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中国リポート

2023中国超級リーグプレーオフ、女子は5季連続の深圳vs山東を制した深圳がV

2023シーズンの中国超級リーグ・プレーオフ(総決賽)。女子決勝は今シーズンも、孫穎莎・陳夢・蒯曼という強力メンバーを揃えた深圳大学と、王曼昱・銭天一・范思琦を擁する山東魯能の対戦となった。準決勝・決勝の結果は下記のとおり。

[女子]●準決勝
深圳大学 3−1 華東理工大学
山東魯能 3−1 上海龍騰
●決勝
 〈深圳大学 3−2 山東魯能〉
◯蒯曼/陳夢 9、−11、10、−9、7 范思琦/銭天一
孫穎莎 4、−4、7、−9、−9 王曼昱◯
◯陳夢 7、3、10 銭天一
蒯曼 −6、−11、−5 王曼昱◯
◯孫穎莎 6、5、15 范思琦

超級女子プレーオフを制した深圳大学(後列)。前列中央は中国卓球協会の劉国梁会長

第1ステージの最終戦でも4戦全勝で激突した両チーム、この時は2番・王曼昱が孫穎莎を破り、ラスト銭天一が孫穎莎に劇的な逆転勝利を収めた山東魯能が勝利していた。プレーオフ決勝の2番でも、第1ステージに続いて王曼昱が孫穎莎とのエース対決が実現し、王曼昱が再び勝利を収めたが、深圳大学はトップのダブルスでの勝利が大きかった。山東魯能は王曼昱が孤軍奮闘の2得点を挙げたものの、ラスト范思琦が3ゲーム目の粘りも及ばず、孫穎莎にストレートで敗れた。深圳大学はこれが2シーズンぶり3回目の優勝だ。

プレーオフ決勝ラストで勝利し、深圳大学にタイトルをもたらした孫穎莎

山東魯能のエース王曼昱、孤軍奮闘の2得点もチームは敗れる

実は深圳大学と山東魯能、2018−2019年シーズンのプレーオフ決勝を皮切りに、2020年、2021年、2022年、2023年とこれで5季連続で決勝で対戦している。深圳大学には23年世界女王の孫穎莎、山東魯能には21年世界女王の王曼昱。近年の超級リーグ女子のクライマックスは、ふたりの世界女王をキャプテンとした国家チームの「紅白戦」だ。ちなみに東京五輪女王の陳夢はもともと山東魯能で頭角を現した選手だが、2018−2019年・2020年シーズンは深圳大学、2021年シーズンは山東魯能、2022年・2023年シーズンは深圳大学に登録されている。

取材に応える陳夢。現在は深圳大学の所属だが、山東魯能の生え抜きのスター選手だ

敗れた山東魯能としては、準決勝の上海龍騰戦で陳熠に1−3で金星を献上した陳幸同が決勝を欠場。第1ステージの深圳大学戦で勝利していた陳幸同/銭天一のダブルスが使えなかったのが大きく響いた。12月15〜17日に名古屋で行われたWTT女子ファイナルズでは、準決勝の王芸迪戦でゲーム間にスマートフォンを操作したことが問題視された陳幸同。「違反行為だ」「何らかの指示を受けていたのか」とファンからのバッシングが巻き起こり、本人がSNSで「技術面のポイントのメモを見ていただけ」と謝罪する事態になった。その騒動が影響したわけではないだろうが……。

準決勝で敗れて3位となったのは、ともに上海市をホームとする華東理工大学と上海龍騰。華東理工大学は深圳大学戦で李雅可が陳夢にストレート勝ちする金星を挙げたものの、エース王芸迪が孫穎莎に完敗して勝機をつかめず。上海龍騰は張瑞・孫銘陽という異質型のツインエースに若手の陳熠という陣容で山東魯能に挑んだが、張瑞が王曼昱に2−3で競り負け、陳熠が1点を挙げるに留まった。

準決勝で敗れた華東理工大学のベンチ。写真左端は長くチームの指揮を執る藏玉瑛監督

開催のわずか2周間前に会場と日程が発表された超級リーグプレーオフだが、特に女子の会場には孫穎莎や王曼昱の女性ファンが多く訪れ、熱い声援を送った。国内外を問わず、どの試合会場にも馳せ参じるその行動力には恐れ入る。ファンの熱量を追い風に、超級リーグも「緊縮開催」の状態をそろそろ抜け出したいところだ。

会場には多くの女性ファンが訪れた。WTT名古屋で見覚えのある方もいますね……

超級リーグプレーオフの会場の様子。卓球台は1台のみ設置され、プレーオフの男女6試合が行われた

※写真提供:2023中国ピンパン球卓球倶楽部超級聯賽・組織委員会

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