2016〜2019年および2021〜2014年、足掛け9年で男子学校対抗8連覇を継続中だった愛知の愛工大名電(2020年は新型コロナによりインターハイが中止)。この2025年大会で優勝すれば、2005〜2012年に青森山田(青森)が記録した8連覇を超え、男子においては前人未到の単独新記録となるところだった。しかし、その前に関西の雄・育英(兵庫)が立ちはだかった。
準決勝トップで先制点を挙げた愛工大名電・面田。エースの役目をしっかり果たした
8月2日の朝9時から行われた準決勝。愛工大名電はトップにエースの面田を起用する強気のオーダーでまず1点を先取。2番は育英のエース・谷本が手堅く取り、勝負は3番のダブルスへ。
変化のわかりづらいサービスを軸に、愛工大名電の杉浦を翻弄した育英エースの谷本
今大会の愛工大名電は、面田/持田のエースダブルスの調子が初戦からずっと上がらなかった。この試合でも1ゲームは先制したものの、2ゲーム目以降は育英の谷本・西面のコンビネーションを崩せず、1–3で敗北。チームは1–2と追い込まれた。
ナイスコンビネーションを見せた育英の谷本(左)/西面。王者・愛工大名電を追い詰める
そして、運命は4番の1年生対決に託される。愛工大名電は3回戦の新潟産大附との激闘で勝利をあげた強心臓の郡司。対する育英は現・全日本チャンピオン松島輝空の弟で、元気印の松島翔空。先手を取って連打で攻めまくる松島と、それをしのいでカウンターを狙う郡司という構図の試合はゲームオールの好勝負となったが、最後はなりふり構わず攻め続けた松島に軍配が上がった。
粗さもあるが、それを補ってあまりある元気の良さが目立った松島。殊勲の勝利をあげた
【男子学校対抗】● 準決勝
〈育英 3-1 愛工大名電〉
三木 -7、-9、-5 面田◯
◯谷本 7、-15、3、6 杉浦
◯谷本/西面 -6、6、7、9 面田/持田
◯松島 -7、7、-7、6、8 郡司
思わず涙がこぼれた敗戦後の愛工大名電・郡司。まだ1年生。リベンジの機会は今後たくさんある
育英という強敵に加え、先輩たちが積み上げてきた連覇をつなぐという並々ならぬプレッシャーとも戦っていた愛工大名電の選手たち。「普通の高校生が背負わなくていいものをこの子たちには背負わせてしまった。試合後はごめんな、と声をかけました」(愛工大名電・今枝監督)
敗れはしたものの、その偉大なるチャレンジと精一杯の健闘には、心から拍手を送りたい。
さて、大会第4日となる8月3日には、学校対抗の決勝戦が行われる。対戦カードは、愛工大名電を破った育英と、前年2位の遊学館(石川)をストレートで破り、いよいよ地元優勝の期待がかかる野田学園。どちらが勝っても初優勝というフレッシュな対決は、午後1時半開始予定となっている。
準決勝敗退となった遊学館だが、最後まで選手・ベンチ一丸となって野田学園にぶつかった
野田学園のカギを握るのはやはりこの人、1年生エースの岩井田だ
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