卓球王国 2022年8月22日 発売 vol.305
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インタビュー

「スポンサーという形で恩返しと応援をしたい」。卓球に魅了され、38歳からラケットを握った佐藤堅一

『みんなのおもいで.com』など、写真代行販売事業を軸に事業展開している株式会社ハッピースマイル。

東京五輪で使用された卓球台を社内に置き、就業後に毎日2時間の練習を欠かさないのが社長の佐藤堅一だ。

38歳から始めた卓球の魅力と可能性を信じる若き経営者は、創業の地である埼玉の地域、そして未来ある子どもたちへのスポンサードという形で、広く卓球を支えている。

 

●卓球との出合いは「ちょっと体を動かしたいね」だった

――佐藤社長は学生時代は卓球ではなくて弓道をされていたと聞いています。

そうなんです、卓球は全くやっていかなったです。卓球を始めるきったけは、2015年頃に社員たちと「ちょっと体を動かしたいよね」と話していて、じゃあどんな競技がいいかなと考てからです。ランニング、バレーボール、バスケットボール、バドミントン、卓球などいろいろな競技がある中で、「やるからには長く続けたい」という気持ちが強くありました。

屋外競技だと「今日は雨が降ってるからやめよう」とか「雪だから危ないね」とやらない理由をつけてしまいそうで……。そうした「やらない理由作り」というのは人間が物事を継続できないきっかけにつながっていると思っていて、人間の弱い気持ちを排除できる競技はないかなと考えてみました。

まず、屋外ではなくて屋内でできる必要がある。できれば社内でやりたかったので、バレーボールやバトミントンのような大きいコートは用意できない。そうなると卓球が妥当だというところに落ち着いて、卓球台を購入して社内で始めました。これが私たちが卓球に興味を持ったスタートでした。

 

――佐藤社長のツイッターを見ると毎日練習しているように見えますが、実際にはどうなんでしょうか?

かなり本気でやっています。平日は仕事を終えてから社内で2時間半ほど練習しています。休憩はなしで(笑)。また、私は卓球教室にも通っていて、週末にそこで覚えた技術を平日に社内で練習するみたいな感じを繰り返しています。社内では私以外にもうひとり熱心な社員がいて、よく2人で練習しています。

コロナ前はほかの社員たちも昼休みや就業後に卓球をしていたり、レクリエーションとして「ハッピースマイルカップ」という名前を付けて社内卓球大会も行っていましたが、コロナになってからは会社としてイベントがやりづらくなりました。コロナが治まってきたら、また以前のようにみんなで卓球をしたいと思っています。

ただ、私自身は卓球の魅力にハマってしまって、多い時は月に2回くらい大会に出ています。初めて大会に出た時は、相手のサービスの回転が全くわからないので怖かったですね。かかしのようにただコートに立っているだけで、ボールが通過して終わりみたいな感じだったんです(笑)。それでも続けていくと目が慣れてきて、「ああ、こういうことか」と回転がわかってくるんです。ボールにも触れる(当てる)ことができるようになってきて、そこにおもしろみが出てきたり。私はずっとシェーク攻撃型の裏裏でやっていたのですが、少し前にラバーをアンチにしたんです。

 

――バック面にですか?

はい。アンチにしたのは、今年の1月9日です。年末までは男子のプロ選手のほとんどが裏裏だし、強くなるには「裏裏じゃないといけない」という思い込みがあって。でも、自分は果たして、死ぬまでにあと何年卓球ができるんだろうと考えてみた時に、プロを目指しているわけじゃないなと思ったわけです(笑)

38歳から卓球を始めて、どこまでいけるのかなという自分の中の楽しみのひとつとして、残りの人生で卓球をどう楽しめるかがポイントじゃないのかな、と。そもそも強くなるためには裏裏でなければいけない決まりもないわけですし(笑)。でも実際にラバーを変えようとした時に、周りの経験者に話を聞くと「いや、裏裏だよ!」みたいな感じで言われるんです。でもだいたいそういう方たちは、小さい頃から卓球をやっているんですよね。

バック面に粒高や表ソフトも使ってみましたが、大会では同じ戦型の方とよく当たるんです。ありきたりだなと思って。試合で勝つためには「変な人」にならなきゃいけないと思って。そう思っていたらアンチラバーというものにたどり着いたんです。最初はびっくりしました。なんか下敷きみたいなラバーで(笑)。ネットでいろいろ探したらアンチが「絶滅危惧種」って書いてあって、それにワクワクしちゃって。「絶滅危惧種になれるのか!?」って(笑)

普段からアンチを相手に練習している人はあまりいないんじゃないかなって言う仮説を立てたんです。相手が対策をたてにくくて、気づいた頃には勝てるのではないかって。そこから、1月9日に意を決してバック面の裏ソフトをはがして、アンチを貼った。最初は自分でもわけがわからなくて。「これが絶滅危惧種なんだな」という感じで、ずっとやっていたらだんだんと打ち方がわかってきました。T.T彩たまのグループレッスンに行ったら「こういうふうに打ったら入りますよ」といろいろ教えてもらって、そこからもう体がアンチになりましたね。

 

――話を聞いてるだけでこちらも笑顔になります(笑)

試合の最初にラケットを見せ合うじゃないですか。あの時に「裏とアンチです」と言って相手の顔も見ないでコートに戻るんです。そしたら「もう一回いいですか?」って言われて、「アンチなんですか?」って聞き返されたり(笑)。

中には「アンチってなんですか?」と聞いくる方もいて。ここはもう作戦だなと思って「自分もよくわからないんですよ」って言っています(笑)。相手がぼとぼとネットに落としたり、オーバーミスしたりして試合には勝ったんです(笑)。用具という部分でも卓球はすごくおもしろいと感じています。

――さらに卓球がおもしろくなってきたんですね。

 

試合で(アンチを)相手がジタバタするのがおもしくなってきました(笑)

 

 

バック面のアンチラバーでは「止めたり」「攻めたり」と変幻自在に操る

 

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