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インタビュー

「スポンサーという形で恩返しと応援をしたい」。卓球に魅了され、38歳からラケットを握った佐藤堅一

 

●「地域のプロスポーツを応援したかった」。Tリーグ、T.T彩たまのスポンサーに。

――佐藤社長が経営している株式会社ハッピースマイルの写真代行販売事業『みんなのおもいで.com』は、Tリーグ男子の「T.T彩たま」スポンサーとして応援しています。その経緯をお話いただけますか。

創業時からずっと「地域に何かで恩返しができないか」と思っていたんです。埼玉で創業したので、埼玉に対して何かできないかなって。その恩返しのひとつとして「プロスポーツチームのスポンサー」をして、応援できればと考えていました。

ただし、スポンサー契約をする上で「こういうのは嫌だ」というのが私にありまして。これまで野球だったり、サッカーやバスケのチームなど、いろいろなところからスポンサーをしてもらえないかという話がきていました。どのチームにも共通していたことが「ここの枠が空いているんですけどどうですか?」というものでした。スポンサーの枠が空いたからおたくどう?という言われ方が私はとても嫌でして。

ある日、ネットニュースのトピックスに『卓球のプロリーグ、Tリーグ発足』と出ていて、その記事を見たら埼玉にもチームができると書いてありました。「これは!」と思ったのですが、でもどこに連絡をすればいいのかわからなかったので、すぐに日本卓球協会に電話をしました。

 

――すごい行動力ですね。

そうしたら「まだ何も決まってないのでわかりません」と言われました。こちらは埼玉にチームができると書いてあったので連絡したので、この埼玉のチームと連絡が取りたいんです、という話をしたら、調べて担当者から連絡させますと。

その後にT.T彩たまの方から連絡がきて、「本当にまだ何も決まっていなくて、お伺いしたいんですけども、何も持っていくものがないんです」と言われて(笑)。自分の中でユニフォームのロゴを入れる位置は、こちらに選択肢が欲しいとずっと思っていたので、逆に何も決まっていない方が良かったんです。ゼロからが良かったんですよね、私は。もう願ったり叶ったりで、そうしたら「本当に何もないんですけど一度行きます」となって、来ていただいたのが最初です。

 

――そういった経緯があったんですね。その後、T.T彩たまのスポンサーになり、今まで社員のみなさんとやっていた卓球とトップ選手のプレーを見た時の印象はどうでしたか?

そもそも、自分の中の卓球のイメージが「白いボールを打つ」というもので、やり始めた当初は、ただボールを叩けばいいんだという、その程度の感覚だったんです。実際にやっていくうちに「ボールがこんなにも回転してるんだ」ということを初めて知って、そのおもしろさに気づきました。

おそらく、卓球経験者でなければ、私と同じくらいの認識で卓球を見ている人は多いのではないかと思います。卓球と全く関わりのない状態から、大人になって初めて卓球に触れて、やってみたらそこに卓球の奥深さを感じました。実際にTリーグの会場に行ってトップ選手のプレーを見た時に、回転がどうなっているのかを意識して見るのですごくおもしろかったです。

卓球に興味が湧く人と湧かない人のラインは、やっぱり白いボールを叩いているだけだと思っているか、回転を理解しているかの差だと思います。スロー映像で見れば回転がかかっているのが見えますが、実際はラリーがすごく速いからわからない。それがわかれば、卓球はもっと広がって行くというのが自分の感想です。もちろん、プロ選手の技術の豊富さにも驚きました。

実際にT.T彩たまの選手が会社に来て、サービスを取らせてもらったことあるのですが、ここかなってラケットを置くと手前で曲がって触れませんでした。Tリーグや世界選手権といった舞台でプレーしている選手のサービスにはそもそも触れられもしないんですよ。でも映像で見るとトップ選手同士は簡単にレシーブしてる。本当にすごいなと思って見ています。

 

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