高校卓球界の名門、愛工大名電高の監督であり、自身も全日本チャンピオンの経験を持つ今枝一郎。
愛工大名電と言えば、野球の「イチロー」を輩出した学校だが、今枝は高校生の時に「名電のイチロー」は俺だとサイン色紙に書くほどの負けず嫌い。
小学2年の時に愛知・卓伸クラブで卓球をはじめ、全中、インターハイ、全日学で優勝。平成6年度には全日本チャンピオンにも輝いたスター選手だ。
大学卒業後に日産自動車を経て、愛知工業大名電高の教員に就任。その後、コーチを経て、現在は監督に就いている。
今では押しも押されぬ高校卓球界の王者となった名電。今枝は優れたマネージメント力で最強チームを率いている。
その今枝に2年ぶりのインターハイに懸ける思いを聞いた。
「3月の高校選抜で優勝して、久々の試合が愛知のインターハイ予選でした。愛知県は登録人数が多いので、うちの高校も地区予選から戦います。シングルスは何人か県大会へ推薦されますが、団体は地区予選からしっかり出てます。手は抜きません。地区予選からフルメンバーです。
選手の仕上がりは……正直、卓球うんぬんよりも、体調に気ばかりつかってしまいます。
とにかく無理をしない日々を過ごしています。どこかが痛くなって、病院に行くのもリスクがあるし、熱が出てしまっては寮中に緊張感が走るでしょう。だから無理はできません。追い込めているかといえば、例年に比べると全くできていません。
今、うちの寮には中学・高校合わせて20人の生徒が住んでいます。
ひとり体調を崩してしまうと、隔離しないといけない。そして行動も制限しないといけない。そのリスクは相当です。幸い、今の所はひとりも体調を崩していません。
そういう意味ではインターハイは不安があります。選抜の時みたいに“ねじ伏せてやる”というのはありません。
やるべきことをやり、ちゃんと戦う。そして無事に開催されることを祈って、伝統のウェアに袖を通して戦ってほしいですね」(今枝一郎)
名電といえば、紫と黄色の伝統の配色のウェア。TSP時代から長く着られていて、今は統合されてVICTASのウェアになったが、その力強い魂は変わらない。
今枝自身も学生時代はずっとTSPのウェアで優勝を勝ち取ってきた。「私は大学の時に全日本チャンピオンになったので、その時もTSPでした」と語る。
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