卓球王国 2021年6月21日 発売 vol.291
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世界の至宝、カルデラノ「メダル獲得がぼくのメインゴールだし、そのために戦いたい」

ウーゴ・カルデラノ

Hugo CALDERANO   Brazil

ブラジル 世界ランキング7位

photo Remy Gros & Eto

 

「メダル獲得がぼくのメインゴールだし、そのために戦いたい」

 

抜群の身体能力を持つカルデラノ。パワフルな両ハンドドライブが武器だ

 

東京五輪に向かうウーゴ・カルデラノ。6月22日に25歳になる異能な選手だ。

ブラジルのリオデジャネイロで生まれ、9歳で卓球を始め、12歳までは卓球とバレーボールの二足のわらじを履き、その恵まれた身体能力もあり、時に陸上競技にも借り出され、13歳までは走り幅跳びのリオのチャンピオンだった。

13歳から卓球を本格的にやるようになるが、1回2時間の練習を週に4、5回程度だった。14歳の時に現在のコーチ、ジャン-ロネ・モウニー(フランス)と出会う。モウニーの薦めでサンパウロに移り、その2年後にはフランスのINSEP(ナショナルトレーニングセンター)で練習するようになる。

さらに18歳からはドイツの『オクセンハウゼン』にあるLMC(リープヘル・マスターカレッジ)で訓練を重ね、そのまま『オクセンハウゼン』でプレーを続けてきた。

5年前のリオ五輪の時には世界ランキング50位だったが、その後、世界ランキング6位(自己最高位)まで上り詰めた。東京五輪でメダル候補だ。

5月に入ってすぐにカルデラノにオンラインでのインタビューを申し込むと快諾してくれた。

上り調子だった昨年3月に五輪延期のニュースを聞いた時にはどういう気持だったのだろう。

「もちろん去年、東京五輪を大きな目標として練習していた。ところが五輪延期という決定が発表され、次の日は練習を休んだけど、受け入れるしかなかった。2、3日は楽しみながら練習をしていたけど、その後には新たに2021年を目標に練習を始めた」。

5年前のリオ五輪。まさにカルデラノ自身のホームタウンでのオリンピック。あれから5年が経った。

この5年間で「オリンピックのメダル候補」と言われるまでに成長したカルデラノ。

「リオ五輪の時にはまだメダルを狙うチャンスはなかった。今回はメダルを狙える位置にいるし、そのためにやれることはすべてやっていく。メダル獲得がぼくのメインゴールだし、そのために戦いたい」。

ブラジルは南米では卓球強国と言われているが、世界的なレベルでは今までは第2グループだった。しかも、過去のブラジル代表は圧倒的に日系の選手が多かった。そして日系人が多く集まるサンパウロが卓球の中心だった。

少年時代、リオには満足な相手もいなかったために、カルデラノは15歳でサンパウロに移った。その後、フランスのナショナルトレーニングセンターに移り、モウニーやミッシェル・ブロンデル(元フランス男子監督)のサポートを受け、18歳からドイツのブンデスリーガでプレーをスタートさせた。

「パンデミックになって、ブラジルにも帰れずに家族に会えなかったのが辛かった」と語るカルデラノ。そして、5月20日に学校の体育の先生を務める父、英語の先生をしている母、そして妹、祖父母が待つリオデジャネイロに戻った。2週間の滞在が彼に最高のリラックスタイムを与えることになる。

東京五輪に向けてすべきことは何だろうと問うと、「しっかり準備をすることだね。技術的な準備、体力的な準備、それらが安定したメンタルを作る。オリンピックでの試合はストレスレベルが本当に高くなるから、メンタルの部分がポイントになると思う」と答えるカルデラノ。

日本のメダル候補、張本智和とは準々決勝で対戦する可能性もあり、ブラジルのエースとして団体でも日本と対戦する可能性がある。「ブラジルの人は、スポーツが大好きで、オリンピックは特別な大会で、いつもみんなで盛り上がる大会だから、そこでの成績は特別なものになる。もちろんまだどのような形でオリンピックが開催されるかわからないし、無観客になったとしても、そこでの活躍は大きな意味があると思う」と語るカルデラノ。

 

そして、すでにロシアリーグの『オレンブルク』と来シーズンを契約しているが、Tリーグでの出場の可能性を聞いてみた。

「もちろん、Tリーグは強くて、素晴らしいリーグだから、Tリーグに行かない理由はない」。

ロシアリーグは、Tリーグで重複していても出ることができる。近い将来、カルデラノのプレーを間近でみることもできるかもしれない。

7月24日に始まるだろう東京五輪の卓球競技。南米選手がメダルに触れたことはない。日本のライバルであり、世界の至宝、ウーゴ・カルデラノ。「ぼくは歴史なんて気ににしないよ。オリンピックでは何が起こるかわからないし、何でも起こりえる場所なんだ」。  <詳しくは最新号で>

 

 

 

*ウーゴ・カルデラノのインタビューは最新号で。

 

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