ポーランドで得た“もう一つの卓球観”。対戦相手が妊婦で驚いたことも。
元中国電力ライシス所属で、Tリーグの京都カグヤライズでも活躍した成本綾海が、指導者として新たな一歩を踏み出した。
「25年間、選手として走り続ける中で支えてもらった分、今度はコーチとして誰かの力になりたい」
実業団とTリーグで実績を築き、2025年にはポーランド・プレミアリーグにも参戦。その成本が感謝と決意を胸にプロコーチに転向し、3月からは古巣・京都カグヤライズのスクールでも指導にあたっている。
成本といえば、バック表ソフトの異質攻撃型。153cmと小柄ながら、高い身体能力を生かした前陣速攻が持ち味だ。
特筆すべきはダブルスの実績。2022年、2023年の全日本選手権では、絶対女王の伊藤美誠/早田ひなペアに敗れたものの、2年連続で準優勝。女王ペアをあと一歩まで追い詰めた激闘は今も記憶に新しい。
2024-2025シーズン、成本は未知の世界であるポーランド・プレミアリーグへ挑戦した。言葉の壁を越えるため、あえてチームメートが暮らすシェアハウスを選び、現地での「洗礼」も経験したという。
「監督から急に『今週末、ヨーロッパカップに出るぞ』と言われ12時間かけて移動したら、相手が現れず中止になったり(笑)。一番驚いたのは、対戦相手が妊婦さんだったこと。お腹が台に当たらないか心配で、狙い所に困りました」
こうした想定外の連続が、彼女の卓球観を大きく変えた。
「ヨーロッパでは負けても過度に落ち込まず、みんな試合を楽しんでいた。日本では『勝たなきゃ』というプレッシャーでしんどい時期もありましたが、帰国後は楽しむ割合が大きくなりました」
30代、40代になっても純粋に競技を続ける欧州の環境に触れ、「もっと早く海外に挑戦していたら、選手生命は違っていたかも」と振り返る。
現在は滋賀を拠点に、京都でのスクールや講習会で指導を行う成本。「いつか自分の卓球場を持ちたい」という夢に向かい、“勝つ卓球”と“楽しむ卓球”を両立させる彼女のセカンドステージが始まった。
(取材・高樹ミナ/卓球王国PLUS独占記事より一部を抜粋)
【成本綾海(なるもと・あやみ)】
1995年生まれ。岡山県出身。四天王寺羽曳丘中、四天王寺高、同志社大を経て、中国電力へ。Tリーグでは京都カグヤライズで2シーズンプレー。全日本選手権女子ダブルス準優勝2回など国内トップクラスで活躍。2026年3月よりプロコーチとして始動。
【主な活動予定】
月曜:守山市民体育館
火曜:京都カグヤライズ
水曜:野洲市総合体育館
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