卓球王国 2024年12月20日 発売
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10月1日からカラーラバーが解禁、卓球界に「カラー変革」は起きるのか

丹羽選手も試打をした。「黒や赤と同じ。ぼくはピンクを使いたい(笑)」とコメント 写真提供:VICTAS

 

 

卓球競技での全体のラバー使用枚数は同じ。

しかし、カラフルな新色ラバーで

ホビー選手を増やしたい

 

現時点では、すべての卓球メーカーがこぞってカラーラバーを発売する動きはない。

それは在庫の問題があるからだ。たとえば日本で人気のニッタクの『ファスタークG-1』にさらに4色追加するとしよう。スポンジの厚さは「中」「厚」「特厚」「MAX」の4種類なので、4色で厚さを揃えたら、それだけで16枚増えることになる。新製品で4色に赤と黒を加えた6色を揃えると、一度に24枚を揃えることになる。

そうなると卓球ショップでは在庫を多く抱える問題に直面するし、同じことは卓球メーカーにも言える。当面は、先発メーカーが新色ラバーを出し、日本のユーザーがどういう反応をするのかを注意深く観察しながらラインナップを揃えることになるのだろう。

ティバー、VICTASという卓球市場でも挑戦的なブランドは在庫をあまり気にせずカラーラバーに挑戦し、バタフライ、ニッタク、ヤサカというやや保守的なブランドは様子を見て、来年の4月、もしくは10月以降に発売する可能性もある。

現時点では、すべてのブランドがカラーラバーを製造する雰囲気ではない。それは商品を取り揃える卓球ショップも同じだろう。

東京五輪で「最も印象の残った競技」のNo.1になった卓球。よりホビー層を増やすうえではカラーラバーが起爆剤になる可能性がある一方で、在庫というリスクと向き合うメーカーやショップの動向も理解できる。

VICTASのカラーラバー試打では女子の契約選手は言うに及ばず、日本代表の丹羽孝希選手も「発売されたらすぐに使いたい。できたらピンク」と笑顔でコメントしている。

いずれにしてももうすぐ卓球の会場では、赤と黒だけではなく、ピンクやブルーのラバーを貼った選手が見られることになる。

競技人口が同じであれば、カラーラバーが発売されてもラバーの使用枚数は変わらない。東京五輪でより多くの人気を得た卓球。競技人口の裾野の部分で「自分も卓球をやってみたい」というホビー選手がカラーラバーによってもっと増えるかもしれない。

一方で、伊藤美誠選手や張本智和選手というトップ選手がピンクやブルー、グリーンなどのラバーで超人プレーを繰り出す姿も見てみたい。

 

 

グリーンも鮮やかな色だ  写真提供:ティバー

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