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ITTF会長は現職のペトラ・ゾーイング氏が再選も、総会は大荒れ

カタールのドーハで5月27日(現地)に開催されたITTF(国際卓球連盟)のAGM(年次総会)で会長選挙が行われ、70分間に及ぶ投票手続きの結果、現職のペトラ・ゾーイング(スウェーデン)が会長代理のカリル・アル-モハンナディ(カタール)に104対102の僅差で勝利し、会長に当選した。

しかし、この決定と採決方法を不服とした一部の参加メンバーらが猛反発。AGM進行役のITTF事務総長のラウル・カリンと同副会長のグラハム・シモンズに対し、「総会の冒頭(約10時間前)に行われた各国連盟の出席確認の際には16の連盟がオンラインでの出席を認められていたにもかかわらず、実際の投票では21の連盟が投票した(17対4でゾーイングを支持)」と主張。どの国(連盟)が後から加わったのかを明らかにするよう要求し、出席確認後に加わった国は投票権を持たないと強く主張した。

出席確認時には16の連盟がオンラインで出席しており、その後、早期に行われた提案事項の投票中にさらに2つの連盟が加わり、会長選挙の前にさらに3つの連盟が加わったことが確認された。

会長に再選したゾーイング氏。左横はIOC会長のトーマス・バッハ氏、その横がカリル氏

僅差で会長選に敗れたカリル氏

 

大型モニタには、ゾーイング氏が50.49%、カリル氏が49.51%という僅差であることが映し出された

1時間に及ぶ怒号の末、シモンズ氏は冷静な口調で、208の加盟連盟が出席登録されていたこと、出席確認の目的は定足数を確認するためであること、会場・オンライン問わず遅れて到着した連盟にも投票権があることを説明した。そして最後に「異議申し立て手続きは用意されており、それ以上はできない」と付け加えた。しかし、それでも抗議の怒号は収まらず、シモンズ氏は年次総会の中止を宣言し、今後の対応を決めるためにITTF執行役員会の緊急会議を行うと発表した。

なお、年次総会の中止により、この後に投票される予定だった副会長選も延期。ゾーイング会長は「(副会長選は)適切な時期に新しい日付を発表する予定です。この再開は、ITTF憲法(第1.87.1条)に規定されている執行委員会の4年間の任期を遵守するために、少なくとも2025年11月に行われなければならない」とコメントした。

写真=ITTF

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