卓球王国 2021年7月20日 発売 vol.292
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ペンホルダーは死なず。「韓国と中国の長所を取り入れた理想のスタイル」

<卓球王国2007年8月号より>

 

Penholder Never Dies.

ペンホルダーは死なず。

Vol.5

 

 

韓国と中国の長所を取り入れた理想のスタイル

 

【最強カットマン松下浩二が見る

ペンスタイル。

対戦する相手としての見方VIEW 4】

五輪に4回出場した松下浩二

 

1.カットマンは強い攻撃力のあるペンと

対戦するのは非常に嫌だ

まずカットマンとして対戦する立場で言えば、威力ある攻撃を持っているペンホルダーと対戦するのは非常に嫌なものだ。中国スタイルでは、馬琳や王皓のように裏面を使うスタイルもあるが、やはりフォアハンドが攻撃の起点であり、ラリーでもフォアハンドが攻撃の主体となる。

ただ、ペンホルダーに対するもうひとつの見方がある。それは鋭い攻撃力の反対の部分には守りの弱さが見える点だ。つまり守りの強いシェークハンド選手よりもペンホルダーのほうが、こちらが攻撃の糸口を見つけることができれば得点はしやすい。

世界のトップクラスの比較で言えば、馬琳、王皓、柳承敏は、シェークのボル、王励勤、サムソノフよりも守りが弱い。さらにシェークハンドには相手にミスをさせるテクニックもある。

今まで数え切れないほどのペンホルダーの選手と対戦したが、歴代の選手で強烈な印象を受けたのは、まず劉南奎、金擇洙の二人の韓国選手。とにかく圧倒的なフォアハンドのボールの威力を持っていた。現役では柳承敏の強烈なフォアハンドも脅威だ。

そしてもうひとりは日本でもプレーした経験を持っている陳龍燦。表ソフト速攻型だったが、何でもできるオールラウンドタイプだった。サービスも非常に切れているし、ストップもよく止まるし、ドライブもある、スマッシュも打てる、守備も強いというように、どの技術もレベルが高かった。ペン速攻型の双璧だった江加良には、それほどのすごさはなかったが、陳龍燦は本当に強い選手だった。

 

 

劉南奎(ユー・ナムキュ):卓球にとって初の五輪となった1988年ソウル大会で、20歳の若さで金メダルを獲得した選手。左腕からの豪快なパワードライブが武器だった

 

陳龍燦(チェン・ロンカン):シングルスでのビッグタイトルこそなかったものの、80年代を代表するペン速攻型。サービス、レシーブ、攻撃、守備とすべてにおいてハイレベルのプレーを見せた

 

金擇洙(キム・テクス):92年五輪では銅メダルを獲得し、1998年アジア競技大会で優勝。パワードライブはもちろんだが、守りの強さもあり、長くトップで活躍した