いよいよ開幕したパリ五輪卓球競技。7月27日から8月10日まで、『パリ南アリーナ4』を舞台に15日間に渡って熱戦が展開される。
日本勢の初陣となったのは混合ダブルス1回戦に登場した張本智和/早田ひな。日本として2大会連続の金メダルを目指したが、イ・ジョンシク/キム・クンヨン(朝鮮民主主義人民共和国)に敗れて初戦で姿を消した。
北朝鮮は前回の東京五輪はコロナ禍を理由に欠場。その後も国際大会には長く姿を現さなかったため、データも少なく怖い存在だった。
第1ゲームはバック面に粒高ラバーを貼るキム・クンヨンのクセのあるボールと、イ・ジョンシクの安定したフォアドライブとコースを突いたバックハンドに苦戦し、ラブオールからの6連続得点を許すなど、流れをつかめずに奪われる。
第2ゲームも序盤は0-3と離されるも、中盤からは台上プレーで先手を取りながらラリーを優位に進め、ゲームカウントを1−1のタイに戻す。
しかし、第3ゲームは第1ゲームと同様に序盤から大きく得点を離されて奪われると、続く第4ゲームはジュースで落として窮地に立たされる。
第5ゲームは粒高でレシーブしてくるキム・クンヨンに対して早田がロングサービスを出し、張本が3球目攻撃を狙うという展開で得点を狙ったが、ラリー戦で抜群の安定感を見せる北朝鮮ペアをなかなか引き離せない。両ペア譲らない攻防の末にこのゲームもジュースまでもつれたが、最後は張本のバックドライブがネットミスとなり決着。これまでなかなか国際大会に姿を現さなかった北朝鮮ペアが、五輪という大舞台でジャイアントキリングを起こした。
ITTF(国際卓球連盟)は「混合ダブルスで大番狂わせが起きた。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のイ・ジョンシクとキム・クンヨンが、第2シードの日本の早田ひなと張本智和のペアをセンセーショナルに破ったのだ。この下馬評では劣勢だった両選手は、4対1で見事な勝利を収めた」と書き記した。
北朝鮮対日本といえば、2016年リオ五輪でメダル候補だった石川佳純が大会2日目のシングルスで伏兵、キム・ソンイに苦杯をなめた試合が記憶にある。
国際大会に出てこない北朝鮮選手はなんとも情報不足。特に女子のキム・クンヨンの変化ラバーに戸惑ったのは否めない。第2シードを獲得するためにこの半年間のツアーの転戦。しかし、本戦には思わぬ「魔物」が潜んでいた。2日目から始まるシングルスでは気持ちを切り替えて戦おう。
敗れた張本/早田だが、両選手ともこれからシングルスと団体戦が控えている。残る2種目ではこの悔しさを晴らし、メダル獲得を期待したい。
<混合ダブルス1回戦>
張本智和/早田ひな -5、7、-4、-13、-10 イ・ジョンシク/キム・クンヨン(朝鮮民主主義人民共和国)
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