67名の選手が出場し、最初に予選ラウンドの3試合が行われて決勝トーナメントを戦う64名を決定する男子シングルス。前回の東京五輪までは、第17〜32シードの選手は2回戦、第1〜16シードの選手は3回戦から出場する試合形式だったが、パリ五輪ではすべての選手が1回戦からの登場となる。ドローの結果を、トーナメントの前半/後半に分けて見ていこう(全体のドローもページ一番下に掲載)。
※予選ラウンドの対戦カード
デサイ(インド) vs. アボ−ヤマン(ヨルダン)
ジャー(アメリカ) vs. ウルス(モルドバ)
ディアウ(セネガル) vs. シュレスタ(ネパール)
日本男子のエース、張本智和は第6シード。準決勝まで中国選手と当たらないブロックに入れればベストだったが、準々決勝で世界卓球2連覇の樊振東と当たる組み合わせになった。
不運のドローにも思えるが、樊振東は現世界王者とはいえ、第1シードの王楚欽に比べれば張本にとっては戦いやすい相手。中国選手のいないブロックにも強豪がひしめいていることを考えれば、決して悪いドローではない。
張本の初戦の相手は、ベルギーのアレグロ。左腕だが、フォア主体のオーソドックスなスタイルなので、それほどやりにくさはないはず。怖いのは続く2回戦で当たるNo.アラミヤンだ。フォアハンドがうまく振れなくなる「イップス」になりながら、バック主戦のスタイルを築き上げてカムバックした不屈のファイターで、昨年のアジア競技大会でも張本と4−2の接戦を演じている。張本は続く3回戦でも左腕のフレイタスかリンドとの対戦になる可能性が高く、左腕との3連戦か。
一方、第10シードの戸上隼輔は、第4シードのカルデラノ(ブラジル)のブロックに入り、3回戦で張禹珍(韓国)と当たる組み合わせ。まずは経験豊富なテクニシャン、ユージン・ワンとの初戦をしっかり制して勢いに乗りたい。張禹珍とはこれまで主にダブルスで対戦しており、シングルスの一発勝負となれば勝機は十分にある。時に強引なプレーで流れを引き寄せる張禹珍に、ペースを乱されないことが肝要だ。
すべての選手が1回戦からの出場となったことで、今大会は早いラウンドでの波乱は少ないだろう。ベスト8決定の3回戦以降は、世界トップクラスの強豪同士による熱戦が続く。
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