードのあるチキータとフォアハンドドライブの強打が大きな武器だ。しかし、それを得点源に優勝した2020年全日本選手権以来、宇田はビッグタイトルから遠ざかっている。
全日本選手権直後の腰痛や、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で満足に練習できない時期が長かったこともあるだろう。だが、それ以上に攻撃一辺倒の卓球が自身の進歩を止めているという自覚が宇田にはある。
12月10日のフルダ・マーバーツェルとのアウエー戦。ケーニヒスホーフェンはマッチカウント3-2の大接戦をものにし、勝利を挙げた。宇田(世界ランキング23位)も第1マッチのシングルスは、カットマンのフィルス(世界ランキング20位)に5ゲームズマッチのフルゲームで敗れたものの、オルトとペアを組んだ第5マッチのダブルスはゲームカウント3-1で快勝。チームに勝利をもたらした。
日本のTリーグでは第1マッチにダブルスが行われるが、ブンデスリーガでは最終マッチがダブルスだ。そのため、マッチカウント2-2で回ってきた場合のダブルスはチームの勝敗を分ける重要な局面となる。ブンデスリーガに参戦して以来、初めてダブルスを任された宇田は、「絶対に負けない自信があった。キリアン(オルト)もダブルスがうまくて成績も残しているし、バスティ(シュテガー)が勝ってくれて本当に感謝です」と会心の笑顔。その一方で、シングルスには課題が多いと表情が曇る。
「1ゲーム目はサーブからの作戦がハマったんですけど、2ゲーム目にうまく対応されてしまった。フォア前に対して自分のレシーブがあまり良くなくて、無理してチキータにいかなきゃならない場面を作ってしまい、レシーブで崩された感じです。相手のうまさもありますけど、そこを工夫してフォアからの展開でもっと得点できたら、相手を流れに乗せずに済んだと思います」(宇田)
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