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今野の眼

松下浩二が語る。「やっぱり1番になりたい。タマスさんに勝たないと1番にはなれない」

VICTASが卓球界の巨人、タマスに挑む理由

入札で2勝0敗のVICTASの松下浩二社長。今回の入札でも勝負をかけた

松下浩二

VICTAS社長

Koji, Matsushita

 

なぜVICTASは再び

男子NT(ナショナルチーム)の

オフィシャルサプライヤーを獲りに行ったのか?

 

2017年4月から日本卓球協会との4年契約で男子NTのオフィシャルサプライヤーとなったVICTAS。

オフィシャルサプライヤーとは日本代表選手のウエア、バッグ、など一式を提供し、スポンサーする企業のことだ。

金額はオープンになっていないが、入札方式で、金額の最も高い企業に落札となる。2016年10月19日に当時のヤマト卓球株式会社(現VICTAS)が落札し、翌17年4月から提供を始めた。日本代表ウエアにいわゆるオフィシャルスポンサーとして企業名がワッペンで貼り付けられているが、「もっとも高いお金のスポンサーがVICTAS」とも言われている。

 

2016年に男子はバタフライ(タマス)との一騎打ちと言われ、破格の金額を提示したVICTASが落札。そして、新型コロナの影響で、入札が1年遅れた今年、再び男子はVICTASとバタフライが一騎打ちの争いとなり、またしてもVICTASが破格の金額を提示して、2022年4月から2025年3月までの3年間の契約を勝ち取った。女子はミズノが落札した。

 

2016年10月19日に落札を決めた時の松下浩二社長と、日本卓球協会・星野一朗専務理事

 

2021年4月6日のオフィシャルサプライヤーの入札で、男子代表ウエアを落札したVICTAS松下社長と日本卓球協会・星野一朗専務理事

 

昨年10月にVICTASに復帰した松下浩二氏に、「なぜそれほどまでにオフィシャルスポンサーにこだわるのか」を聞いてみた。

 

ーー去年、社長に復帰して、その時から、オフィシャルサプライヤーを再び獲りに行くと決めていたのでしょうか?

松下 その時から決めていました。まだまだこのVICTASという会社を発展させなければいけない、大きくしていきたいし、ブランドの価値を高めたいので、男子のオフィシャルサプライヤーが必要だった。獲れて良よかったです。

前回の入札の時には、東京五輪が決まっていたので、その東京五輪でVICTASを着てプレーしてもらうことは大切なことで、次に何十年後に日本にオリンピックが来るかわからないけど、それまでは語り継がれていくものだと思っていました。だから絶対欲しかったから獲った。

今回は今の会社を大きくするために必要だし、まだまだVICTASというブランドは伸びていけると思っています。表には出さなかったけど、気合を入れて(入札に)いきました。

 

ーー5年前に入札に向かった時に、やはりタマスと一騎打ちになるのはわかっていて、落札しました。しかし、その頃のVICTASは失礼ですが、「本当にオフィシャルサプライヤーをやれるんだろうか」という供給の体制面で不安がありました。この4年間で実力がついてきたんでしょうか。

松下 (2017年当時は)何も整っていなかったという不安もありましたが、そこは「なんとかなるかな」と思っていました。獲ることが最優先で、あとは走っていくしかないと思ってました。

 

ーーVICTASがイエローのウエアを出して、張本選手が着たことで、卓球の市場や傾向を変えた感じはありますね。

松下 実はぼくはTリーグで(18年に)離れていたから、実感していない部分はありますね(笑)。

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