卓球王国 2024年12月20日 発売
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インタビュー

早稲田大を支えた主将・荒井和也が最後のリーグ戦を振り返る。「早稲田大はみんなが一生懸命。本当にこのチームで良かったです」

●─代々木第二体育館での後半2試合を迎え、まずは駒澤大との対戦でした。

荒井:駒澤大戦は3-4で負けてかなり苦しい結果になってしまったんですけど、第6戦を終えて勝敗数が他の大学と並んでいました。「最終戦で勝てば優勝かもしれない」というのを聞いて「ついてるな」と思いました。

第6戦で駒澤大に惜しくも3-4で敗れる。徳田は6番で管に敗れた

 

●─落ち込んだというよりは「まだチャンスがある」という気持ちでしたか?

荒井:負けた後はすごく落ち込んでいて、6番で負けた徳田もかなり悔しがっていたと思います。ただ、インスタグラムで徳田が「ラスト1戦このチームで戦えるの最後だからやり切ろう」というストーリーをあげていたんです。それを見て、いろんなことを感じましたね。自分も5番で負けていたのでへこんではいたんですけど、「全然へこんでいる暇はないな」と思いました。徳田にこんなパッションがあるんだなって。

 

●─徳田くんは普段そんなタイプじゃないんですか?

荒井:熱いタイプですが、負けた後はへこんだりすることもあります。でも、徳田のストーリーを見て「コイツ、カッコいいな」って。

 

●─最終日の中央大戦では、2番で濵田(一輝)くんが敗れました。

荒井:「やばいな」というのが正直なところでした。濵田(一輝)もコンディションが少し良くはなかったんですけど、濵田(一輝)が負けて自分も少しへこんでしまいました。ただ、ダブルスはゲームカウント2-2の6-9で負けているところから逆転で勝利してくれて、「完璧だな」と思って見ていました。

フルゲーム9点で勝利し、コートに倒れ込んだ濵田/徳田

 

●─後半は5番の徳田くんと6番の磯村くんが同時に試合を行っていて、先に磯村くんが負け、2-3で負けている状況で7番の荒井くんに出番が回ってきました。

荒井:徳田の試合は3ゲーム目くらいから見ていなくて、どんな感じで勝ったかは後で知りました。勝ってくれると信じていたので、徳田の試合に関しては何の心配もしていなかったです。

闘志を全面にむき出して戦った徳田。5番で前出を下した

 

●─7番では同じく4年生の小松くんとの対戦でした。1ゲーム目は4-8とリードされた場面から逆転で取りましたね。

荒井:点数的には負けていたけど、挽回できないとは全然思っていなかったです。会場全体が応援してくれている気がしました。

縦回転サービスと得意のバックハンドで得点を重ねた荒井

 

●─2・3ゲーム目は余裕のある状態で試合を進めていたと思います。意識したことはありますか?

荒井:「こんなに熱を持って卓球に取り組める試合はもうないから、命懸けで試合しよう」という思いで、今までの全てを出し切って試合をすることを意識していました。

中央大・小松との4年生対決を制し、チームの優勝を決めた

 

●─勝利した後はベンチで涙を見せていました。

荒井:勝った瞬間は「ああ勝った」くらいの感じだったんですけど、ベンチに帰ってきた時に濵田(一輝)の「荒井さん!」っていう声が聞こえてきて、感極まりましたね。

勝利後、ベンチで部員たちに迎えられた荒井は感極まった

 

●─優勝をしたのは分かっていたのですか?

荒井:多分優勝かなと思っていたんですけど、半信半疑でした。

 

●─試合後の整列で優勝のアナウンスを聞いた瞬間はどうでしたか?

荒井:「うわ、優勝した」みたいな気持ちでしたね。2年生の時は2位、3年生の時は3位が最高成績で、その時はもしぼくが勝っていれば優勝できていました。そういう経験があったので、「優勝するのは大変だったな」とか「最後に優勝できた」とか、いろんなことを感じていました。

優勝のアナウンスを聞いた後、再び感極まった荒井

 

●─中央大戦での1勝は、荒井くんの今季初勝利でした。

荒井:今季は1勝2敗で、ぼくが負けた2試合はチームも負けていました。駒澤大戦が終わった後は苦しかったけど、中央大戦では「これが最後の試合」という気持ちで、これまでの負けは考えないようにしていました。

 

●─代々木第二体育館にはOBや保護者の方もたくさん来ていましたが、応援の力は感じましたか?

荒井:すごく感じました。自分自身、応援の力とかはあんまり信じないようにするタイプだったんですけど、やっぱり応援があると気持ちが全然違うような気がしたので、応援の力は偉大だなと改めて感じました。

最終戦が行われたのは平日にも関わらず、多くのOBや保護者が応援に駆けつけた

 

●─学生リーグを終えてみて、やはり早稲田大で良かったと思いますか?

荒井:すごく思います。早稲田大しかなかったなって。みんな一生懸命で良い人ばかりなので、居心地がすごく良かったです。

閉会式後には胴上げが行われた

 

●─今年の早稲田大は他の大学に比べると戦力的に劣る部分があったかもしれません。その中で優勝できたのは、「みんなが一生懸命」という部分が大きいのでしょうか?

荒井:それはあると思います。試合に出ている部員も、サポートしている部員もみんなが一生懸命。それぞれの部員が「自分がリーグ戦に出る」と思いながら練習に取り組んでいたりして、自分に対してはもちろん、周りに対しても一生懸命になれる。だから練習も応援も頑張ることができて、試合でのパフォーマンスが上がっていくのかなと思います。

 

●─同期の儀間(望)くんについてもお聞きしたいのですが、二人三脚でチームをまとめてきて、感謝の気持ちなどはありますか?

荒井:そうですね。儀間と2本柱でチームを支えていく感じで、僕は選手陣の枠作りを、儀間はサポート面でチームを支えてくれました。儀間はチームを明るくするのが上手で、ワードチョイスも天才的で最高ですね。儀間が同期で本当に良かったと思います。

荒井とともにチームを支えた儀間。胴上げでは最高の笑顔を見せた

 

●─後輩たちには何か伝えたいことはありますか?

荒井:後輩たちはみんな選手として素晴らしくて信用しているので、ぼくから伝えることはあまりないです。もう一度早稲田大が優勝するところを見ることができたら最高だなと思います。

 

●─卓球は大学生活で一区切りですか?

荒井:卒業後は一般企業に就職するので、卓球は趣味程度にやろうかなと思います。

 

●─杉本(和也)くんみたいな感じですか?

荒井:あそこまでできる自信はないです。笑

荒井の1学年先輩である杉本。早稲田大卒業後は一般企業で働きながら、10月には神奈川県代表で国スポにも出場した

 

●─全日学はまだ残っていますが、今までの卓球人生を振り返ってみてどうですか?

荒井:今まで出会ってきた全員が良い人で、本当に幸せだったなと思います。今までいろんな人に会って、そこで卓球ができたからこそ今の自分がある。最高の人生ですね。これからも頑張っていかないとなと思います。

 

●─ありがとうございました。4年間お疲れ様でした。

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