【後編】「実業団の優勝」を掲げるファースト卓球部。ドリームチームの選手たちと濱野社長に実業団の意気込みを聞く

東京都江戸川区に本社を置き、関東一円を中心に全国規模で事業所を持つ株式会社ファースト（代表取締役社長／濱野浩）。

ファーストは、オフィスソリューションをメインに、照明や空調設備などのエコソリューション、更には卓球スクールをメインにスポーツ分野の事業も手がける商社。メイン事業であるOA機器分野での売上は、全国でも有数の規模を誇っている。

そのファーストの卓球部は、五輪、世界代表選手を揃えたドリームチーム。主なメンバーは岸川聖也、高木和卓、大矢英俊、松平健太、神巧也、町飛鳥、丹羽孝希というそうそうたる選手たちだ。

中学、高校、大学と卓球部で腕を磨いたファーストの濱野社長は、「選手たちの居場所を作りたい」という思いで、ナショナルチームを退いた選手の第2の道をつくっている。現役選手としてサポートするとともに、選手たちは同社が運営する『ファースト卓球スクール（東京の有明校、平井校）』で練習をしながら、スクール生の指導にもあたるなど、卓球を通じてさまざまな活動と地域貢献を行っている。

ファースト卓球部の目標であり、濱野社長の夢でもあるのが「全日本実業団選手権の優勝」だ。これまでの最高成績は3位で、昨年は実業団3位で出場権を得た全日本選手権団体の部に初出場し、松平、大矢、高木和のメンバーで優勝。

「実業団よりも先に全日本団体で優勝できたことはうれしかったのですが、やはり当初からの目標である実業団でなんとしても優勝したい」という濱野社長。実業団を間近に控えて、有明にあるファースト卓球スクールで練習する選手たちと濱野社長に、実業団への思いを聞いた。

濱野社長への恩返しも込めて優勝したい

●これまで3位の壁を越えられなかった要因は何だと考えていますか？

松平健太　やっぱり負けた試合ではダブルスを落としてしまっていますね。一昨年のクローバー歯科カスピッズも去年の日鉄物流ブレイザーズでもダブルスを落としてしまっています。岸川さんの時はどうでしたっけ？

岸川聖也　あの頃はダブルスで勝っても、今ほどメンバーが揃っていなかったから試合は負けてしまうことがあったよね。ただ、ダブルスを取れなかったら実業団で強豪チームに勝つことは難しくなるよね。

松平健太選手

●やはり上位に進んで競合となるのは日本リーグに加盟しているチームになると思います。そういったチームは日本リーグを始めとして団体戦の試合が多く、ダブルスを含めてチームで毎日練習していますが、ファーストとしては実業団に向けてどのように強化していますか？

神巧也　今シーズンは孝希が声掛けをしてくれて、みんなで集まって有明で練習することが多くなっています。集合練習は例年よりも多くなっていますね。なのでダブルスの練習も強化できています。コミュニケーションはもともと山田メンバーはそうですし、岸川さんともみんな長いので問題ないのですが、さらに良くなっていると感じています。

丹羽選手の声掛けで集合練習に力を入れている

●みんなエース格の選手ですが、それぞれの役割はどのように感じていますか？

高木和卓　おのおのがその気持を持っていると思いますが、ぼくは全勝ですね。

岸川　確か去年は2回戦で負けてなかったっけ？

高木和　それ言いますか（笑）。だから今年こそは全勝です！

神　1番から5番のどこに起用されても役割を全うしたいです。ぼくは試合中もベンチでもうるさいので（笑）、少しでも勢いが出るようにしたいです。

神巧也選手

●岸川選手は去年1試合に出場していますが今年は？

岸川　監督の濱野社長のオーダー次第ですね（笑）。いつでも出れる準備はしています。

●Aチームは29歳の丹羽選手が最年少ですが、ほかのメンバーはオーバー30とベテランになります。

松平　年齢は関係ないということを証明したいという思いもありますし、今まで経験した戦術面などを発揮できるのがぼくらの強みだと思っています。

●Bチームについてはどうですか？

大矢英俊　ぼくが単複で全勝しないと話しにならないと思いますし、町も全勝して２人で３点取るという気持ちでいます。もちろん、若手の２人も力があるので頑張ってもらって、１点でも多く取って活躍してもらいたいですね。

ぼくはAチームにいたらこのメンバーでは試合に出られないので、Bチームとして単複に出場できるのでむしろテンションが上がっています。

大矢英俊選手

●丹羽選手としては今回のメンバーで団体戦に出ることに対してはどのような気持ちですか？

丹羽孝希　今はTリーグでもそうですし、以前までのナショナルチームでもぼくが歳上の方でしたが、ファーストだと一番年下になって、みんな良く知っているメンバーばかりですから話しやすいですし、楽しいですね。このメンバーで戦う実業団の本戦が楽しみです。

●最後に応援してくれている方へのメッセージをお願いします。

松平　今回は埼玉県での開催ということでファーストの社員の方々がたくさん応援に来てくれると聞いています。応援で力をもらって、結果でみなさんに恩返しができるようにしたいです。そして、ファーストが一番目標にしている実業団優勝を目指してチーム一丸となって頑張ります。

大矢　ファースト社員が一年に一度、大盛り上がりになるのが実業団です。その期待に応えられるように優勝目指して頑張ります。

丹羽　ぼくは今年度からファーストに入って、チームの練習場を使わせてもらえることができて環境面でもとても助かっています。Tリーグを除けば、団体戦は実業団と実業団で上位に行って出場権利を得る全日本団体しかありません。このふたつの大会でファーストに貢献したいので、まずは実業でしっかりとプレーして良い結果を見せたいです。

丹羽孝希選手

神　少し前にファースト本社のある江戸川区の地域リーグ戦に岸川さんと卓さんと出場したんです。ファーストの社員さんとなかなか交流する機会がないのですが、そのリーグ戦には社員の方もたくさん出ていて、いろいろな話しをすることができました。

卓球をやっていた社員が本当にたくさんいて、そういった方々の中にはぼくたちが試合に出て頑張ることで、ファーストが卓球に力を入れている会社だと知って、入社したと言ってもらえました。実業団を含めて各大会でぼくらが活躍することで、卓球好きな方がファーストという会社に興味を持ってくれたり、卓球スクールも運営しているので子どもたちや大人の会員の方にも喜んでもらえて、良いモチベーションを与えたらいいなと思っています。そのためにも実業団では結果を追求して頑張ります。

高木和　東京アート卓球部がなくなって、濱野社長に声をかけていただいてファーストの所属になれました。去年は岐阜県での開催でしたがたくさんの社員の方が応援に来てくれて、とても感謝しています。今回はみなさんに優勝の姿を見せたいと思います。そのために全力で頑張っていきたいです。

高木和卓選手

岸川　ぼくがファーストに入った頃は今のようなメンバーが集まることは想像できなかったですね。ぼくたち全員とも優勝したいという気持ちはありますが、自分たちのためよりも濱野社長の「優勝したい」という気持ちに応えることが大事だと考えています。良い結果を出すことによって、ファースト社員の方々や卓球スクールの生徒さんにさらに盛り上がってもらえたらうれしいです。メンバーはこれまでにたくさんのタイトルを獲ってきているので、今大会では濱野社長への恩返しも込めて優勝したいですね。

岸川聖也キャプテン

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