2028年ロサンゼルス五輪まで残り2年4カ月(※実質的な選考期間は2年)となった。トップ選手たちに「まだ2年ある」と考える者は一人もおらず、一様に「もう2年しかない」という切迫感を募らせている。
2024年パリ五輪の際は、3年前に選考基準が発表された。当時は国内選考会を重視するあまり、WTTの世界ランキングを軽視しているとして「早すぎた決定」との批判もあった。今回のロス五輪に関しては、日本卓球協会強化本部の動きはむしろ「遅い」ようにも見えるが、その理由はロス五輪からの種目の増加にも関係しているようだ。
3月14日に開催された日本卓球協会理事会後の記者会見で、馬場美香強化本部長は記者の質問に答え、今後の方向性を明かした。2月にITTF(国際卓球連盟)の予選形式をIOC(国際オリンピック委員会)が公表したが、日本協会側は現在、不明点をITTFに確認中だという。以下は、代表選考に関する理事会後の会見での主なやり取りである。
<オリンピック選考と出場種目について>
――五輪の選考方法や選手の出場種目に関する最新情報は?
馬場強化本部長:五輪の選考方法(英文)を読み込んだところ、一人の選手が「4種目に出てはいけない」という記述はありませんでした。したがって、4種目への出場は可能であると理解しています。ただ、選考方法に数点不明な部分があり、現在ITTFに確認中です。これが確定しない限り、日本代表の選考基準も出せません。
(確認しているのは)具体的には、「Pカード(交代選手)の運用方法」と、「団体戦の競技方式」の2点です。特に団体戦については、ダブルスが含まれるのか、あるいは混合団体がワールドカップのような形式(※混合ダブルス・男子ダブルス・女子ダブルスが含まれる形)になるのかといった点を質問しており、回答を待っている状態です。
――シングルス代表2名の発表時期はいつ頃になりますか?
馬場:日本が混合団体の出場資格を得た時点でシングルスの2名は決まるため、早期の発表も検討しています。
――これまで「3人目の代表」は団体戦要員でしたが、もし混合団体がワールドカップ形式(ダブルス重視)になるなら、選考基準も変わりますか?
馬場:そうなると思います。ただし、先に2名が内定するため、3人目はその2人とのペアリングや相性を考慮して選出することになるでしょう。
【2028年ロス五輪・卓球実施種目(予定)】
男子シングルス(最大2名)
女子シングルス(最大2名)
男子ダブルス(1ペア)
女子ダブルス(1ペア)
混合ダブルス(1ペア、最大2ペアの可能性あり)
混合団体(男女各3名)
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<JOCエリートアカデミーの今後について>
理事会で報告された「JOCエリートアカデミー19期生」に関連し、本誌(卓球王国)は理事会後の会見でエリートアカデミーの存続意義について質問を投げた。
――設立から19年が経ち、指導者の中には「不要論」を唱える声もあります。協会としてJOCエリートアカデミーを存続させる意義や、これまでの成果をどう考えていますか?
馬場:JOCも4年スパンで考えていて、パリのオリンピックが終わった後も卓球競技として必要だという考えでした。
ーー強化本部としても必要だということですか?
馬場:強化の層を厚くすることはもちろん、JOCエリートアカデミーという存在があることで、他の中高チームが「エリートアカデミーに勝とう」とライバル心を持ち、互いに切磋琢磨することが重要だと考えています。
宮﨑義仁専務理事:かつては全中やインターハイに向いていた目が、エリートアカデミー設立によって国際大会へと向くようになりました。アカデミーだけを強くするという意味ではなく、アカデミーを保持していれば、それに負けじと他の団体が頑張ってくれるという図式が日本でできあがってきた。もしアカデミーがなくなれば、また視点が国内大会のみに戻ってしまう懸念があります。
――設立当初は「国際的な人材や指導者の育成」も掲げていたはずですが、結果として指導者などの輩出には至っていないように感じますが?
宮﨑:その点については2012年に方針を変更し、項目を削除しました。
星野一朗副会長:より競技力向上に軸足を移したということです。完全に削除したわけではなく「有為な人材の育成」という理念は残っていますが、当時は結果が求められていた時期でもあり、勝てる仕組みを優先しました。JOCだけでなく、競技団体(日本協会)も資金を投じている事業ですから。
◇
JOCエリートアカデミーは、平野美宇や張本智和といった全日本チャンピオン、五輪メダリストを輩出し、日本卓球界の躍進に大きく貢献した。多額の補助金が投入され、設立からもうすぐ20年が経とうとしている。所属選手数が減少傾向にある今、その存在意義と今後の在り方が改めて問われている。
*写真は馬場美香・強化本部長(2025年撮影)
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