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中国リポート

全中国運動会の出場選手リスト男子編。樊振東が出場、馬龍は有終のラストステージへ

少し前のニュースになるが、10月15日、中国卓球協会は11月7〜20日にマカオ・銀河総芸館(ギャラクシー・アリーナ)で行われる第15回全中国運動会・卓球競技の出場選手リストを発表した。コロナ禍のもとで行われた2021年の第14回大会から4年。中国卓球界の最大の祭典は、中国全土から『飯圏(ファングループ)』をマカオへと集結させ、盛大に行われる。まず男子から、主な出場選手は下記のとおりだ。

◎男子の主な出場選手
※T=団体/S=シングルス/X=混合ダブルスに出場

●黒龍江省
徐瑛彬(T・S・X)魏世皓(T・S)曹巍(T)王博(T)徐振宇(T)
●吉林省
范勝鵬(T)劉家良(T・S)劉子碩(T)尹嘉旭(T)楊凱(T)
●遼寧省
徐海東(T・S・X)袁励岑(T・S・X)侯英超(T)王浩丞(T)楊碩(T)
●北京市
王楚欽(T・S)黄友政(T・S・X)徐晨皓(T・S)馬龍(T)閻安(T)
●天津市
郝帥(T・X)高楊(T・S)王楷博(T・S)蒋世輝(T)李育光(T)
●河北省
梁靖崑(T・S)周雨(T・S・X)梁儼苧(T・X)胡東申(T)李元赫(T)
●山東省
于子洋(T・X)劉丁碩(T・X)全開源(T)魏奕哲(T)張恩澤(T)
●河南省
牛冠凱(T・S・X)于何一(T・S)夏易正(T)宋卓衡(T)張剣皓(T)
●上海市
樊振東(T・S)許昕(T)周愷(T・S・X)趙子豪(T・S・X)趙釗彦(T・S・X)
●江蘇省
陳垣宇(T・S・X)孫聞(T・S・X)曹彦涛(T・X)陳亜軒(T)王卿伊(T)
●浙江省
向鵬(T・S)蔡偉(T・X)孫正(T・S)于継寧(T)祝佳祺(T)
●湖北省
薛飛(T・S・X)馬特(T・S・X)陶育暢(T)習勝(T)熊夢陽(T)
●広東省
林高遠(T・S・X)周啓豪(T・S)敖華磊(T)李芸杰(T)袁烜松(T)
●福建省
陳俊菘(T・S・X)程靖淇(T・S)曾蓓勲(T)鄭培峰(T・X)蘇鈺杰(T)
●海南省
林詩棟(S)
●香港
黃鎮廷(T・S・X)陳顥樺(T・S)何鈞傑(T)林兆恒(T)姚鈞濤(T・X)

◎男子団体・出場18チーム
黒龍江省、吉林省、遼寧省、北京市、天津市、河北省、山東省、河南省、上海市、江蘇省、浙江省、湖北省、広東省、福建省、広西チワン族自治区、青海省、香港、マカオ

これまで男女団体/シングルス/ダブルス・混合ダブルスの7種目で行われてきた全中国運動会だが、今大会から成年組(一般)と青年組(18歳以下)のふたつの年代で、男女団体/シングルス/混合ダブルスのそれぞれ5種目、計10種目が行われる。団体戦では出場する18チームがA〜Dの4つのグループに分かれ、上位2チームが準々決勝に進出する。

男女団体の試合方式は、前回大会までは5シングルスのABC-XYZ方式だったが、今大会はパリ五輪・団体戦と同じ1番ダブルス・2〜5番シングルスで行われる。1番ダブルスに出場しない、シングルス2点起用の選手が2番で必ず対戦する方式だ。

この試合方式だと、優勝候補の双璧は北京市と上海市。北京市は王楚欽、上海市は樊振東という絶対的なエースがいて、ダブルスのペアリングも豊富だ。この2チーム以外では、前回優勝の広東省、梁靖崑がエースの河北省、徐海東と袁励岑のいる遼寧省なども上位候補だが、実力は接近しており、混戦模様だ。

男子シングルスは、前回大会では劉丁碩(2015年世界ジュニア優勝)が林詩棟、許昕、王楚欽を連破する大活躍で決勝に進出し、旋風を巻き起こしたが、その劉丁碩を決勝で完封した樊振東が初優勝を飾った。

2連覇に挑む樊振東。ブンデスリーガでは思わぬ敗戦もあるものの、超級リーグでの強さは圧倒的(写真提供:ピンパン世界)

今大会の優勝候補は樊振東・王楚欽・林詩棟・梁靖崑の4人に絞られ、大物食いのダークホースが向鵬と徐瑛彬か。世界チャンピオンの王楚欽は、優勝を逃すと2029年大会では29歳と年齢的に厳しくなることもあり、今大会に懸ける思いは強いはずだ。林詩棟はTTR(ビデオ判定システム)の導入で、トスをやや斜めに上げていた巻き込みサービスが出しにくくなり、国際大会の成績がやや伸び悩んでいるが、今大会はシングルス一本に絞って調整できる強みがある。

世界王者として、満を持して初のタイトル獲得に挑む王楚欽

林詩棟は男子シングルスのみの出場。体力的にはアドバンテージもあるか(写真提供:ピンパン世界)

ベテラン勢では10月20日に37歳の誕生日を迎えた馬龍が、現役最後となる大会に臨む。エントリーは団体戦のみで、左腕の黄友政とペアを組んで単複での出場となるか。ファンからは大きな声援が送られそうだ。

2017年大会で2連覇を達成した当時の馬龍。プレーヤーとして最も充実した時期を迎えていた

その他、45歳の侯英超、42歳の郝帥、35歳の許昕なども今大会が最後の出場となる可能性が高い。侯英超は2001年の第9回大会で全中国運動会にデビューしており、孔令輝や劉国梁、王涛らがまだバリバリの現役だった。3月の全中国運動会・団体予選では、侯英超は18歳年下の周啓豪を破っており、まだ若手にひと泡吹かせる力はあるだろう。

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