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伝説のプレーヤー、ボルの引退――涙、笑顔、拍手、そして「ありがとうティモ」

6月15日、ドイツ・フランクフルトのスーヴァク・エネルギー・アリーナには、ブンデスリーガ決勝戦に史上最多となる5,000人の観客が詰めかけた。
「オクセンハウゼン」対「ボルシア・デュッセルドルフ」という好カードに加え、卓球界のレジェンド、ティモ・ボルの引退試合となるとあって、多くのファンがその最後の勇姿を見届けようと会場に集まった。

決勝ではTTFリープヘル・オクセンハウゼンが、王者ボルシア・デュッセルドルフを3-2で下し、5度目のリーグ優勝を達成。試合後には、主役となったティモ・ボルに会場からスタンディングオベーションが送られ、長年の功績を称える感動的なセレモニーが行われた。

多くの著名アスリートからのビデオメッセージも紹介され、戦友パトリック・フランチスカ(ザールブリュッケン)は涙ながらにこう語った。
「君は素晴らしい選手で、いつも素晴らしい友人だった。ありがとう。」

ボルは「悲しさと寂しさもあるが、それ以上に感謝の気持ちでいっぱいです」と語り、「心に残る多くの瞬間や友情を与えてくれた卓球に、心から感謝しています」とコメント。今後は、ドイツ卓球連盟(DTTB)やボルシア・デュッセルドルフのアンバサダーとして競技の普及に携わるという。

このTTBLファイナルは大きな話題を呼び、スーヴァク・エネルギー・アリーナは史上初の満員御礼となった。卓球ブンデスリーガのニコ・シュテーレ代表は「世界最高峰のプレーと歴史的な雰囲気。これ以上ない大会となった」と振り返った。

大会の模様はドイツで全国放送でも広く取り上げられ、数百万人規模の視聴者がボルの最後の試合を見守った。さらに、6月16日(月)21時からは、特別番組『Timo “Magic” Boll ~伝説の卓球選手の引退』が放送される予定だ。

PHOTO  高樹ミナ

44歳ティモ・ボルの最後の勇姿

 

決勝のトップでボルと対戦したカルデラノが試合後、ボルとハグした

 

ボルの最後の試合に駆けつけたオフチャロフ。労をねぎらった

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