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今野の眼

ドイツ会長選に55歳のクラウディア・ヘアヴェグ氏が立候補。初の女性会長誕生か!?

「今、ドイツの卓球界を変えなければいけない。

今がそのチャンスだと思っている」

 

2021年9月10日にドイツ最大の卓球情報サイト『マイティッシュテニス』で、12月のドイツ卓球連盟の会長選にクラウディア・ヘアヴェグ氏が立候補すると報じた。

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ドイツ卓球連盟(DTTB)は、東京五輪では2個のオリンピックメダル(男子団体とオフチャロフ)を獲得した。現職のDTTB会長ミハエル・ガイガーは、今年の半ばに、12月の次の会長選に立候補しないことを発表。

 

DTTBと登録会員数が最も多い5つの協会は、ケルンのクラウディア・ヘアヴェグを後継者として提案する予定。西ドイツ卓球協会(WTTV)の元2部ブンデスリーガ選手兼コーチという経歴の持ち主である彼女はすでに立候補する意欲を表明している。彼女は卓球業界で30年間働いており、ITTF(国際卓球連盟)の用具委員会を3年間担当しています。

 

「彼女のリーダーシップと経験と国内および国際的なネットワークはDTTBの会長のプロフィールにふさわしいと私たちは確信しています」とバイエルンを含んだ5つの地域卓球協会(ニーダーザクセン州、ノルトラインヴェストファーレン州、ヘッセン州、バーデンヴュルテンベルク州)の会長は声明を発表している。

 

55歳のヘアヴェグが12月11日にフランクフルトで開催されるDTTB理事会で選出された場合、彼女はドイツ卓球協会初の女性会長となる。

<9月10日『マイティッシュテニス』より>

 

12月のドイツ卓球連盟の会長選に立候補するクラウディア・ヘアヴェグ氏

 

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早速、ヘアヴェグ氏に電話取材を行った。

 

「会長に立候補するつもりだが、いくつか理由がある。

秋のITTFの会長選に立候補しているペトラ・ソーリング(スウェーデン)のように卓球出身の女性のリーダーが増えることが必要で、女性がもっと意見を言うべきだと思っていること。

ドイツはヨーロッパで最大の、卓球の盛んな国であるにも関わらず、卓球へのイメージがさほど良くなく、一般の人へ新しい卓球を提示をして、卓球に興味を持ってもらわなければいけないこと。

卓球の競技人口も減少している。有望な若手や優秀なコーチを育成しなければいけないこと。

現在、WTTでのドイツ開催がなく、世界選手権でも開催予定がない中で、ITTFとのつながりを生かして、ドイツのプレゼンスを高めていくこと。

ドイツはある意味、危機的な状況にあるにもかかわらず保守的な人が多い。そこをなんとか変えていきたい。今、変革するチャンスだと思っている」

 

ヘアヴェグ氏は卓球の選手経験があり、20年以上もの間、ドイツのラバー製造会社「ESN」でマネージャーとして働き、用具の知識や卓球メーカーとのつながりもある。また3年前からはその知見を生かして、ITTFの用具委員会の責任者を務めている。

現時点で対立候補がいないために、立候補者が出ない場合は無投票でドイツ卓球連盟初の女性会長が12月に誕生する。

競技人口の減少と卓球人気の低迷、そして何よりボルとオフチャロフ、フランチスカに続く若手が出てこないドイツは、その競技レベルでも苦しんでいる。

単なる名誉職になりがちな協会の会長だが、55歳の若い会長が誕生し、ヨーロッパの中心であるドイツ卓球界を変えていこうとしている。

 

 

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