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【ブンデスリーガ&ECL現地レポート】ブンデスリーガでダブルス初勝利の宇田幸矢。悩みながら課題と向き合う

宇田の課題。それは自身の卓球にもっとストップやツッツキ、ブロックなどを取り入れて展開の幅を広げることだ。
きっかけになったのは2021年9月のWTTスターコンテンダードーハだった。男子シングルス1回戦でアポロニア(ポルトガル)と対戦した宇田は、第1ゲームを13-11で競り勝ったが、相手が勝負どころで出してきたYGサーブにうまく対応できず、3ゲームを連取されて敗れた。この敗戦が宇田の考えに変化をもたらした。

ところが、新しい技術は一朝一夕に身につくものではない。ストップやツッツキなど細かい技術の修得に重きを置くうちに体の動きのスピードが落ちて、持ち前のチキータやフォアハンド強打との連動がうまくいかなくなってしまったというのだ。
それでも「今、自分がやっていることの方向性は間違っていない」と信念を貫こうとする宇田。

「目先を見るか、もっと先を見て卓球を良くするか。以前のプレースタイルでやっていれば、もしかするとここ1、2年の成績は良かったのかもしれません。でも結局、点を取りにいくリスクのある卓球だけでは安定感に欠け、どこかで壁に当たっていたと思うんです。だからやっぱり細かい技術を養わないと」(宇田)

明確な課題を持ちながら、ドイツでの練習に取り組む宇田

宇田は目下、世界ランキング23位で日本男子の2番手につけながら、パリ五輪代表選考ポイントではトップ10圏外という厳しい状況に置かれている。ブンデスリーガでも満を辞して臨んだ11月27日のデュッセルドルフ戦でボルと対戦中、左肩を亜脱臼するアンラッキーに見舞われ、フルゲームの大激戦を13-15で落とした。

とにかく我慢が続く宇田。ブンデスリーガでの出場予定は12月17日のマインツ戦と21日のミュールハウゼン戦の残り2戦。「今、取り組んでいることを試合でどんどん使って、その感覚を身につけたい。今は精神的な我慢ばかりですけど、技術的な我慢ができるようになって試合に勝ちたいです」と自身を鼓舞していた。

文・写真=高樹ミナ(スポーツライター)

 

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