神奈川県平塚市で開催された卓球のTリーグの個人戦「ノジマカップ2022」は、初日は悪天候にもかかわらず千人を超す観客が詰めかけ、日曜日は1400人の観客が詰めかけた。数字だけ見ると少ないように感じるかもしれないが、そもそも会場となった平塚総合体育館(神奈川)のキャパシティーぎりぎりで、もっと大きな会場であったらどこまで入ったのかはわからない。
コロナ禍で昨シーズンは観客動員がままならなかったTリーグはまだポテンシャルがあることを示した。
久しぶりのトップ選手同士の国内戦。試合のレベルの高さは素晴らしいものだった。
初日から男子の吉村真晴(琉球アスティーダ)対丹羽孝希(岡山リベッツ)、張本智和(琉球アスティーダ)対戸上隼輔(明治大)などの打撃戦も見応え充分。女子の伊藤美誠(スターツ)対石川佳純(木下アビエル神奈川)、芝田沙季(日本ペイントマレッツ)対伊藤美誠などの試合はまさに世界レベルであり、選手の気合も迫力に満ちていた。
そして2日目の準決勝、決勝も好ラリーの連続で、女子決勝の早田ひな(日本生命レッドエルフ)対平野美宇(木下アビエル神奈川)の試合は言うまでもなく、優勝した張本は世界ラキング4位の実力を示した。
この「Tリーグ ノジマカップ2022」(個人戦)は、日本卓球協会強化本部が提示し、パリ五輪のための選考ポイントを獲得できる2022〜24年1月までの15大会(Tリーグ2シーズンを含む)のうちのひとつで、3月の「ライオンカップ トップ32」に次いで選考ポイント対象の2つ目の大会である。
世界ランキング5位の伊藤美誠はこの大会での選考ポイントのことを聞かれると、「意識してないです。どちらにしても大丈夫なようにしておく。飛び抜けて1位になるのは国内では難しいし、Tリーグのポイントも加算されるし、早く決まったら伝えてほしいという気持ちはあります。どっちかになった時には正式に伝えてほしいというのは選手みんなの願いです」。
この場合の「どちらにしても」の意味は、ITTF(国際卓球連盟)が「団体戦の出場資格を得たNOC(各国のオリンピック委員会)は団体戦に3名のエントリーができ、世界ランキング(24年6月18日付)の上位2名ががシングルス種目出場の資格を有する」と7月11日に発表したやり方か、日本卓球協会が定めている「国内選考会やTリーグを中心とした選考ポイントの上位2名が代表になる方式」かということだ。
まだ「五輪レース」の道のりは長い。そして、より意識するのは獲得ポイントの高い9月の福岡での国内選考会になるのだろう。
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