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インタビュー

早稲田大を支えた主将・荒井和也が最後のリーグ戦を振り返る。「早稲田大はみんなが一生懸命。本当にこのチームで良かったです」

9月に行われた秋季関東学生リーグ。近年稀に見る大混戦となった男子1部では、創部100周年を迎えた早稲田大が20シーズンぶり(中断期間を除く)32回目の優勝を達成。主将として早稲田大を支えた荒井和也に、劇的な優勝を果たした自身最後のリーグ戦を振り返ってもらった。

 

●─関東学生リーグでの優勝おめでとうございます。

荒井和也(以下:荒井):(優勝)を目指してはいましたが、「本当に優勝できたんだ」という感じです。びっくりもありながらすごくうれしいというのが素直な感想ですね。

 

●─秋リーグに臨むにあたって、リーグ戦前にチームで話し合いなどは行いましたか?

荒井:秋リーグ前の合宿で、それぞれの部員がリーグ戦に向けて自分が思っていることや気づきを話し合う場面がありました。そこで、サポートメンバーの熱をすごい感じたり、話し合いを深くできたので、チームも盛り上がってリーグ戦に向かうことができました。それが優勝のひとつの要因かなと思います。

 

●─サポートメンバーからの「熱」とはどのようなものなのでしょう。

荒井:具体的な話なんですけど、学連の仕事も行っているマネージャーの永井(龍之介)が「インカレとかで優勝するのもうれしいけど、リーグ戦は学連としても一番大変なんです。そんなリーグ戦で優勝することが、自分たちも一番報われます」ということを涙ながらに語ってくれたんです。そういう部員たちの思いがあったから頑張れました。

 

●─迎えた秋リーグ。港区スポーツセンターで行われた5試合を振り返ってみてどうですか?

荒井:初戦の法政大戦からひとり一人が最高のパフォーマンスを発揮していたと思います。応援もすごく良くて、普通4-10で負けている時とかは点数を取っても拍手だけすることが多いと思うんですけど、そんな場面でも逆転するんじゃないかというくらいの熱量で応援していました。そこはチームとしてもすごく良かったかなと思います。

熱量のある応援でコートに立つ選手の背中を押した早稲田大ベンチ

 

●─第2戦では明治大に勝利しました。

荒井:一番大きな勝因は、櫻井(大地)の勝利だと思っています。櫻井が勝っていなかったらチームは負けていたかもしれないし、仮に4-3で勝っていたとしても最終結果を考えたら2位か3位で優勝はできていませんでした。あの櫻井の1勝のおかげで明治に4-1で勝つことができて、最終結果も明治大と駒澤大と早稲田大で並んだ結果、得失点差で早稲田大が優勝できた。櫻井は明治大戦のヒーロー、いや早稲田大のヒーローかもしれないですね。もちろん、濵田兄弟と徳田が3人で23勝してくれたことが優勝の大きな要因ですけど、櫻井のあの1勝はすばらしい勝利だと思っています。

コートを縦横無尽に動き回り、強烈なフォアハンドを連発した櫻井。明治大戦では手塚を下した

 

●─港区スポーツセンターでの5試合を終えて早稲田大は4勝1敗、残りの2試合で勝利すれば優勝という状況でした。最終2戦までの2週間の間でチームでどのような話し合いをしたのですか。

荒井:前半戦を終えた次の日にミーティングをしました。そこでは、「優勝を意識してしまうけど、普段とやることは同じ」という部員もいれば「この2週間は優勝だけを見続ける」という部員もいて、意見はそれぞれでした。ただ、そんな中でも「やるべきことはやる」という意識はみんな持ちながら練習できていたのかなと思います。

 

●─優勝が目の前に見えているけども硬くなる感じではなかったですか?

荒井:「そうですね」って言いたかったですけど、みんな硬くはなっていたと思います。

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