すでにドイツのティバーが粒高ラバー『グラスD.TECS』でグリーン、『クアンタム』でブルーとピンクを、アンドロが『ラザンター』『ヘキサー』でグリーン、日本のVICTASは『V>15』でブルー、『VENTUS』でピンクを発売することを発表した。
もともと卓球のラバーは1983年までは何色でもよく、ルールでも制限されていなかった。その頃まで赤、黒、グリーン、ブルー、琥珀色、エンジなどのラバーがあった。ところが、1970年代から中国がラケットの両面に黒色の異質ラバー(裏ソフトとアンチラバー、裏ソフトと粒高ラバー)を貼り、くるくる反転させながらどちらのラバーで打球したのかが相手にわからせないような技術、戦術を駆使するようになった。
相手選手は、ボールの軌道や打球音で判断するしかなく、観客に至ってはどちらのラバーで打球したかは選手のミスの仕方で判断するしかなかった。ラリー回数も少なく、あまりに用具に依存した卓球スタイルになったために、1983年の世界選手権期間中のITTF(国際卓球連盟)総会で、ラケットの両面を異色にする提案が通り、翌84年からルールが施行。さらに86年には明らかにラバーの色がわかるように黒と赤に色が限定された。
そして2018年から降って湧いたように「新しい色のラバーの導入」がラバー製造会社とITTFから持ち上がった。ITTFのワーキンググループでの検討を経て、2019年のITTF総会で、2020年東京五輪以降に「新色が加わり、新色ラバーを使う場合は片面は黒いラバーを貼ること」と規定された。東京五輪の1年延期に伴い、2021年10月1日からカラーラバーは解禁となる。そして、ピンク、バイオレット、グリーン、ブルーの4色が決まった。
卓球王国では最新号(9月21日発売2021年11月号)でITTF(国際卓球連盟)用具委員会の責任者であるクラウディア・ヘアヴェグ氏に新色ラバーに関するインタビューを行っている。
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──そもそもこのアイデアの理由は?
CH(クラウディア・ヘアヴェグ) 卓球をもっと新鮮に、ファッショナブルに見せることです。技術に関する変更ではない。選手からは批判はあまりなかった。卓球ファンからはいろいろな意見が出たし、メーカーからの批判や懸念もありましたが、想定内でした。
単純にメーカーもショップも今までの赤と黒のラバーに2色増えれば、2倍の製造と在庫になることを心配します。
ショップは全部を置かないで、ユーザーの要望があればメーカーにオーダーを出します。また卓球メーカーもひとつのラバーに対して、新色を全部製造することはしないでしょう。
──新しいピンクやグリーンなどのラバーが登場することは一般の人の興味を引きつける効果があります。
CH 卓球は本来、個人競技で選手の個性がある。SNSでもたくさんの男の人が「おれはピンクを使うぞ」と書き込んでいます(笑)。個人の選択肢が増えるのは良いことです。
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