卓球王国 2026年1月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
トピックス

震災を乗り越えて50回目。福島・南相馬市で「浮舟杯卓球大会」が節目の開催

福島県南相馬市で2月7・8日、伝統ある「浮舟杯卓球大会」が50回目の節目を無事に終えた。東日本大震災や原発事故、さらにコロナ禍という幾多の困難を乗り越え、市民の手で守り続けられてきた大会が、半世紀の歴史を刻んだ。

「浮舟杯」は、当時26歳だった齋藤一美さん(上の写真・小高工業高校OB/大会実行委員長)が「福島の卓球レベルを上げたい」との思いで1976年に創設。「母校愛、卓球愛、地域愛」のもとに幼稚園児から60歳以上までが同じ会場で競い合う幅広さと、対戦相手同士が審判を務める「相互審判制」が特徴だ。東北を代表する大会へと成長し、福原愛さんや2010年には当時6歳の張本智和選手(トヨタ自動車)も「バンビの部」で優勝している。また同じく参加していた張本美和選手(木下グループ・全日本チャンピオン)もお祝いのメッセージを寄せた。

「浮舟杯」の転機は2011年の東日本大震災。会場だった南相馬市スポーツセンターは遺体安置所となり、大会継続は危ぶまれた。しかし、アテネ五輪代表監督を務めた西村卓二氏(当時東京富士大学卓球部監督)の呼びかけで千葉県の自治体や卓球関係者が協力し、第37回大会は千葉県東金市で開催。大会の灯は途絶えずにつながれた。

その後もコロナ禍で感染対策を徹底しながら個人戦を継続。2026年2月7日、齋藤さんが目標としていた50回大会が実現した。大会名の「浮舟」は、かつて小高城が水に囲まれて浮かんで見えたことに由来し、「どんな逆境でも沈まない」精神を象徴している。南相馬の冬の風物詩は、これからも地域の希望を乗せて進んでいく。

 

●浮舟杯より

齋藤実行委員長を励まし続けてきた西村卓二氏(前東京富士大卓球部監督)は大会前日に講習会を行った

 

市民大会に駆けつけた日本卓球協会の河田正也会長がお祝いのスピーチ