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インターハイ2025

男子学校対抗は野田学園が地元山口で万感の初優勝!育英の粘りも光った決勝戦

野田学園(山口)がついに、長年届かなかった夏の頂点に立った。決勝の相手は、前年まで8連覇中だった王者・愛工大名電を準決勝で下して勝ち上がってきた育英(兵庫)。2025年の高校男子日本一決定戦は、予想に違わぬ白熱の好ゲームとなった。

【男子学校対抗】●決勝
〈野田学園 3-1 育英〉
◯島田 7、-10、8、4 三木
◯岩井田 6、-6、9、-9 3 谷本
岩井田/中野 -10、-7、-8 谷本/西面◯
◯中野 -8、6、5、-9、5 西面

地元の心強い大声援を背に戦った野田学園は、まずトップの島田が先制する。育英の三木は劣勢の第2ゲームを逆転で奪って見せ場を作ったが、最後は島田の伸び伸びとしたプレーに流れを持っていかれた。

野田学園の島田はトップで勝利し、切り込み隊長としての役割を果たす

2番は互いのチームが絶対の信頼を寄せる左腕のエース対決。先行する野田学園・岩井田に育英の谷本が食らいつく展開の試合は最終ゲームにまでもつれたが、終盤には岩井田の豪打が炸裂して勝利。野田学園が2–0と日本一に王手をかけた。

見応えがあった両チームのエース左腕対決。軍配は岩井田に上がる

エース対決に勝利した岩井田。注目度ナンバーワンの選手が前評判通りの実力を発揮した

ところが、3番のダブルスは育英の谷本/西面がワンサイドゲームで野田学園の岩井田/中野を圧倒。「遠征などで岩井田と中野の2人が一緒にいる時間がチームの中で少なかった」(野田学園・橋津監督)という不安が的中する形となり、勝負は後半の4番・5番のシングルスに委ねられた。

育英はダブルスで反撃。谷本(左)/西面は野田学園の岩井田/中野を3–0で完封

4番は立ち上がり、育英の西面が猛ラッシュ。思い切りの良い攻撃で野田学園の中野にプレッシャーをかけ、第1ゲームを先取した。しかし、そこから攻めに転じた中野は逆に2ゲームを奪い返し、ついにあと1ゲームで日本一という状況に。ただ、西面も執念を見せて第4ゲームをもぎ取り、勝負は最終第5ゲームへ突入した。

小柄な体ながらパワフルなショットとクレバーな戦術で活躍した育英の西面

その第5ゲームは中野がロビングからの逆襲などファンタスティックなプレーを連発し、粘る西面を振り切った。この瞬間、野田学園の初優勝が決まった。

4番で育英・西面を破って優勝を決め、会心のガッツポーズの中野

「特に今年は地元だし、優勝優勝ってみんな言う。注目されているのはわかっていたので、正直プレッシャーはありました。でも、大応援団が背中を後押ししてくれて、選手たちはみんな、委縮することなくプレーできました。感謝ですね」(野田学園・橋津監督)

応援席の一角を赤く染め上げた野田学園の大応援団。ホームの後押しが初優勝の大きな要因となった

育英にとってはアウェー感満点の状況だったが、ベンチの元気の良さでは引けをとらなかった

野田学園の優勝を決めた中野の元へチームメイトが駆け寄り、初優勝の喜びを分かち合った

 

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